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安倍首相、中国けん制狙う 欧州引き込みに腐心 G7サミット (時事通信)

2015年06月08日 | 国連・国際社会
安倍首相、中国けん制狙う 欧州引き込みに腐心 G7サミット
時事通信 2015/06/08-00:37)

【エルマウ時事】安倍晋三首相は7日開幕の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、軍事・経済両面で台頭する中国をけん制する明確なメッセージの発信に努めた。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した欧州各国に対し、同銀行の運営をめぐる懸念を示すとともに、中国が南シナ海で進める人工島造成を容認しない姿勢で足並みをそろえることに心を砕いた。

 首相は昨年のブリュッセルでのG7サミットでも中国の海洋進出について自ら取り上げ、「力による現状変更」という点でウクライナ情勢と類似した問題がアジアでも起きていると訴えた。周辺国の批判を意に介せず造成工事を急ぐ中国は最近、人工島を「軍事目的」と認めた。日本政府は「昨年よりも事態は深刻化している。欧州各国にも危機感を共有してもらいたい」(首相同行筋)と警戒を強めている。

 日本が南シナ海情勢に厳しい姿勢で臨むのは、沖縄県・尖閣諸島のある東シナ海にも波及しかねないとの懸念があるためだ。安倍政権は日米同盟の強化に加え、オーストラリアやインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)と海洋安全保障の協力を深めてきた。

 首相は今回のサミットの機会を最大限に活用して欧州を引き込み、中国に対する圧力を強めたい考え。開幕に先立ち、フランスのオランド大統領との個別会談では、人工島造成に「懸念を共有している」との発言を引き出した。

 AIIBに関しても、首相はかねて「悪い高利貸ではいけない」として、運営の透明性や融資の持続可能性に疑念を示してきた。創設メンバーの英国、仏、ドイツ、イタリアが一堂に会したサミットで、首相は「持続可能でないことにお金をかけることがないようにすべきだ」と直接懸念をぶつけ、中国がもくろむ「G7分断」の阻止に躍起となった。

 ただ、圧力一辺倒では、中国の強引な海洋進出を止められないとの指摘もある。首相は昨年11月と今年4月に習近平国家主席と会談し、日中の関係改善に努めることでは一致しており、対中外交では硬軟織り交ぜた対応が必要となりそうだ。



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