音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

LEWIS FUREYを讃えよ

2009年03月18日 | Weblog
まさかの初来日。
70年代後半に何枚かのアルバムを出して、その後ほとんど消息のないカナダのSSW.

僕はセイラーやスパークス、スティーブ・ハーレイといったレトロ・モダン・ポップの文脈で聴いていました。
世界観としてはルー・リード、ケンズブール、トム・ウェイツ、実際に師弟関係にあるレナード・コーエンあたりが近いです。最近だとアントニー&ザ・ジョンソンズからホーリーな感じを抜いた感じかも。

デビュー・アルバムの1曲目の歌詞が「私をレイプしたいなら、お金を払って」ですから、それが腐る直前の果実のようなとろける様な耽美なメロディーで歌われます。

ステージはグランド・ピアノが2台、その間にコーラスの女性が二人(これが最高!)
台詞や朗読もあるシアトリカルなパフォーマンスも折り込みつつ、退廃と官能と快楽の音楽が奏でられます。

ルイスの歌声は爬虫類に首筋を舐められるようなと言うと当たらずとも遠からず。

客席にはゆらゆら帝国の坂本慎太郎さん、ムーンライダーズの鈴木慶一さんの姿も(こういうカルトな来日は外人がすごく多かったりするんですが、一人も居なかったので、カルト過ぎて外人も知らないんですね)

ダブル・アンコールではすっかりノンゲになったのルイスがこの極東で、こんなに受けている事にご満悦のご様子でした。

精神病院のカルテを模したデザインがデビュー・シングルのジャケ(写真)だったとは初めて知りました。