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こちらに来る機内でLE POINTを見つけ読む。文化欄で Ulrich Mühe ウルリッヒ・ミューヘという東ドイツ出身の男優が紹介されている。彼は、すでに50万のフランス人が見たというアカデミー賞最優秀外国語映画賞に輝いた « La vie des autres » (原題 "Das Leben der Anderen") で、Stasi のスパイを演じている。皮肉なことに、1984年から1990年まで彼の妻であった女優 Jenny Gröllmann が 1979年から Stasi のために働いていて、自分の妻に裏切られていたことである。彼は鬱状態の危機にあり、LE POINTのインタビューをすべて断っている。昨年 Gröllmann は癌のため亡くなるが、その前に競演しているという歴史の不思議。
街を歩いていて映画のポスターを見た時、このエピソードが蘇ってきて、早速見ることにした。東ドイツの作家・演出家と女優、それに Ulrich Mühe 演じる Stasi が軸になるお話。彼が盗聴を続けていくうちに、芸術家の心に触れてしまい、彼らのためになるように気付かれないように僅かながらの力を添える。共産主義国、全体主義国ではどこでも行われているだろうことが大げさになることなく、坦々と描かれている。それだけにその恐ろしさが強調される。ただ、その中に微かな変化が見え始め、それが次第に希望に変化していく時、見ている方もそこに参加せざるを得なくなる。そういう力を持って迫る秀作であった。
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今ネットで調べていて、またしても何という発見、あるいは物忘れ。この映画の邦題 「善き人のためのソナタ」 を見てはっとした。この映画は日本でもやっていて、見たいリストに入れていたものであった。こんな形でそれが実現するとは、しかも終ってからでなければそれに気付かないとは、、、
さきほどホリエモンに2年6ヶ月の実刑判決でした。この事件は海外メディアでも取り上げられるんでしょうか。
「善き人のためのソナタ」はアカデミー賞で外国語映画賞を獲りました。かなりの人に事前に観ることを薦めて来ましたが、言うことを聞いてくれたのは1人だけ。その男と受賞を確信していました。昔は映画ファンだったと言う人ほど、現在は疎遠ですね。なんででしょうね。暇になったのに勿体ないなあと思います。
「La vie des autres」は1977年公開の「これからの人生」ですね。そんなに昔の俳優が話題になるとは驚きです。
年とともに感受性が鈍ってきて日常に埋没するというのが人の常のような気がしています。それを克服して全く新しい人生を歩むことも可能なはずです。読み始めたばかりのクリシュナムルティの本にも書かれていましたが、現実世界からできるだけ自由な心でものを見ることを覚えるとすべてが新しく発見の日々になるそうです。時間が許せば、映画の世界などはその一つの場になりそうな気がしていますが、、、
エドワード・サイードの伝記ドキュメンタリー映画を観ました。「私の人生を表現するなら、出発と帰還の連続です。出発は常に不安で、帰りはいつも不確かなのです」という言葉がありました。監督は鬼才の佐藤真。サイードはグレン・グールドやダニエル・バレンボイムの信奉者でもあったそうです。
ポールさんはサティそっくりだそうですが、髭をとるとサイード似でもありますね。
サイードの映画のことはどこかで聞いた記憶があります。paul-ailleurs はサティーやサイードとは似ても似つかない容貌の持ち主ですが、以前の記事にあるようなサティーの人物に何かを感じたのかもしれません。