仏語版が1周年を迎えたこともあるのだろうか。フランス語を始めた当初、異常に興奮していたことを思い出している。その音を発すること、その音を聞くことに。ただどうしても向こうが全く見えないというもどかしさを2年ほど引きずっていた。触れようとしても触れられないもどかしさである。
それが消え始めたのはおそらく初めてフランス語で向こうの人とやりとりをした時だろうか。調べてみると、つい最近の昨年3月のことである。ずーっと今の状態だったのかと思っていたが、ほんの一年ほど前まではフランスとの実質的な交わりはほとんどなかったのである。そのことに驚いている。この記事を読んでみると、当時はブログを始めたばかりで、他の人のものを読むこともなく、ただただ自分に向けて、虚空に向けて言葉を発していたことがわかる。この記事を読んでいるうちに、当時の感覚が甦ってきた。そんな中、大胆にもフランスの人にメールを出したのだ。すぐにその返事が戻ってきた時には、フランスの肉の部分に接したように感じて非常に嬉しくなったことも甦ってきた。ストレートな、無垢な喜びである。
たまには節目に昔を振り返り、当時の自分の中の変化を具体的に捉えようと努めるのも面白い。試みるとその感覚は甦り得るものだということもわかる。ブログはそのためにも役に立つようだ。そして、「初心に返る」 というのはこういう作業をしなければならなかったのか、と初めて感じている。