フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

ケ・ブランリー美術館へ AU MUSEE QUAI BRANLY

2006-09-02 23:49:52 | 展覧会

9時前にホテルを出て歩き始める。近くに公園があるので入る。Parc André Citroën とある。 土曜の朝のためか、静かで人影がほとんどない。たまにジョギングをする人、早足で歩く人、ゆっくり歩いている年配の2人連れなどを見かける程度。なぜか違う土地に来ると朝から歩きたくなる。おそらくそれが非常に気持ちのよいことだということを覚えてしまったからだろうか。

しばらく歩くとエッフェル塔が見えてきた。これほど意識してみることは今までなかった。じっくり見てみるとやはり美しい。今までは何気なく日本にあるタワーと同類と思っていたが、今回全く別物であることに気づく。もともと名所見物には興味がなかったのでわかったつもりになっていたが、最近形に興味が湧いてきて、じっくり見るようになっていることが大きいようだ。

セーヌ川に沿ってエッフェル塔を少し過ぎると今日の目的地、ケ・ブランリー美術館である。この美術館については以前に何回か触れているので (123)、初めてのような気がしない。しかしなぜか有名人にでも会うような緊張感をわずかに感じていた。

中に入り螺旋状?に感じた登りの道を歩いて行くと、壁や床に映像が映されていて集中力を喚起される。展示場は全体に暗く、アフリカ、アジア、オセアニア、アメリカなどの地域別になっている。メインの会場から外に突き出るように小さな部屋がいくつも並んでいて、秘密の部屋に入るようで面白い。装飾品、織物などもあったが、今回興味を引いたのは木製のマスクや彫刻の類であった。こちらの肌に近く迫ってくるように感じたせいだろう。

この美術館でも展示はほとんど反射するガラスの中で行われていた。これは致し方ないことなのだろうか。一時間ほどで出て、リブレリーを覗く。アフリカ音楽とシュテファン・ツヴァイクが亡命し命を絶った土地について書いた "Le Brésil, terre d'avenir" (「ブラジル、未来の土地」) に手が伸びた。この作家とは数年前空港でバルザックの伝記 "Balzac: Le roman de sa vie" を買って以来のご縁である。なぜかパリで目の前に現れる。カフェで休んでから会場を後にした。

コメント
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