フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

4月の記事

2006-04-30 09:48:04 | Weblog
2006-4-30 アート・バックウォルド再び INTERVIEW AVEC ART BUCHWALD
2006-4-29 PRIMROSE
2006-4-28 イメージ、時間、現象学 L'IMAGE, LE TEMPS, LA PHENOMENOLOGIE
2006-4-27 「熱狂の日」音楽祭2006 再び LA FOLLE JOURNEE AU JAPON (2)
2006-4-26 正当性 LE BIEN-FONDE
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2006-4-24 「熱狂の日」音楽祭2006 LA FOLLE JOURNEE AU JAPON
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2006-4-20 融通無碍 ESPRIT SOUPLE
2006-4-19 フランス大使館へ A L'AMBASSADE DE FRANCE A TOKYO
2006-4-18 「O嬢の物語」の著者 "HISTOIRE D'O" ET SON AUTEUR
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2006-4-16 ガルブレイス伝記 "JOHN KENNETH GALBRAITH: HIS LIFE"
2006-4-15 パリジャンと話した後に赤ワインを買う
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2006-4-13 モーリス・アンドレ MAURICE ANDRE, UN QUART DE SIECLE APRES
2006-4-12 プロクルステスの寝台 LE LIT DE PROCUSTE
2006-4-11 中沢新一 「芸術人類学」  "ANTHROPOLOGIE ARTISTIQUE"
2006-4-10 アート・バックウォルド ART BUCHWALD EST SUR SON LIT DE MORT
2006-4-09 年を重ねるということ VIEILLIR C'EST ORGANIZER ...
2006-4-08 さあ見て、少しだけ見て ALORS REGARDE, REGARDE UN PEU... 
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2006-4-06 自由人ジャン・フランソワ・ルヴェル (I) REVEL L'HOMME LIBRE
2006-4-05 車内音楽の模様替え LA NOUVELLE MUSIQUE DANS MA VOITURE
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2006-4-03 パトリック・ブルエル、ジャン・フランソワ・ルヴェル P BRUEL ET JF REVEL
2006-4-02 曽我蕭白 SHOHAKU SOGA - PEINTRE HERETIQUE ET ...
2006-4-01 円山応挙 OKYO MARUYAMA - ESPRIT DE LA RENAISSANCE

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アート・バックウォルド再び INTERVIEW AVEC ART BUCHWALD

2006-04-30 00:49:53 | 年齢とヴィヴァシテ

先日アート・バックウォルド (1925-) が死の床にあることを書いた。本日、ホスピスでのインタビューを見る (こちらから)。いくつか印象的な話があった。

彼が生まれた直後、母親が精神病院に入ったため、彼は母親を知らない。里親に育てられ、6-7歳の時に孤独を味わい、混乱した。そんな時に、人を笑わすことを覚えた。後年、人を笑わすことでお金が取れることを知り、New York Herald Tribune の仕事をフランスで始めて以来、半世紀以上もの間この仕事を続けてきた。これまでに8,000のコラムを書いているという。

ワシントンに帰ってからは、民主党、共和党のどちらかの立場に立つのではなく、権力にあるものに対する立場で、正義と悪の対比で言えば、正義の立場 (side of good) でものを書いてきた。なぜなら、"I'm a good person." だから。

書く時に参考にするのは、新聞記事。特に、怒りに震える時の方がユーモア溢れる記事が書けるという。ここでも政治家の本態が語られているが、彼らはいつも物事を捻じ曲げて、真実を語る以外は何でもやる。だから彼は真実 (彼から見える、と断っているが) を語ってきた。

彼は透析を断りホスピスに入ったが、その前に壊疽で足を切断している。これには本当に頭にきたという。死については、皆怖がって語ろうとしない。しかし彼は、われわれがどこに行くのか、そんなことは問題じゃない、問題なのは今ここで何をするかだろう、ときっぱり。

ホスピスに入る決断をしたことは正解であった。ここにはわれわれが死に向かう存在であることを知っている仲間がいるし、これまでに出会った人々や友人がいろいろなところから私を訪ねてきてくれ、今一番幸せなときを過ごしている。家にいたならばそんなことにはならなかっただろう。

最後に、どのように記憶されたいかと問われて、皆を笑わせた人、そして私が good guy であったことと答え、今葬儀を計画しているが、素晴らしいセレモニーになるだろうと結んでいる。

彼の底にある善意のようなものがあふれ出たインタビューが、最後までユーモアと活力を失わない彼の人生を照らし出しているように感じた。

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