文化の日に久しぶりにTV5を見る。丁度、作家のドキュメンタリーが流れていた。話を聞いていると、作家なのだが人文科学をも研究している全人的なインテリ intellectuel total が紹介されている。彼はすべてが説明可能だ tout est explicable という立場に立っていて、文化を跨ぎ、自らの属するところを越え、考えている。社会的には laïque で、思想においては raisonnable、(もうひとつの原則は残念ながら聞き逃した) を基本に置いて生活している。チュニジア生まれのユダヤ人でフランコフォン。そのせいもあるのだろう、少数派 minoritaire の立場を理解する。植民地を支配する方 colonialiste とされる方 colonisé の立場についても考察を深めているようだ。その過程で、マグレバンの文学、フランコフォンの文学に大きな可能性をもたらした。
Albert Memmi (1920-)
今年で85歳になる。画面で見るところ、まだまだ意気軒昂であった。彼の思想のキーワードには私にも訴えかけるものがあるので、いずれ触れてみたい。