フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

朝のひと時 AU CAFE DU MATIN

2005-06-16 21:47:47 | パリ・イギリス滞在

このところ時差ぼけのためか5時には目が覚める。今朝は7時過ぎに部屋を出て、角のカフェで朝のカフェを飲みながら Le Point を読む。日本に帰ればあるはずなのだが、Parisの特集が目に付いたので買ってしまった。文化欄に行くと « Proust, l'été de 1906 » のタイトルが見える。Marcel Proust の友人の手記が出てきて、それが出版されるという (« Une saison avec Marcel Proust. Souvenirs », de René Peter. Avant-propos de Dominique Brachet, préface de Jean-Yves Tadié; NRF Gallimard, 171 pages)。1906年といえば、プルーストが母親を亡くし、ベルサイユに落ち着いた時期で、近くに住んでいたルネと半年ほど生活をともにしたその思い出が書かれているようだ。彼が有名になる前の姿が浮かび上がってくるのだろう。

また別のページには、マルセイユで8月中旬まで開かれているプロバンスを描いた画家の展覧会 (Sous le Soleil, exactement) の記事がある。ヴァン・ゴッホ、セザンヌ、ジョルジュ・ブラックなどの他にも18世紀くらいの画家も含まれているらしい。昨日、FNACに行って Baux Arts のセクションを見ている時にこの展覧会のカタログが売りに出されていたのを思い出していた。日本で遠くの出来事として読むのと違って、すぐにでも手に入る本や週末にでも見に行けそうな展覧会などが出てくるので気持ちが良い。

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昨日の朝の6時くらいであったか、テレビをつけると人間の生殖細胞や胚の扱い(人間がこれらを操作してよいか)について専門家の話をまとめたドキュメンタリーをやっていた。彼らの話を聞いていて、議論が浮き足立っていない、背後に筋が一本入っているような印象で、とても私と同年代の人とは思えない落ち着きと哲学的な何かを秘めている様子が漂っているのを感じていた。別の印象を言えば、ほとんどの人が mélancolique なのである。年齢だけのせいではないと思われる。アメリカのビジネスライクな(やや、いけいけという感じの)ところでは余り感じられなかったものでもある。日本でもまだ追いつけという発想が強いのか、アメリカのやり方に染まっているせいなのか、そういう印象を持つことはほとんどない。若い頃にはヨーロッパは少し遅れているというような印象を持っていたが、今では彼らの生き方も面白いと感じるようになっている。日本賞を貰ったという学者も出てきてコメントしていた。彼女は人がほとんどいない広々とした、古びた実験室で、日本ではもう使われていないだろう種類の顕微鏡を覗いていた。

コメント
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