フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

写真・映像に見るチャップリン展

2005-06-13 23:37:41 | 展覧会

12日(日曜日)、Grand Palais の展覧会を出た後ゆっくり歩きながら、チャップリン展 Chaplin et les images に向かう。この展覧会は、来る時の機内で読んだ Libération の文化欄で知った。コンコルド広場に着くと4隅に2つずつ銅像が見える。以前にパリの案内をしながらフランス語を勉強するという本の中で、コンコルド広場にはフランスの町を象徴している(守るようにとの祈りを込めた?)像があるというのを読んだ記憶 (確かではないが) があり、すべてを写真に収めた。Bordeaux、Lyons、Lille、Marseille、、など。ボルドーの像はぶどうの房を持っていたが、他の街はどうなのか、これからその特徴を調べてみたい。

Jeu de Paume は Tuilerie 公園の中、丁度オランジュリー美術館 (Musée de l'Orangerie) の反対側にあった。こちらはチケットを買う人の列が長かったので、まず入り口の横にある本屋さんで時間をつぶす。絵画や写真関連の展覧会が多いのだろう、小さいがその関連の本で溢れている。いくつか買いたいと思った本があったが、メモを取るだけにした。帰ってからも興味が持続していれば注文することにする。時々、日本の日常に戻るとほとんど興味を失っているものも出てくるので、この方が理にかなっているのでは、と諦めた。ただ、旅行したあの場所で買ったという、本を見ればその時の景色や心境が思い出されるという楽しみは味わえないだろうが。

入り口の列はなかなかすかないが、波があり時々すいてくる時があるようなので、その時を狙ってチケットを買い、中に入った。やはり人で溢れている。飛行機の中でひいたと思われる鼻かぜがひどく、鼻水が止まらなくなっていたので、写真の方は後でカタログを鑑賞することにして、film clip の方だけを全部見ることにした。

彼の役柄は人がよいと言うのか、善意を踏みにじまれてもどこまでもそれを押し通すというのか、しかし辛らつな反骨の精神を持ち合わせ、最後は一人静かにすべてを受け入れて立ち去る、というイメージが多く、印象に残る。チャップリンの映画は子供の頃に見た記憶がある。機械の歯車と一緒に回っている姿やとうもろこしをぐるぐると回す仕掛けの前で口を開け四苦八苦している姿などが浮かんでくる。おそらく、Modern Times (Les Temps Modernes) で、文明批判をしたものだろう。あとは意識的に見たものはない。アメリカでの赤狩りに引っかかり、指紋押捺をさせられている写真とともにそれをモデルにした映画の一場面が流されていた。時代とともに生きた、その中に巻き込まれ、最後はそこから浮き上がってきた役者、芸術家であったようだ。映画が流されているスクリーンの前には人だかりができ、腹からの笑いや押し殺した笑いなどが溢れていて和ませてくれる展覧会であった。

ホテルに戻る前に、パン屋・お菓子屋 (boulangerie-patisserie)さんでキーシュ・ロレーヌ quiche lorraine (生クリーム・ベーコンなどが入っている) とタルトレット・フルイ tartelette fruit (さくらんぼ) を買う。いかにもパリの年配女性という感じの店主がキーシュを2つ出そうとするので、咄嗟に un quiche と言うと、UNE quiche と直してくれた。こういう場面で文法に則った言葉はなかなか出てこないもののようだ。

コメント
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