作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 歴史エッセイ (34) 前田利家 】

2006-12-23 17:33:41 | 05 歴史エッセイ


加賀百万石の前田家ほど不思議な家は無い。

一族の歴史の中で、ただ一人、槍の又左だけ
が突出していて、後にこれといった人材が
居ない。次男の利政には、父利家譲りの気性
があったようだが、利長は情けない。

もともと利家自身、前田の四男だった。
嫡男が家を継ぐと決めたのは家康で、
それも家光と忠長の家督裁定のときだけ。
現に三男秀忠を二代目の将軍にしている。
それまでに、そんな儒教的なこだわりはない。

信長も三郎信長なのである。

四男の利家の跡を継がせるのに、なぜ優柔不断
な利長に替えて剛毅の利政が、家を継がなかったのか。

ともかくも、家康には幸いしたし、異人たちが
日本列島の近海に出没する世がきても、ぼ~っ
と太平の夢をむさぼっていたと言ったら、石川
県人に叱られるだろうか。

戊辰の役でも全く目立たない。大村益次郎が
佐賀鍋島藩の所有するアームストロング砲を、
上野の山にこもる彰義隊に向けてぶっ放す、
その大砲の場所に藩邸を提供したぐらいだろう。

結論として、前田利家だけの家で、それも利家
が若いときから秀吉と交流が深かっただけの、
そして家康とのバランス上、官位がどんどん
上がった百万石だった。


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