作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 歴史エッセイ (59) 俘囚 】

2007-03-15 19:03:50 | 05 歴史エッセイ


ヒドイ差別語、いや侮蔑語である。

安倍氏は、出羽の清原氏と共に俘囚と呼ばれて
いた。

俘囚だから、わざわざ陸奥守を派兵して退治する。

現代のイスラムだからブッシュが派兵するのと
変わらぬ構図である。

安倍氏の長、頼時は新任の陸奥守・源頼義と同音の
ヨリヨシを遠慮して、改名まで行って従順に振舞って
いたのである。

思うに、彼らは縄文人であったのだろう。
狩猟や木の実採取で生活の糧を得ていた。
その副次効果で金を発見した。

平安朝としては、土地に密着し集団生活を送る弥生
人が望ましい。縄文人にも水田を作らせ稲作農民と
する。それが平安朝の意図するところ、それを実行
させる為の陸奥守であろう。

源頼義のイメージは良くない。
カレは金が欲しかったんじゃないか。
前九年の役は、源頼義の安倍氏に対する挑発から
始まった戦である。安倍氏から見たら、売られた
喧嘩を耐えに耐えた末の、仕方なき応戦であった
と思う。

俘囚。実に嫌な言葉である。そこには中華思想が
ある。中央こそが「正しく美しい」。僻地は野蛮
である。安倍氏は平安朝に従順に服しながらも、
朝敵にされた。

気の毒な氏族だと思う。


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