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ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

「向田邦子との二十年」・・久世光彦著(ちくま文庫)(5 /10読了)

2009年05月17日 | 本の事
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 副題がタイトルになった本だと書いてあった。
少し前の朝日新聞の日曜版で見つけた本。
すぐ購入した、大好きな久世光彦さんの本なので・・もちろん私が買いました。

「触れもせで」と「夢あたたかき」にいづれも向田邦子との二十年という副題が付いていた。それを一つのにした本なのだ。

久世光彦といえば、やはり「演出家」の顔のほうが広く知られているだろう。しかし この人のエッセイは美しい日本語の美しい文章で、昭和という時代や優れた文学や映画について知ることができる、そしてあまりにも綺麗な流れるような文章に心が洗われる。
私はこれらの本は永久保存したい本のうちに入る。

で、このエッセイは
物知りで、古い言葉をこよなく愛し、他人の持ち物や面白い話を自分のものにしたがり、自分のことを棚に上げつつ楽しい嘘をつく…。

そんな向田邦子とともに仕事をし、彼女の話を聞き、一緒に語り、何かと持ち物をあげてしまい、そしてその才能を妬ましくすら思ってしまった著者。そんな著者が、自分より早くいなくなってしまった向田邦子について、書いたラブレターかな?と思う。

ただのちょと親しい 友人が亡くなって、その思い出を愛惜に満ち満ちた目で思い返す対象となる相手はそうざらにはいない。
そして恋人でもないのに亡くなった女性を、生き生きと魅力的に、これだけ読ませる文章で書ける男もそうはいないと思う。(強いてあげれば、遠藤周作と佐藤愛子の関係も私は好きで、憧れるのだけど・・)

向田邦子とのつきあいは、それだけ密度の濃い20年だったのだろうね。そして向田邦子もまるで弟のように可愛がったり、親身になったり、時に仕事の相談役として誰よりも大切にしていたのだろう。

下世話な私は この関係を 男と女という柵を、ひょいと飛び越えたところでつきあっていたのか、それとも男と女であり過ぎたのかどっちだったのか、それが知りたいと思った。
弟分にしてみれば、後者を期待するところだろうが、これは、きっと賢い姉がふたりの距離を上手にコントロールしていたのにちがいない、自分を制してと私は思う。
だから それは男と女のあいだに友情が成立するかというようなありきたりな命題にはおさまり切らない、もっと包括的な人の姿(師弟関係か)が、肌のぬくもりまで添えて伝わってくるのだと思う。

そんなわけで 全編に 久世さんの向田さんに対する羨望と信頼と尊敬の混じった愛情が感じられる文章なのだけど、太宰病に陥っていまだ抜け切れない久世さんに向田さんはこういった。「私は走れメロスは好きだけど、あまり好きでない。太宰は男の人を酔わせる人ね。」と・・
そうかなぁ、私は太宰は好きだけどね。

この本の「漱石」という章で、
向田さんの作品の中に半死後が次々に現れる。
<到来物> <冥利が悪い> <按配> <目論見>まだある。<気落ちする> <持ち重りのする> <了見> <昵懇>・・・
どれも他の言葉に置き換えにくい、暖かい人の体温のようなものを感じさせる言葉ばかりである。ちっとも古くないし、わかりにくくもない。日本語の優しさと暖かさが、春の水のようにゆったりと伝わってくる。どうか国語辞典を引いてそのぬくもりを感じてとってほしい。というところがある。

そういえば久世さんの本にも「ニホンゴキトク」というのがあって、「瀕死の日本語」がたくさん出てくるけれど、
そういうコトバにこそ、いい言葉だなぁ、と思うものが多い。「うすなさけ」とか「ねんごろ」とか。
向田邦子も、そういう言葉を使う名手だった、と書いてある。「きまりがわるい」とか「時分どき」とか。
あえて、そういう言葉を使っているところもあった、と。

少し話がとぶけど、私も古典を読んでると時々、あ、と思うコトバに出会うことがある。
「よるべない」とか、「ほだされる」とか、「ないまぜ」とか、「なかんずく」とか、「益体もない」とか、「剣呑」とか、「怯懦」とか。
日頃、使いそうで、使わないコトバ。もしかすると近い内に、忘れさってしまいそうなコトバ。
そういうコトバに出会ったら、とりあえず手帳に書き留めておく。
あ、と思ったときに、そこに書き足して、またしまっておくだけ。ただ書くだけなのですぐに忘れてしまうけど、そうやって書き留めておくと、自然描写の表し方に気持ちに添う言葉がみつからないような時に、ひっぱり出して眺めてみる。

そうそう、これこれ こんな言葉があったっけ、と、使ってみる。使っているうちに、少しずつ使えるようになってくる。「のっぴきならない」とか、「ためつすがめつ」とか。そして少し偉くなったような気になる。作家と変わらないような言葉を使えてうれしくなる、まったく単純ですが・・

話は戻るけど 結局久世さんって こういう本を書いたということは、なにもかもあえて個人的なことは聞かない、知らんぷりでも深い絆で結ばれていた という二人だけの素晴らしい秘密の関係を、ずっとずっと長らくひっそりと胸に抱いて愛でていたのに、老年になって、もういいかぁ、10年も経ったのだし、一人の胸に収めておくのが苦しくて ちょっと放ってしまったのではないか。

こういうところが なんともかわいい弟分なんだよなぁ。姉貴分としてはおおいに喜んでいると思う。

いいよね、ここういう二人の関係、お互い夫婦でも恋人でもないのに、節度を守り、空気のようでそれでいて もの言わなくてもすべて通じる、お互いがお互いのプラスになっている関係。
考えてみたら贅沢だと思う。だって久世さんには奥様が、向田さんには 好きな方がいたのだから・・


「商人」・・ねじめ正一著 (集英社)を読む。(5/4読了)

2009年05月13日 | 本の事
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ねじめ正一の時代ものというか、ねじめ正一の本 自体始めて読んだ。(トンボ文庫です。)
早く書きとめておかないと忘れてしまう・・・すでに海馬が狂っているからね。

半元服を迎えた日本橋瀬戸物町の鰹節商、伊勢屋高津伊兵衛の次男、十三歳の伊之助。父亡き後、跡を継いだ兄を支えるが、伊勢屋には次々と不運が見舞う。三代目となった伊之助はいかにしてこの危機を乗り越えるのか。商売を大きくした男と支えた女たちを描く。(e-honより)

最初はちょっと戸惑ったけれど、読み進むうちに面白くなってきた。

商売していたらどんな小商いでも当たり前のことだけど、「商いは、人の喜ぶ顔を見るためにするものである。人の喜び、喜ぶ人の顔を見ることで自分も喜ぶ。それが商いの醍醐味である。店の格とは、喜ぶ顔の多さなのだ。店の格とは、虚心坦懐にお客の笑顔を喜ぶ気持ちの深さのことである。」
そういって伊之助は三代目を継ぐ。
鰹節問屋「にんべん」って実在の店で 変な商号だなぁ 名前がどうしてついたのかなんで「にんべん」なのか、わからないので読みながら、ニンのところにアクセントを置いて読んでいたが 調べてみたらなんと、なんと・・

にんべんの商標である“イ”の文字は創業時の屋号である「伊勢屋伊兵衛」に因み、堅実な商売を意味する鉤型と合わせている。「にんべん」という商標は江戸時代から使われていたといい、当時の町人らが親しみを込めて「伊勢屋伊兵衛」のことを「にんべん」と呼び始めたのが始まりだという。

店主の名前の漢字のにんべんから来ているんだね。こういう大店になると名前も世襲制なんでしょうね。

にわか小商人の私にはすごいなぁとしか言えないけど。

でもまぁ、淡々としているけど、大店の歴史と思って読むと 面白い本でした。

曇り のち晴れ 21℃

「ゆうとりあ」 熊谷達也著 (文芸春秋社)・・を読む。(4/28読了)

2009年05月05日 | 本の事
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 開口一番
「この本 もう売れたから、2日間で読んでよ。」
先日 カウンターにぽんとこの本を置いてトンボが言った。
(前にも書いたけど、トンボは新刊をネットで買い、ネットで売るのだ。そうすれば安くて新刊書が読めると言っている。)
「何言ってるん? それ読め、早よ読めって言ったって 仕事もしてるし。それにただで読ませてもらってるわけじゃないし・・」ブツブツ

頭に来たから、清水羊羹もどきを 3ミリにしてやったら、
「もう少し厚めに切ってくれん、向こうが透けて見えるよ。これじゃ甘さがわからん、これこれ、フィークでさしたら、俺のみたいに中折れする。」といっていました。

そんなわけで急いで斜め読みした本です。

定年を迎えた佐竹は趣味の蕎麦打ちを活かして蕎麦屋を開けたらいいなと甘い考えでいたところ、妻から田舎に引っ越しの提案を受けた。
定年した会社の同僚に久しぶりに誘われ 一杯やりながら、ネット事業を一緒にやらないかと誘われる。
そのとき頭に妻との田舎生活が浮かんでくる。でこの話を断るのだが・・

現実味を帯びてきたその田舎とは、富山と石川の県境の「ゆうとりあ」という山里なのだ。そして移住する。
そこで体験するのは想像と違った田舎暮らし。一癖ありそうな隣人たち。猿は出る、猪は出る、熊は出る。
何事もそう簡単ではない。
かいつまんで話すとそういう話なのだけど、“第二の人生、あなたならどうします?”と帯に書いてあった。

近頃 お客さんと雑談していると、自然自然に話題は「老い」のほうになだれ込んで行く。これは自分たちが 老人になりつつあるということもあるが、一つには いいか悪いかは別にして、世の中が政治的にも、経済的にも比較的安定期が続いているからだと思う。
色々言えばきりがないが、激動期なら命があるだけでもなんて思ってしまうだろうからね。
でもそうなれば 第二の人生、真剣に考えなければならない。
この本でも書いてあったように、定年後は「喫茶店」をとか、「蕎麦屋」をとか、開業したいそんな話を 昔よく聞いたけど、商売はそんな甘いものではないし、う~ん・・

あくせくせず、人様に迷惑をかけず、静かにこの世から消えるにはどうすればいいか、これが問題です。
とまぁ この本を読んでそんなこと考えさせてくれたのは 読んでよかったかなと思える。

暇がある方と、第二の人生何か起業をと考えている方にはお勧めかも・・

晴れ時々曇り  20℃

「珈琲屋の人々」・・池永陽著・・(双葉社)を読む(4/12)

2009年05月01日 | 本の事
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 新聞の新刊書のコーナーで見つけて 「うん、この本のタイトルは?」と、ちょっと気になっていた。
で、偶然にもトンボが購入していたのでこれは借りなくちゃというわけで「トンボ文庫」でレンタルした本。

帯には”東京。下町の商店街にある喫茶店「珈琲屋」そこには心に傷を負った者たちが集まる交差点。
さまざまな人間模様を 人情溢れる筆致で描いた連作集”
と書いてあったのだけど・・・

結論から言って、少し物足りないというか、コーヒー屋という商売 そんなもんじゃないよ、所々でそう言いたいと思った。

ストーリーは、
マスターの行介は殺人の罪で服役し、この町に戻ってきた。
バブルの頃、あまりにも、あまりにも卑劣な地上げ屋の手口に我慢がならなかった彼は、その地上げ屋を店の柱に叩きつけ、殺人事件を起こしてしまうのだ。
彼は一貫して殺意を否定しなかったため実刑になる。
8年の刑期を終え 出所後は父親の喫茶店を継ぎ、被害者の家族に仕送りをし続けている。
この町のありふれた、ちょっと寂れたの商店街に住み、何の変哲もなく暮らしているように見える人々の様々な生活を この珈琲屋を舞台に描かれている。

そしてここの珈琲は、「サイフォンで淹れる舌が焼けるほど熱い珈琲。」これがこのマスターのこだわりなのだ。

ちょっと待ってよ、お言葉ですが、舌が焼けるほど熱い珈琲、これが好みだという人もいるけど、少しぬるめのが好きな人もいる。そして苦いのが好きな人も、軽いのが好きな人も、珈琲の豆が心持多くて、そして時間を早めに下ろしたのが好きな人も、人生いろいろと同じように、珈琲人もいろいろなんのです。

この道30数年の私が言うのですが、舌が焼けるように熱いコーヒーはちょっと香りも、味もいまいちではないかと・・・

ま、えらそうに言っても 私が築き上げたコーヒー屋というのは、コーヒーを本当に愛している人には顰蹙を買うかもしれないけど、くつろいでくれるのが一番、そしてここで心を癒してくれたらそれでいいと思っているのです。

要らぬことですが・・
トンボが この本の珈琲屋のコーヒーはおいしそうだね、という。
とにかく熱いコーヒーが好きなお方なのです。
そのくせ 新聞に夢中になって熱い時に飲むのを忘れ、「このコーヒーぬるいんじゃない?」とケチをつける。

♪ 人生いろいろ お客もいろいろ~
落語の「酢豆腐」のように、メニューにケチをつける客もいるし、コーヒーの好みも千差万別。

でもまぁ こうしてここで何とか生きながらえたら、私の人生は終わるのでしょうね。

晴れ 23℃

「パラドックス13」・・東野圭吾著・・(毎日新聞社)を読む(4/19)

2009年04月29日 | 本の事
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 「トンボ文庫」でレンタル。

「なんか この安っぽい甘納豆はもう飽きた。少しバージョンアップしてくれん?どんどん 本を頼んでいるんだけぇねぇ。清水羊羹がいい。」と愚かなトンボが レンタル料値上を春闘でもないのに要求している。

清水羊羹は値段が高い。確かにおいしいけどね。
でも背に腹は代えられん。けど、本好きの鼻先に人参ぶら下げて おまけに人に本を買いに行かせて 読みたいならとバージョンアップを要求するとは、柄はでっけいくせに、チマチマ男だ。その手は桑名の焼き蛤、そうは問屋が卸さないぞ。

というわけで、清水羊羹だと称して、まがいもの羊羹を買ってきた。同じグラム数でも値段が大分安い。
これを5ミリに切ってふた切れ「はい 清水羊羹」といって食べさせた。
「おいしい、やはり清水羊羹は島根で一番おいしいよね。」もぐもぐもぐ、むしゃむしゃ食べている。
人間の味覚っていい加減ですね、清水羊羹だと洗脳すると 本当にそれだと思いこむ。でも5ミリがミソなんです、これ以上厚くするとばれる。
洗脳作戦成功!!ニンマリ・・

というわけで 吹き出しそうなのを我慢して 読んだ本です。

結論から言うと、面白くなかったかといえば、、面白かったのですが、う~ん、う~ん、二番煎じとういうか、SFパニック物語なら「日本沈没」や映画の「ポセイドン・アドベンチャー」があまりにも面白く、衝撃的だったので、つい そのほうを思い出してしまうのです。

で、物語は・・
「世界が変われば善悪も変わる。人殺しが善になることもある。これはそういうお話です」―東野圭吾

運命の13秒。人々はどこへ消えたのか?13時13分、突如、想像を絶する過酷な世界が出現した。陥没する道路。炎を上げる車両。崩れ落ちるビルディング。破壊されていく東京に残されたのはわずか13人。なぜ彼らだけがここにいるのか。彼らを襲った“P-13 現象”とは何か。生き延びていくために、今、この世界の数学的矛盾(パラドックス)を読み解かなければならない!

大月総理は、宇宙開発研究本部から来た松山という男から、「Pー13現象」についての難解な報告を聞く。
「その現象が起きることによって、何が変わる? 事故や災害に結びつくのか」という総理の質問に松山は、「何らかの変化は起きると思われますが、それを把握することは、論理数学的に不可能なんです」と答えた・・・とのプロローグ

読み進むうち「Pー13現象」がどんなものなのか、なぜ13人だけ残ったのか、といった謎がわかって行くわけなのだけど、
“文明の中で生きてきた人間が、文明が突然なくなった世界で、何を考え、どう行動するのか、
ということをがテーマだと思う。それらを頭の中で考えながら読むと、面白い小説だと感じるかな。

晴れ 20℃

「チーム・バチスタの栄光」・・ 海堂尊著(宝島社)を読む。(4/16)

2009年04月27日 | 本の事
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 読んだ本の感想、貯まりに貯まっています。
早く頭の中を整理しないと タコの八ちゃんの足状態でくにゃくにゃと、こんがらがる。
しばらくブッツクレビューの記事が多くなるかと思いますが、お許しを・・

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私が選んだ本ではない。もちろん「トンボ文庫」で借りたのでもない。
ちゃとびさんの置き土産の本なのだ。

いやぁ 面白かった、久しぶりにサスペンスでわくわくどきどき 寝る間も惜しんで一気に読んでしまった。

物語は・・
東城大学医学部付属病院では、アメリカ帰りの天才外科医・桐生を中心に、バチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めている。ところが、3度続けて術中死が発生。次の手術は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集める。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口。手術中に患者の死が続くのは単なる偶然か、医療ミスか。それともまったく別の原因があるのか。田口は聞き取り調査するも、謎は深まるばかり。そこに厚生労働省の変人役人・白鳥が登場して……。

いわゆる密室殺人、そして聞き取り調査は心理試験。これらをすべて取り込んだサスペンスだから、面白くないわけがない。著者の作品を読んだのはこれが初。でもとても面白かった。
ミステリーとしても一定水準以上の作品だと思うし、何よりエンターテイメントとしての完成度が非常にすばらしい。
その上医療現場に詳しいと思ったら 作者は現役のお医者さんらしい。

『愚痴外来』の田口とそして、手に負えないからと調査を依頼した、探偵役、厚生労働省の役人、ロジカル・モンスター、白鳥。
このコンビがまた素晴らしい。
なまえが白鳥で ものすごくいい男を想像していたっが、人間的にいい男で満足でした。

本当に面白かったよ、ちゃとびさん!
どうも有り難う。続編もまた読みますね。

晴れ 17℃

「天国までの百マイル」他一冊・・浅田次郎著を読む。

2009年04月22日 | 本の事
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  バブル時代に栄華を極め、今は落ちぶれて妻子にも逃げられた中年男が、重い心臓病で死を待つだけの母親に、奇跡を起こすために奔走する物語。

 図書館で借りた本。

アサラーのフル次郎さんが好きな浅田次郎の本ということで、借りてみたのだけど・・
早くブックレビュー書かないと忘れてしまうぅ・・・、
ここんところ 連日 猛スピードで本を読んでいるから、あたしの頭の中はまるで洗濯機の中のようにぐるぐる、ぐるぐるからまり寸前。

で浅田次郎はいい女を書くのがうまい、あんな女性になりたい 読み終えるたびいつもそう思っていたのだけど、この本に関しては、ちょっとこじつけが多すぎると思ってしまった。
読み始め 別れた女房は 主人公から金ふんだくってふてえやようだと思っていたが、実はどうしてどうして。

離婚しているのに主人公の母親の世話を、ずっとこっそりナイショでみつづけてあげるている。
主人公からの仕送りももらえなくて、子供も育てなくちゃいけなくて、自分だって働いてて、そんな余裕は絶対にないはずなのに、何故かひとり面倒を見続けてる。
それなら別れなきゃいいのにと思ってしまう。

しかし、それより何より私がこの物語で一番うらやましいと思ったのは、謎の天才外科医にバイパス手術を施してもらうため、衰弱した母をワゴン車に乗せ 房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して、100マイルの道のりをひた走るのだけど、そのお医者さん、こんなお医者さんがいたら 医者嫌いの私も検査してもらうかも、そう思てしまった。ま、物語だからね・・

 →この本は再読。
我が家の本箱から引っ張り出した本。
表題の「ぽっぽや」はあまりにも有名だから飛ばして、つぎの「ラブ・レター」

「(略)写真も持ってます。 毎日見てるうちに吾郎さんのこと大好きになりました。好きになると、仕事つらくなります。仕事の前、いつもごめんなさいと言います。しかたないけど、ごめんなさいです。
やさしい吾郎さんの写真見ると涙が出ます。悲しいのつらいのではなく、ありがとうで涙出ます。
心から愛してます世界中の誰よりも。
吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん。
再見。さよなら」
主人公が人間らしさを取り戻していく様子が描かれていて ジーンとくる。
そうなんだよ、人間なんて単細胞なんだから、ちょっとした温かみのあるエキスを振りかけられれば 誰だって純な心に戻れるんだよ。そうでなくちゃ人間なんてやっていられない。

浅田次郎という作家は女を描くのがうまいと最初に言ったけど、ということは、すなわち心が純粋で、その上シビアな現実をファンタジックに描くのがすごくうまいので、素晴らしい女性になるのではないかと・・
そして 全部読んだわけではないので偉そうなことは言えないが、家族への愛 いや人間愛と言ってもいい、そういうものが物語の底に流れていてるのが ビンビンひしひしと感じられるのだ。
それゆえに人が心の奥に必ず持ち合わせている故郷への郷愁的感情の琴線を揺さぶるのではないだろうか。

浅田次郎の物語は読んだあと、ページを閉じるのが惜しいような気がする。
うん、本当にカッコいいのだ生き方が、小説の中だけど憧れる。

晴れ 20℃

「乱反射」・・・貫井 徳郎著 (朝日新聞出版)を読む

2009年04月15日 | 本の事
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 確かあれは「ハト文庫」という貸本屋だった。

昔々その昔、浜田に住んでいた頃 少女そのは、毎日おやつ代として10円もらっていたが、おやつは買わずに この姉を慕って何でも言うことを聞いていた妹のを、言葉巧みに丸めこんでせしめ 私はその10円で毎日「ハト文庫」に行き漫画本を借りていた。
そして山川惣治の「少年ケニア」を借りて読んだ。
面白かった、夢中になった、ワタル少年に恋をした。

そして武内つなよしの「赤胴鈴乃介」にも出会った。
「何をちょこざいな、名を、名をなのれ!」「真空切りだ!」
鈴乃介にも恋をした。恋多き少女そのだった。(その後明智事務所の小林少年にも恋をするのです。)

そのうち高橋真琴の「あらしをこえて」という漫画に出会った。
その漫画は子供心にも衝撃的だった、画期的だと思った。
なんといっても絵柄が全然違った、髪型やアクセサリーまで 今までの絵と違っていた。高橋真琴の描く少女の瞳は、妙に空虚で、漫画にしては表情に乏しく、人形じみていた。けれどそのブラックホールに魅了された。
物語よりも絵を見るのが楽しみだった。バレリーナの物語だったけど憧れた。
バレリーナになりたくて、体を折り曲げたり足を開いたりしたが、あまりに自分の体の硬さに、誰に聞いたのか忘れたけど 内緒でこっそりとお酢を盃一杯飲み続けた。しかし、私の体は改善されるどころか、変にバランスが悪く、おまけに手足が異常に短く 音感がないのにも気がついた。悲しい少女時代だった。

あれから50年 時は夢のように過ぎ、おばばそのは 手足なんて短くてもいい、歩けて、パソコンが打てればいいんだ、と気がついた。
そして今、貸本は甘納豆でレンタルしている。

またまた話がタイトルと全然違うところに飛んで申し訳ありません。
話を戻します。この本は週刊朝日に連載していた。
はじめの頃読んでいたが、何回か読み忘れたりしてそのままになっていた。
今回 「甘納豆文庫じゃなくて トンボ文庫」で借りて読んでみた。

『1人の幼児を死に追いやった裁けぬ殺人。残された父が辿り着いた真相は、法では裁けない「罪」の連鎖だった。』 ・・e-honより。

普通の人々の悪意のない些細な行動が、思いがけない方向へと乱反射し、ある家族に悲劇をもたらすという物語なのだけどそれらが細かい章に分けられており
それぞれのタイトルは-44から0へ減りそこから35まで増える構成になっている。

読みはじめて、ところどころ、どれがどの家族なのか こんがらがるので、メモを取りながら読んだ。

新聞記者の家族のドライブ、ボランテァアの田丸ハナ、犬の糞を木の根っこに放置する男、救急病院のアルバイト内科医、体が弱い大学生の男性、市役所の苦情係の男性、車の運転が大嫌いな女性、

これらの人々がほんの些細なルール違反をしたばかりに 事件が起きてしまうという筋書きになっている。
読み進むうち「明日はわが身」という言葉を思い出してしまった。

-44から0までで事件のきっかけとなる人々の日常が書かれていて 0で事件が起きる。そして、0から35で事件後の人々の対応が描かれている。

事件後の人々の描写。あるものは憔悴しきり、あるものは無関係と主張し、
またあるものは、他者に怒りを転化する。自分の何気ない行動が 他者の死を引き起こしてしまったことを知った人々の様子は 非常に読み応えがあり、自分ならどうすると自問する。

最期まで飽きることはなかったけど、う~ん、どうなんでしょう、人間は神様じゃないんです。
法律に触れないルール違反まで責められたら、それこそ世知辛いい世の中になるんじゃないでしょうかね。

社会派ミステリーとか、う~ん、同じ社会派なら、松本清張より少し突っ込みが弱いかな?という感じでした。

曇りのち晴れ 19℃

「プラ・バロック」・・結城充考著 (光文社)を読む

2009年04月02日 | 本の事
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私が選んだ本ではない。
いつものようにトンボから略奪した本ですが、今回読ませてもらう為の交渉が無事成立いたしました。
一回借りるたび甘納豆を買い与える。(猿か?)
「あんな駄菓子じゃなくてもっとグレードアップしてくれん?」と交渉途中で本人はガタガタ申し立てていましたが、「どうせ自分も読みたくて買う本、ただで甘納豆が口に入ればこんないいことはないでしょう。」
とお互いの利害関係が不本意ながらも一致したのです。
「チンケな男だねぇ、」と呟いたら「目くそ、鼻くそでしょう?」との答えが返ってきましたが・・

と前置きが長くなりましたが、なんとこの本の装丁が素晴らしい。ものすごく気入りました。
本を読み始める前にこのように 感動を受ける本があっただろうか?
あまりの素晴らしさにカバーをめくってみたら、期待通り。しばらく眺めていた。
さっそく調べてみたら泉沢光雄さんという方の作品なのね。

もうこうなればこの本の内容うんぬんより一つの作品だと思う。
夜の京浜工業地帯に黒蝶が舞う写真のブックカバー
そして ハードカバーの表紙・裏表紙をめくるとそこにも訳ありの工業地帯の写真
ブックカバーをはずしてみると表・裏表紙はコンテナの写真で覆われている。
読み終わった後でもう一度じっくり見てみたら、この物語に書かれている筋書きが見えてくるのだ。

この装丁に圧倒されて読み始めたら、登場人物の名前がすべてカタカナで、話がなかなか進まなくて、この古びた海馬が狂ってる頭ではよく理解できず、生きつ戻りつしたが、何とか読み進むうち う~ん 面白い、やめられなくなった。

それもそのはず 今年の日本ミステリ文学大賞新人賞なるものを選考委員全員一致で選ばれたという作品らしいのだ。

書き始めからなんじゃこりゃと思わせる。京浜工業地帯のレンタル冷凍コンテナから14体の凍死体が発見されるところから始まり 女性刑事のクロハがこれに立ち向かうという物語。
捜査をすすめるうち、彼らの残したメールなどからどうやら集団自殺の可能性が濃厚となる。もしかしたらこの集団自殺を裏で操っている人間がいるんじゃないかとクロハたちは捜査を展開していくのだが・・・。

それでこの物語はいかにも今風の作品だと思う。それはネットが駆使されているあたりそう感じる。今回はネット上の仮想空間がキーアイテムとなっている。
私は使ったことないしよく理解できてないのだけど、銀行だってあり、商売だってできる。お金のやり取りもできるんでしょう。いつだか新聞で読んで、怖いなぁと本気で思った。

とは言うものの最近の世相にもこのようなサスペンス小説の中にも『やむにやまれず』というような感情が少ないような気がする。
それは感情に乏しいコンピュターという得体のしれない魔物が、蔓延している世の中だからか。
もう、どうしようもなく、殺さなければならなかった、という切羽詰まった心の葛藤のようなものが感じられない。何度もためらってそして、やむにやまれず殺人にいたったという筋書きなら 人間の感情としての同情を揺さぶると思うんだけど・・
このような考え方が古いのかな?

でも最後これだけでは終わらずに どんでん返しがあり、まぁ面白い方の部類に入ると思います。

さ、次の本見せてもらうために100均一の甘納豆買ってこようーと。
おっとこれ内緒ですよ、本人には高級駄菓子といってありますので・・



曇りのち晴れ 12℃ 風は冷たい

「暴雪圏」・・・佐々木譲著 (新潮社)を読む

2009年03月30日 | 本の事
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最近 本とか、映画とかのことが多いですね。
暇にまかせて読んだり見たりしていますので、忘れたら大変という事で、大目に見てやってください。

そして今日は記事の前に 今から私のパソコンクン、一日入院します。
別に病気になったわけではないのですが、ウイルスバスターをインストールしてもらうのです。自分でしろ!なんて言わないでください。今の所怖いものは見当たらない私ですが、ウイルスと聞いただけで脅えあがってしまって手が動かなくなるのです。

このパソコンクン購入時にサービスで付いていたMCAFEEの期限があと5日ということで、ディスプレイの右隅に「更新期限迫る!」とうるさく何度も何度も顔を出すのです。
考えてみたら無料で使っていたのだからしかたないか~・・・

そんなわけで この前サンコーさんが購入して「一家のパソコンに三台までOK」というふれこみの「TM-VB09-03」というのを借りてインストールしてもらいます。
これで3年間怖ーいウイルスから保護されるとか。

すぐできると思ったら 少しあずからせてほしいとのこと。
なんでも本当は、購入者と同じ家のパソコンが対象らしいのですが、「家族のようなもの、似てますでしょう?」と例によって得意の恫喝をしたら、しぶしぶ苦笑いしながら引き受けてくれました。
同じしてくれるのなら最初からゴチャゴチャ言うな!ですよね。

「あんたのそういう よくいえばチャッカリ 悪くいえば人に頼る性格といおうか、なんでもただなら飛びつく性格といおうか、そういう抜け目のない生き方が好きよ。」と自分のことは棚に上げてトンボに笑われましけど・・

というわけで今から行ってきます。

今日の記事は↓よろしく!


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 やはり年齢からくるものなのだろう。
どうも最近のベストセラー作家のサスペンス、面白いんだけど、心にズーンと来ない。
時代についていけないんだろうか?
時代だの、世の中だのと いつもえらそいうに言うけど、作家が優れた感性の持ち主であったなら、どこかでその「時代」の核心をついたものになるんじゃないかと思う。

「あんたは古いんよ、何もかも。その時代の流行作家の空気を読まんにゃ」とトンボにせせら笑われるが、再読しようと思わないものね。
読み終わったとき本の最後のぺージを閉じるのがもったいないような小説に巡り合わないもの。
というわけですが この本もトンボから略奪した本です。 最初のうちはぐいぐいと引き込まれていった。

簡単なストーリーは、北海道東部を何年ぶりかという爆弾低気圧の雪嵐が襲う。
帯広へ向かう道筋に建つペンション[グリーンルーフ]に奇しくも吹き寄せられるように飛び込み、そのまま大雪で閉じ込められてしまったのは、強盗殺人犯の若い男、出会い系サイトで知り合った男に脅されて呼び出された人妻、会社の金を持ち逃げする途中の中年男、家出してきた少女と通りがかりに彼女を助けた配達トラックの青年という訳ありの人々。そして、ペンション経営者の夫婦と予約客の初老夫婦。
たった一昼夜の出来事なのだ。

複数の難解なストーリーが次第、次第に関連性を持ちそして混乱を大きくするという展開なのだ。
いやいや。うん、こりゃ面白い。全く無関係に見える事件、人物たちが次第に繋がる。そのまとめ方がなんともスムーズだこと。

終盤までは テンポもよく、ハラハラドキドキ、次はどうなるの?早く、早くと気も焦る。

しかしあえて難を言わせてもらうと、あれだけ盛り上げて読ませてくれたわりには、落ちというか、(落語じゃない?)ラストがあまりにもあっさりで、いったい何だったん、とむしろ高まった期待がしぼんでしまったような、そんな気がして、作者が力つきたぁ という感じがするのだ。

 昔松本清張が流行作家になりすぎて、次から次へと本を書き 終り方に欲求不満が残ったことがあったが やはり最後つじつま合わせは難しいんだろうね。
特に読者に満足いくように終わらせるのは・・

たまたま 早くブックレビューを書かなくては忘れてしまうと思っていたら、昨日の山陰中央新聞の「本を語る」のコーナーにこの本の作者が出ていた。
「ヒーローが派手に活躍する小説は苦手で・・」うん?そうなんだ。
「弱い人間がぎりぎりの場面で見せる意地を描くのもエンターテイメントです。」
ふうむ、なーるほど・・・
それでヒーロの刑事さん、最後のいいところで目立たなかったのですね。

しかしお言葉ですが佐々木さん、この小説のヒーローは爆弾豪雪暴風雪でしょう。
随分と派手に暴れていましたけど・・

どちらかというと面白かった部類に入ります。
暇のある方はどうぞ・・

晴れ 風は冷たい。 12℃