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ブックレビューが少し続きますけど、本の嫌いな方は許して下さいね。
何しろ 後から後から追いかけてくるので、そのうちどれがどれだか忘れてしまいそうで。

久々にわくわくして一気に、寝る間も惜しんで読み終えた。
過ってはミス・サスペンスと言われた私。その私が言うのだから、間違いない。
早くこのトリックを忘れないうちに書き留めておかなくてはと思いつつ、今日になってしまった。
トンボが選出したのにしては上出来、いやぁ・・面白かった。久々に本格的なサスペンスに出会ったという感じですかね。
ある地方都市で幼女殺害事件が発生。複数の目撃証言から、いわくつきの男が容疑者として浮上する。決定的な物証はないが、状況証拠は十分。ベテラン刑事の取り調べで“自白”も得られ、事件は解決したかに見えたのだが…。
ところでこの本の装丁何か感じませんか?
タイトルになっている図地反転をどういう意味か知らべてみて わかったのだけど、「ルビンの盃」という絵 昔みた事があるような・・

中央に注目すると、盃が見える。
人が見えているときは、盃は見えず、盃が見えているときは、人は見えないという事。
「ふたつの図」を同時に見ることはできない。
ひとたび反転してしまったら、もう「元の図」を見ることはできない。
思い込みにより、違う見方が出来なくなる…。
このタイトルを選び、作者が描きたかったことはとても面白いと思う。ずーっと温めていたんだろうね。そしてこれを冤罪という重いテーマに結びつけた。(つい最近も足利事件の 菅谷さんの件が問題を提起したばかり・・。)
ある地方都市で幼女殺害事件が発生。複数の目撃証言から、いわくつきの男が容疑者として浮上する。 決定的な物証はないが、状況証拠は十分。ベテラン刑事の取り調べで“自白”も得られ、事件は解決したかに見えたのだが…。
「無実の人を犯人にするだけでなく真犯人を逃してしまう。冤罪にはそんな二重の怖さがある。
少しの間違いで、悪意のない人間が事件に巻き込まれる様子を描きたかった」と作者は語っていたのだけど。確かに、ただあなたの人生不運だったでは到底済まされるものではない。

そしてこの物語は捜査の進展に違和感を抱く若手刑事、主人公一杉研志の行動を軸に展開する。
心理学の研究成果を引用しながら人間の記憶のあいまいさを告発するくだりは、ミステリーというより、 ドキュメンタリーの様相を帯びる。タイトルに使われ「図地反転図形」が示すのは、 目にする人物や出来事も意識の向け方次第でメーンの「図」にも背景の「地」にもなるという現実。
「地」に沈んだ情報はいくら重要でも顧みられない。これこそが冤罪を生む構図、というわけなのだ。
ただ、どの本にも言えることだけど、偶然が多すぎるという感はあるけど、でも
う~~ん、面白かった、久々にこの作者の本を続けて読んでみたくなった。

雲り 21℃