「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



夏バテ・・・。
どうやら僕が、そうみたい。
開門に間に合わず、17時過ぎにスタジアム入り。
立て続けに軽くビールを2杯ほど空けてしまう。
“水分に気を付けろ、だな”
北側に差し込む太陽は西に傾き、涼風が身体を過ぎる。
“そろそろ、だ”

家族連れの多いスタジアム。
“今日は通路にしよう”
(もう少し弁えてくれたらな、運動会じゃないんだから・・・)
言葉に出てしまいそうな気持ちを、通路で、選手たちを支える力に変える。

“引いてこないな、ガス”
立ち上がり、立て続けにシュートを浴びる。
“しっかり!”
幅の広い通路、跳ねるのに抵抗がない。
2トップに達也と永井。
左に平川右に暢久、3バックの一角に堀之内。
“坪井って、怪我!?”
ベンチに伸二、坪井、ギシ・・・、そしてエイコ。
“岡野が(ベンチ入りメンバーから)落ちてるんだね”

達也が前線からプレスを掛ける。
ロビーを中心にスピードに乗った攻撃を仕掛ける。
“なんか、イマイチだな”
前2節に感じた「殺気」が感じられない。
“それって、スタンドの雰囲気のせい!?”
それを否定するように声を張る、跳ねる。
24分、啓太に警告。
“4枚目だ・・・”
“ちょっと厳しくないか、今の判定・・・”
主審は松尾一氏。
思い描いたように運ばない試合。
イライラとともに小さくなる声・・・。
32分、中央から失点。0-1。
“しまった、やっちったよ”
自分自身の集中力の欠如に呆れる。
“このままじゃマズいな”
“しっかりしなきゃ!”
気持ちを立て直しつつあった36分。
左サイドから平川のセンタリング、達也が押し込む。
1-1、同点。
“ヒラだよ、ヒラ!”
“左足でしょ、今の”
“達也も良く詰めてたよね”

39分、左から右足で平川。
ニアで堀之内のヘッド!
2-1、逆転。
“ホリらしいよ!”
“ニアに詰めてんだよね、凄いよ”
畳み掛ける攻撃、素晴らしい決定力。
もう東京は「苦手」じゃない。

前半終了、2-1。

後半立ち上がりも浦和が支配。
セットプレーから闘莉王のヘッド。
ミドルレンジから啓太のシュート。
“そうそう、打てば入るんだよ”
60分、暢久から達也へ。
こぼれ球をロビー、3-1。
“行ける、行けるぞ!”
大量得点になりそうな予感。
それを阻止するかのような主審の笛。
“基準をはっきりしてくれよ、審判・・・”
勝っているのに審判が気になる。
“集中しなきゃ”
不利に映る判定に平然と応える選手たち。
イライラしている自分が、恥ずかしかった。

69分、角度の無いところから失点、3-2。
“大丈夫、まだリードしてるんだ”
緩みがちな僕を締め付けてくれる「失点」。
流れる汗、疲れが膝に来始める。
“もう1点、もう1点”
僕の心から余裕が、なくなっている。

87分、ポンテout内舘in。
“やっと交代枠使ったよ、オジェック・・・”
闘莉王が倒れる、プレーが止まる、時計が90分を越える。
“頭じゃない?闘莉王”
89分、闘莉王・永井outネネ・伸二in。
“伸二、ここで使われるのか・・・、勿体無いな”

既にバテ切った僕の身体。
最後の力を振り絞る。
“ロスタイム、何分なんだ??”
鳴らない笛、終わらない試合。
“まだ?まだかよ!?”

3-2、勝利。
勝ち点3、獲得。

「We are DIAMONDS」を謳う体力は、残っていなかった。


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「馴れ」がそうさせるのか?
首位を走る爽快感もなければ、
追い詰められるような危機感もない。

夏から秋へ。
佳境に向かうリーグ戦。
落ち着いて戦えるのは「経験」がそうさせるのだろう。

次は神戸、その次は埼スタ、そして韓国…。

こうして当たり前のように日々が過ぎて行くんだな。


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