「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



到着はキックオフ10分後。

チケットを買って芝生席に向かう途中、大きな歓声が聞こえた。
“入ったね、どうやら”
1点目を見逃した・・・。
“ウチが先制点じゃない!?”
歓声の大きさから、間違いなくウチの得点だった。

ほぼ「満席」の芝生席。
多分どこかに仲間がいるだろう。
と、何も考えずに歩いていく。
“やぁ!”
“あれ、今日は草津戦じゃないの!?”
“それは夜だから(笑)行かないけど・・・”
“1点目、(点取ったの)誰でした?”
“祐也だよ”
“何で有料試合なのにパンフレットもくれないんですかね、大宮”
“スタメン(発表)もさ、萌ちゃんのこと「ほそがいもえ」って言うし、加藤くんなんか「順大」って読めないからそのまま飛ばしてやんの!”

「何で1000円払ったんだろう?」
「何で1000円払ったんだろう?」

2点目からはアナウンスも聞こえなくなるし・・・。
ムシ暑いし、平坦で見辛いし。
(それは大宮のせいじゃないか・・・)
“もう、浦和戦だけ何で有料なの?”
大宮の運営に当り散らしたい気分だった。

赤星やヨシヤ、中村祐也やエイコ、堤くんや萌ちゃん、ノブヒロ。
さすがプロ、年長者。
ユースの☆たちよりも体格やスピードは一枚上、なか感じがした。
“でも、誰が誰だか分かんないんだよね”
“ユースの子も大宮の選手もでしょ!?”
“そうそう!”
“サクと平川はいるね”
“向こうのFWは若林と森田!”
“あとは・・・??”

2点目が決まった!っと喜んでいたらもう3点目。
“誰が取ったんだ?”
“多分2点目が祐也で3点目がエイコ、じゃないかな?”
ピンチらしいピンチもない、一方的な試合展開。
ただその後追加点が奪えない。
“やっぱり暑いと集中力切れちゃうのかな”
僕の集中力はとうに切れていた・・・。

後半もやりたい放題なウチの若い選手たち。
“ユースの子たちも巧いよねぇ”
(あぁ、ビール飲みたい・・・)
車で来たことをほんの少しだけ、後悔。

6-0。
祐也のハットトリックのオマケつき。
“大宮、大丈夫なの?”
ヨソの心配が出来るほど、余裕だった。

空には雨雲。
“さ、帰ろ帰ろ”

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仲間を駅で自宅前で拾って向かった先週のサテライト戦。
“文明堂、のぼり出てる!”
“窯だしカステラの日じゃない?”
そう話しながら続けるドライブ。

“ちょっと食べたくない?”
“戻りましょうか?”
“ホントに!?”
1km先からUターンして文明堂 浦和工場へ。

白い箱に入った、温かい出来立てのカステラ。
“いい匂い!”
“食べよ食べよ!”
“でもナイフないから手でちぎっていい?”
“ええ、まぁ”

手で割った豪快な大きさのカステラを頬張る人たち・・・。
“か、カステラ怪獣だ・・・”
助手席とバックミラーに映る奇妙な光景。
“なんか、アウェイって感じするよね”
“そ、そうかなぁ”

前橋で試合が終わったら、各自車を置いて浦和集合!だったのに、
豪雨と渋滞で中止。
“選手の良く来る店で食べて帰ろうよ”
“何?それどこなの!?”
“あれだよ”

“ファミレスかよ”


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