アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

万次郎のおかあさんと横田滋さん…

2020年06月08日 | Weblog
 この3月でボランティア活動を整理して、現在は一つだけです。その一つというのは、○務大臣の委嘱を受けたもの。大臣の委嘱を受けても、「任期中、何もしない人」もおります。私には、そのようなことはできませんので、一生懸命やらせていただいております。
 だけどさあ、歴代の法務大臣って…何なんでしょうねえ?今の、森まさこ法務大臣は、「おっ、森さんならいいんじゃないかな」と期待しておりました。ところが…「失言」「言い間違い」。…何なんでしょうねえ。
 閑話休題。ボランティアの職務の一環として、「小学生・中学生向けの人権教室・人権講話」の教材をパワーポイントで作成しております。勿論授業もします。これまでに、およそ20教材を自作しました。これがまた大変な評判で…有森裕子じゃないんだから、自分で自分を褒めるなってかぁ?
 私としましては、日本中で使っていただきたい素晴らしい教材だと思っていますがね。使用料は徴収しません。痩せてはいますが、「太っ腹」なので。ウフフ。
 アンティークマン自作教材の代表的なものは、「ジョン万次郎」です。
 なぬ?「ジョン万次郎と『人権』、関係があるのか」って?ジョン万次郎のストーリーには、いくつかの人権課題が秘められているのです。私が発掘したのですがね。
 万次郎は、14歳の時「漁」に出て嵐で遭難。鳥島に漂着し、143日間を生き延びた。そして、アメリカ合衆国の捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助された。船長と一部の船員は万次郎に優しくしてくれた。しかし、「人食い人種である日本人の子どもを生かしておいてはならない」と、万次郎を海へ突き落とそうと付け狙う船員もいた。
 その頃の日本は鎖国していたため、日本へ帰ることはできなかった。船長のウィリアム・ホイットフィールドは、万次郎をアメリカへ連れて行った。
 船長夫妻は、日曜日には、万次郎を教会へ連れて行った。そこで待ち受けていたのは、「人種差別」。
 「なんであいつ黒人の席へ行かないんだぁ!人を食う日本人と同じ席でお祈りできるかよう!」…日本人というだけで、なぜこのような差別を受けなければならないのだろう?万次郎は悲しかった。このことを知った船長は、教会を人種差別がないところ(キリスト教プロテスタント・ユニテリアン派)へ変えました。
 船長は、万次郎を学校へ通わせました。そこで待ち受けていたのは、やはり、「人種差別」「いじめ」でした。
 日本の子どもたちにとって、「人種差別」は言葉では分かっていても、身近な問題としてはとらえにくい。しかし、アメリカへ渡った日本人の子どもが受けた人種差別は、我がことのように感じられるでしょうから、人権教育に効果的な教材じゃないかと私は思っています。独りよがりかも知れませんがね。
 さて、一等航海士となった万次郎、帰心矢のごとし。「母に会いたい」思いは募るばかり。ここからが、私しか目をつけないだろうと思われる場面になります。
 10年前のある日、漁へ出たまま帰ってこない我が子万次郎…お母さんの気持ちは、いかばかりでしょうか。(子どもたちに、万次郎のお母さんの気持ちを考えてもらいます)
 「突然子どもを奪われる」私たちが忘れてはならない事件がありました。
 1977年11月15日、新潟市で当時中学1年生だった横田めぐみさんが、学校からの帰宅中、北朝鮮に拉致されたのです。スバリこのように(子どもたちに)に拉致事件を説明します。スライドショーですので、横田めぐみさん、横田滋さん早紀江さんご夫妻につきましても写真を使わせていただいて詳しく話します。どちらの学校でも、子どもたちは真剣に話を聴いてくれますが、とりわけ「万次郎のお母さんの気持ち、横田めぐみさんのご両親の気持ち」のところは、誰も息をしていないのではないかと思えるほど静寂な空間ができます。
 万次郎のお母さんは、万次郎に会うことができました。横田滋さんは…めぐみさんに会うことができずに他界されました。
 ジョン万次郎の授業は、これからも続けます。「横田滋さんの無念さ」を、子どもたちに感じてもらえるよう、私の思いを伝えます。熱く。