アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

引きこもりをなくすると出生率が上がる

2010年08月18日 | Weblog
 プールの閉館時間間際にコソコソっと泳ぎに来て、人目につかないように帰っていく人がいる。見た目は、50歳前後だが、頭髪は62歳の私より淋しい。日頃、人とは会話したくない私ですが、「この男…引きこもりだぞ、きっと」と、予想し、相手の都合を無視して話しかけた。話しかけたというより、事情聴取。何のために?何かしてあげられることがあるかなあと思って…。

 男は、49歳。無職無収入。老父母と3人暮らし。外へ出るのはプールへ来るときだけ。時間帯も、多くの勤め人が勤めを終えるころ。家にこもっている不登校生が、「放課後の時間帯になると急に明るく元気になる」。このことと同じで、無職無収入の引きこもりオヤジは、一般的な退勤時間になると急に元気になるわけ…。そういえばプロのアクアウオーカーの私…事務所を自宅に置いているのですが…会社・官庁の退勤時間になると、明るく陽気になる…。引きこもり予備軍かねえ?

 内閣府の発表では、全国の15~39歳のうち、「引きこもり状態」の人は推計で69万6千人に達しているという。49歳の引きこもりも実際にいるわけだから、調査の年齢幅を拡大すると引きこもりは80万人を突破するかもしれません。これは異常な事態ですよ。

 引きこもりのきっかけは、「職場になじめなかった」「就職活動がうまくいかなかった」を合わせると44.0%。つまり、社会に適応できなかった。前述の「プールだけには来る引きこもり」のオヤジも、「仕事はしていましたが…。市の特別雇用事業へも行きましたが…1日で…」。

 さて、この69万6千人が引きこもりという異常な状況…こうなることは分かっていた。
 戦前、そして戦後の10年間ほど、「引きこもり」は、おりましたか?家から出ない人はおりました。しかし、そのほぼ100%は、「身体的なことや、知的障害・情緒障害が重いなど、人前に出せない事情」があって保護者が外へ出さなかった。今、五体満足が引きこもるっている。どうして?

 戦後第二世代が親になり、家庭教育から「躾」が消えた。
 学校は、民主教育だか何だか知らないが、「競争は良くない」「ガンバレと言うのは良くない」「間違えてもいいんだよ」「自由だ!」「平等だ!」「国旗・国歌は、教え子を戦場へ送るからダメ」「出席簿で、男子が先で女子が後はおかしい。男女混合名簿だ」・・・。(注:一部の学校としておきます)

 躾ができない親と、民主的な学校が、「我慢することができない人」を作り上げてきた。(なお、民主的というのは揶揄ですから、為念)「学校?行きたくねえから行かない」「会社?めんどくさいから行かない」それらが許され、認められ…その挙げ句の果てが引きこもりに…

 「そうか!引きこもりが、約70万人か!」と、感心している場合ではないのです。日本の今後に大変な影響が出てくるのです。
 少子高齢化にますます拍車がかかります。子育てしやすい環境整備…保育所を増やせ、待機児をなくせ、育児休暇をとりやすく、父親も育児休暇…そんなことやって子供が増えますか!焼け石に水。出生率は、増えません。
 そして、出生率は急下降の一途。これからますます赤ちゃんを見るのが珍しくなってきます。どうしてそういうことが言えるんだって?

 50歳迄一度も結婚したことのない人の割合を「生涯未婚率」と呼んでいるのですが、この生涯未婚率が急激に上がっているのです。
 国税調査で2005年の生涯未婚率が出ています。男子は、15.96%、女子は7.25%。十年後の生涯未婚率予想は、男子は、30%、女子は24%。です。この数字…男子は3人に1人、女子は4人に1人が50歳までに結婚していないということ(50歳を過ぎてもしないと予想されるが)。

 引きこもりと生涯未婚率と、どういう関係があるのかって?
 現在引きこもりの人が生涯未婚という確率は、100%近いと考えられます。未婚で6~7人の子がいる女性を知っていますが、それは特殊な例。生涯未婚は、出生率という吹き消されそうな炎に消化剤をぶちまけることになる。

 少子化対策は、家庭教育と学校教育で、「我慢できる人」を育てるところか
らです。