クリスマスイブのきのう。下の写真は、大阪市役所前。しかしクリスマスイベントに参加したわけではなくその近くにある、大阪地方裁判所に行ってきました。
第14回公判 『児童文学館現地存続請求事件・寄贈物返還請求事件』の裁判の傍聴に行きました。この日は存続・再生を求める会の代表世話人であり、絵本学研究所でご指導を受けている正置友子氏の原告側証人の尋問がありました。
千里にある万博記念公園にあった大阪国際児童文学館、わたしも何度かいったことがありますが、児童文学や絵本にかかわるものにとっては、とても貴重な場所であり、特別なところでした。この文学館はそもそも、児童文学の研究者である鳥越信氏の個人の貴重なコレクションを大阪に寄贈したことで建てられたものです。初代の館長でもあった鳥越氏は小柄で肩肘を張らない印象のかたで、あの膨大な文学館の中で、すいすいと歩き回っていたのが印象的でした。その後、文学館は専門の研究員や周りの研究者によって、大事に運営されていましたが橋下知事になり、急に資料の中央図書館移転、館の閉鎖となったものです。
たくさんの人の力で守られていた文学館を知事の威光で即断されたことに異議を申し立てる裁判というカタチで起こしています。
今は病床にあり、証言台にも立つことが不可能な鳥越氏に代わって正置さんが、一言
「鳥越先生がおっしゃっていました。こんなことがあっていいものか!それが裁判をする決意をしたきっかっけです」
橋下知事の人気のもとに、なんでも通そうとする行政の動きを感じました。おかしいことはきちんと発言しよう!というのが今回の裁判でした。普段政治や裁判のことなどまったく無縁の人たちと、それに賛同したボランティアの弁護士団でこの裁判は続けられています。
三木市でも「こんなことがあっていいものか」と思うことがいろいろおきています。
『市民のみなさま』という旗印のもとに、市民がどこかに置いてきぼりにされないように、ここはしっかりと踏ん張らなければならないと決意を新たにした裁判でした。