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図書館の床1㎡あたり300kgは安全といえるのか 

2011-03-17 | つながる三木

教育センターの移転をめぐっての論議がでていますが、一般の市民の方には、何のことかさっぱりわからん、というご意見もいただきましたので、解説します。

総務文教委員会の予算審議ににおいて、教育センターを勤労青少年ホームに移転するという案が出されています。移転の理由として、図書館を教育センターに移転するという案が教育センターから出されました。交通アクセスの悪さ解消するためがその理由ですが、「みんなのぎかい」ではおもに2つの理由からこれに反対しています。

ひとつには、三木の教育の拠点である教育センターの機能低下が懸念されるので、

教育センターは現在の建物にそのまま残すべき

考えること

2つ目に教育センター移転の理由である図書館の移転について

図書館という公共施設の安全性について疑問があることなどです。

安全性という理由は、この未曾有の大震災の中で、さらにいっそう建物の安全性については考慮されなければならないということです。

一つ目の勤労青少年ホームは耐震の基準前に立てられており、基準を満たすには大規模な改修を行わなければならないのは必至です。さらにエレベーターなどの施設もなく、不登校の子どもたちのための適応教室相談室など用途が大きく変更されるので、その安全性が大きく問われます。十分な安全性を確保するにはかなり大幅な改修が必要と思われます。

さらに教育センターは、1階部分の児童センターはそのまま残すということですので、2階から4階の3階部分にとしょかんの書架を置くことになり、その積載荷重が問題になります。

教育委員会の説明では、㎡300キロの基準を満たしているので安全ということでした。

この基準は何から出ているかというと建築基準法の積載荷重(表では単位が違うので、丸がひとつ多い)からです。建物の主な基準が出ています。これを見ると、書庫が多くあると思われる図書館は、300キロでは、十分ではなく、最低法務書庫600キロに耐えられる床構造が必要だと思われますし、可動書架にいたっては1180キロの基準になっています。

しかしこの荷重の部屋の種類には図書館の基準はなく、他の部屋で類推するということになります。

教育委員会では、300キロの荷重内に書架を配置するから大丈夫といっています。

しかし、ご存知のように図書館には書庫は絶対に必要です。まして、これからどんどん本が増えていく中で、書庫を置けないような積載荷重に基準しか持っていないところに図書館を移転させるのは、危険であると思います。

300キロに見合うようにレイアウトしなければ重さが持たないところに、今後もその数が増えることは明らかな図書館の本をおくということで安全が守られるのでしょうか。

図書館は一時的な場所ではありません。長期にわたって使用するものです。来館者も不特定なので、人の重さもかかります。

それらを総合的に判断にして他の図書館では、600キロをおおよその基準にしているようです。それに満たない場合は、ほんの数を大幅に減らして、半分くらいに市、書棚も4段にするなどの形で対応しています。つまり、半分の重さにするということです。

三木の場合、床面積はほぼ同じということですので、教育委員会としては、それをうまく配置すれば大丈夫ということらしいですが、事務所とは用途があきらかに違う図書館の機能を、事務所会議室の基準にしようとするのは無理があるように思います。

 委員会では計画を進めながら考えたらいいというような意見もありましたが、それではいけないと私は思います。この未曾有の震災のさなか、人の安全をしっかり担保できる計画でなければ進めるべきではないと私は思います。

まして、歴史美術の杜構想は人の命や暮らしに直結した、急がなければならないプロジェクトであるとは思えません。


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