もんく [とある南端港街の住人になった人]

Steve Jobs 1

確かこの本は2冊1組であったはずだ。

けれどもわけあって1冊しか読んでいない。そのわけとは、別に複雑な事情でも何でもない、単に1冊だけ他人から借りたからに過ぎない。ただ、1冊でもなかなか興味深いのだ。

ジョブスという人がどんな人間であったか、それも確かにそうではあるが、それよりはあの80年代にアメリカの西部の彼の地にどんな人々がいて、彼らが何をして過ごしていたのか。そして、今は世にしれた世界企業がその時点でこちらが感じていたそれとはかなり違ったものであったし、きっと今も違う在り方をして存続しているのだろうと言う事がわかる。

そうか、アメリカと言うのはそんな国なんだ、と。そしてこの人達はかくも軽く軽く空に舞い上がる。誰かがフッーと息を吹く。すると地面に待機していた葉のようにパラパラとめくれてクルクルと宙で踊る。それはちょっとしたきっかけで竜巻のようにまで成長して高く高く。

あの80年代、自分はどうしていたか。

大学受験を経て普通に大学生と言うようなものになり、それなりに勉強はするがそれで将来をどうにかしたいわけではなかった。特にモデルとなる人物像を心に描いたわけでもなし、敬愛する人のやり方を見習うでもなし、ジョブス氏のようにインドまで出かけて探求するでもなし、である。

あの軽さは無かったのである。
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