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もんく [とある港街の住人]

イスラムの葬式に行ってきた

マレーシアにはもう7年を超えているけれど、
葬式に参列したのは初めての事。

部下にあたる人の母親が急に亡くなった。
朝それを知って急遽10時過ぎに出発。

工場を出て家に帰る道の途中、
学校がいくつかあるところで右折して少し入ったところに
錆びた鉄柵の門があった。
建物が無いので奥まで見える。
墓場だった。

家に行くものだとばかり思っていたのだけれど。

墓場に入ると遺体は埋められたばかりの様子。
埋められたのはちゃんと穴を掘ってなのか、
地面に置いて土をかけただけなのかわからない位に土が山になっている。

黄色っぽい土が均されもせずバラバラと積み上げられていて
ちんと整えない中途半端さが不思議な感じだ。
土盛りの上に名前は知らないけれど
どこにもある赤い色が入ったピュンとした葉が放射状に出ている
植木が2本刺さっていた。
たぶん頭のあたりと足のあたり。

土盛りの前と後ろに茣蓙が敷かれてそこに座るように促される。
小さい方の茣蓙には3人の男。
着物は普段着だけれどお祈りをリードする役の人と付き人。
こちら側の広い茣蓙には参列者が座る。
お祈りの途中からコーラスのような節の付いたお祈りに変わる。
そこから自分を除いた全員、たぶん50人ほどが同じ節を歌い始める。
それが5分程度で終わる。

葬式はここまでだった。
何ともあっさり。

お廻りさんのような制服を着た集団が車で入ってきた。
お巡りさんではなくてどこかの会社らしい。
亡くなった奥さんか旦那さんの勤め先か?
代表者がお金の入ったらしき封筒を家族の人に渡す。
全員が渡してはいないので会社で集めてきたものだろう。

それを渡す時に写真を撮る。
くじで1等賞ハワイ旅行が当たった時にするように
渡しながらカメラを向いてパチリ。

イスラムの葬式では悲しみを表さないと聞いたけれど本当らしい。
誰も、家族も泣いたりシンミリさへしていない。
騒いだり笑ったりはしないものの至って普通に静かにしているだけ。

心の中は違うかもしれないけれど
こうした場ではそうするのだろう。
ご冥福を祈ります。(イスラム的では無いかもしれないけれど..)
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