タイトル:フライング・フィッシュ号の冒険
作:太田和廣
…本文…
2113年、時は大宇宙海賊時代。
かく言う俺も宇宙海賊だ。
俺はキャプテン・カズ。
小さいけどとってもキュートでラブリーな宇宙船、フライング・フィッシュ(ふりがな:トビウオ)号の船長だ。
ん?海賊の船がキュートでラブリーだとへんかね?
あんた、最近の海賊事情にうといね。
まあ、今に分かるさ。
ちなみにフライング・フィッシュ号にはレーザー砲もミサイルも魚雷もないよ。
ただし、ワープエンジンには金をかけてる。
ズン、ズン、ズン、と連続ワープする勇ましい姿は、まさにトビウオ。
伝説の海賊オールド・オリャーの秘宝は、俺たちが手に入れてやるさ。
「船長!凄いっち!」
測定器と直結状態のアンドロイド・ジェニーが叫んだ。
「前方に地球型惑星があるっち!」
「地球型?戦争と公害と異常気象でボロボロ、という意味?」
「違うっち。まるで100年以上前のように綺麗だっち!」
パイロットのケンタチョフが叫んだ。
「よっしゃガルル!
そっちへ向かうぜガルル!
今度こそオールド・オリャーの秘宝は俺たちの物だガルル!」
彼は下半身が四つ足のケンタウロス星人。
俺たちの船、「フライング・フィッシュ号」のクルーは俺の外はこの2名だけだ。
今どき航行はほぼ自動だし、アンドロイド・ジェニーは不眠不休で検索してくれるからね。
目の前に現れた、星図にも載ってない、誰にも知られてない惑星。
スキャン結果によれば、人類は誕生していない。
どんどん近づき、ついには肉眼で見える位置まで接近した。
「海だ!」
本当に地球と似てる。
空気もあり、しかも地球より綺麗。
汚す人間がいないからな。
海には多様な動植物がいるが、陸上には植物と小動物のみ。
地球よりだいぶ若いようだ。
奇跡の惑星だ。
2つの太陽の間を複雑な軌道を描いている。
それでいて気候は安定している。
「シミュレーションによると、太陽に近づく時のスピードアップが半端じゃないな。これはまるで…」
「ウサギだっち!」
「カエルだぜガルル!」
「…トビウオだろ。」
フライング・フィッシュ(ふりがな:トビウオ)号は、静かに着陸した。
清々しい春の風。
タンポポやコスモスのような可憐な花が咲き誇る。
鳥のさえずりが美しい。
森を覗けば、リスのような小動物が愛らしい。
鳥もリスも食べられそうだ。
水が豊富だから、畑を作れば野菜もよく育つだろう。
「ここに決めたよ。君たちはどうする?」
「あたしは船長に着いて行くっち!」
「おいらも気に入ったぜガルル!」
「じゃあ、ここで決まりだな。
早速、所有宣言を頼む、ジェニー。」
大宇宙海賊オールド・オリャーが残したと言われる伝説の秘宝を求め、世は大宇宙海賊時代となった。
だが、宇宙は広い。広すぎる。見つかるはずもない。
船路へ向かって商船を襲う訳ではないから、他の海賊や宇宙海軍に会うこともないし、武器なんか必要ない。
平和で気ままな旅を続けるうちに、海賊たちは、オールド・オリャーの秘宝よりも、それぞれの宝を求めるようになった。
ある者は、ダイヤモンドの星。
ある者は、絶世の美女異星人。
俺の場合は、「自然がいっぱいの美しい星に住むこと」。
「オールド・オリャーの秘宝探し」は、まあ、おまじないのようなものだ。
見つかっても見つからなくてもどっちでもいい。
本当に欲しいのは、「俺の」宝。
まずはジェニーとケンタチョフと3人で暮らす。
生活の目処がたてば、宇宙ツイッターや宇宙ブログ、宇宙フェイスブックで移住希望者を募るつもりだ。
ただし、自然派の人だけね。
都市化、工業化はごめんだ。
シュッ!パシッ。
「キャー!やったっち!」
ジェニーが放った弓矢が鳥に命中。
ヒュンヒュン!ドカッ。
「よっしゃ!ゲットだガルル!」
ケンタチョフが投げたブーメランがリスを捕らえた。
「なんでレーザーガン使わないの?」
「気分だっち!」
「気分だガルル!」
じゃあ俺も。
ジャバジャバ。川へ入る。
鮎のような魚、発見。
銛を構えて、…打つ。
ザバン!グサッ。
「よし!頂き!」
美味しそうだ。
宇宙より楽しいぜ。
昔は地球もこんなだったんだろな。
「火を炊こう!
せっかくだから、ここで食べよう!
その後、野菜の種を買いに行こうぜ!
フライング・フィッシュ号で!」
「了解ガルル!
この星、名前は何にするガルル?」
「ウサギ星がいいっち!」
「カエル星がいいぜガルル!」
「…トビウオ星だろ。
なあ、トビウオ星にしようぜ。
よし!船長命令だ!
これ、最後の船長命令な。」
完
…要約…
宇宙海賊キャプテン・カズは、アンドロイド・ジェニー、ケンタウロス星人・ケンタチョフと共にフライング・フィッシュ号で伝説の海賊オールド・オリャーの秘宝を求め、旅を続けている。
だが船には武器は装着していない。
大丈夫なのか?
彼らは本当に海賊なのか?
やがて、彼らの本当の目的が明らかになる。
美しい惑星と出会った時に、彼らが取った行動とは?
…ここまで…
提出完了。
冒頭のパクリ部分はカットした。
タイトル、星新一ファンには「最後の船長命令」とかなんとか大人なのが受けるやろけど、こっちの方が楽しい。
それに、審査員に宇宙飛行士の野口さんがいるのだ!
是非、こういう楽しいタイトルの作品として読んでほしい。
写真、ないと寂しいし。
パン。
左は豆乳とハチミツのフレンチトースト。
右はアボカド山葵醤油ディップのトースト。
クラッカー。
左は梅味噌ディップ。気功ヒーリング増井先生の手作り。梅も自宅のもの。入院中に頂いた。
中はアボカド山葵醤油ディップ。
右はピーナッツバター(100%)。
今日、血液検査、肺のレントゲン、脳のMR確認をした。
肺も脳も良くなってるのに、CEAがこの2ヶ月下げ止まってる。
どこかに残ってるねんなあ。
まだ心の問題あり、みたい。
こんなに楽しんでるのになあ。
もっと楽しも。
(^^)/
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