温泉クンの旅日記

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続・富士宮焼きそば

2013-11-03 | 食べある記
  <続・富士宮焼きそば>

 二、三年前に一度がっかりしてしまった富士宮焼きそばに再挑戦してみることにした。なにしろグランプリに輝くB級グルメであり、わたしは焼きそば好きなのだ。もう一度は検証しなければなるまい。



 神社の駐車場に入れたら、係りの人がフロントウィンドーに挟む紙片に時間を書き入れながら、「今から一時間までは無料です」と説明してくれる。なんともありがたいことだ。観光地では三十分でも一律で五百円とるアコギな駐車場も多い。
 いきなり反対方向にある焼きそばの店に向かうのも憚れて、参拝することにする。



 富士山を神体山として祀る「富士山本宮浅間大社」は世界文化遺産に登録されており、全国に約千三百社ある浅間神社の総本社だ。

 重要文化財の本殿。



 主祭神は「木花之佐久夜毘売命 (このはなのさくやひめのみこと)」、別称は「浅間大神 (あさまのおおかみ)」である。

 あれはなんだ! 本殿の屋根の上にさらにもうひとつ立派な建築物があるのは初めてみた。



 寄棟造の社殿のその上に、三間社流造の社殿が乗っているという、珍しい二重の楼閣造である。徳川家康による造営で、浅間造と称される独特の神社建築様式だそうである。

 広い境内の東側には、富士山からの湧水を湛えた特別天然記念物に指定された湧玉池がある。



 無限に湧き出す、あくまでも澄明な湧き水はとても冷たい。

 門前にあるお宮横丁の「富士宮焼きそば学会」が出しているアンテナショップである。



 ここで食べて口に合わなかったら二度と食べないつもりだ。
 昼にはまだまだ間があるので、店の前に行列はなく空いている。



 仮設のような店に入る。
 並と大盛りの二つがあるが、残すかもしれないので「並」を注文した。
 鉄板の前に陣取ったオバサンが、熟練の手つきで調理にとりかかった。



 富士山の湧き水をコップに汲んで、外のテーブルに陣取って出来上がりを待つ。ほどなく声が掛かり、焼きそばを受取にいった。



 さて、心新たにして、まずはひと口。
(おっ、これは前に食べた味とまるで違うぞ!)
 焼きそば、肉かす、キャベツなどの具が丁度よく渾然一体となって、焼具合もベストで、なんとも美味である。麺の腰も好みである。
 前に食べたのは、焼きそばは焼きそば、具は具、それぞれが独立して調和がまるでなかったのだ。
 皿の上のすべてに適量に絡んでいる、程よい酸味がある洗練されたソースがなんとも味わい深い。



 これは、旨い。
 アクセントの紅しょうがで箸も猛然と進み一気に平らげてしまう。太田焼きそばのようにまったく香辛料を必要としなかった。
 最初からここで食べれば一発でわたしも富士宮焼きそばファンになっただろう。というか、たった今、いわゆる転んで宗旨替えしてしまったのであった。

 お代わりできる腹具合であるが、さきほどから視線の先にあるパン屋がどうにも気になるのでやめておく。
「江戸屋」と読めるパン屋なのだが、あの伊東にあるパン屋の支店だろうか。それなら、焼き立てのハンバーガーと焼きそばパンをぜひ買いたい。


  →「富士宮焼きそば」の記事はこちら
  →「太田焼きそば」の記事はこちら

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