温泉クンの旅日記

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京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(1)

2023-07-09 | 京都点描
  <京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(1)>

 京都の観光は、基本“歩き”だと思う。車で来たとしてもそれはホテルに置いて、公共交通機関を利用して、できるだけ歩いて観光するのが賢明で得策だ。
 旅のパートーナー選びには、まずは<食の趣味嗜好が近い>ことだが、京都旅だと<健脚>も必須条件である。観光スポットを二つ、三つ廻っただけで、ため息に涙目なんてえのはジツに困る。勘弁してほしい。
 嵐山駅から足に自信があれば、渡月橋、野宮神社、天龍寺、大河内山荘、常寂光寺、落柿舎、二尊院、祇王寺、化野念仏寺、清涼寺、大覚寺などの嵐山・嵯峨野の観光スポットを一気に巡ることができる。

 わたしは嵐山駅を出ると、少しだけ遠回りになるが野宮(ののみや)神社に通じる「竹林の小径」に寄っていくことにした。

 

 渡る風にさやさやと耳に囁く葉ずれの音、やわらかく身体にそそぐ木洩れ陽、視線をすこし上げれば竹越しに、数え切れない空の蒼の欠片の煌めき。

 

 いかにも京都らしい風景のひとつだ。

(おっと! 今日の目的地は野宮神社じゃなかったぞ)
 竹林の写真を数枚だけ撮ると、それで満足してまた元の路に戻り、大覚寺を目指した。嵐山駅から大覚寺までは2キロ、歩いてざっと20分である。

 大覚寺(正式には「旧嵯峨御所 大本山 大覚寺」)の前を塀に沿って東にすこし歩き、大沢門のところで「大沢池」の拝観料300円を払うと、茶室「望雲亭」の横を通り、池に出た。

 

 大覚寺のお堂エリアに入るには別途500円の参拝料が必要だが、今回の目的は池エリアだけである。

 

 国指定の名勝地「大沢池」は周囲約1キロの日本最古の人工の林泉(林や泉水などのある庭園)である。嵯峨天皇が離宮嵯峨院の造営にあたって、唐の洞庭湖を模して造られたところから、庭湖とも呼ばれる。
 嵯峨天皇が、中秋の名月に舟を浮かべ文化人や貴族たちと遊んだという、日本三大名月観賞地の池である。

 

(ん!? ツルか?)

 

「五大堂」に近い東側の、張りだした「池舞台」のあたりに白い水鳥たちがいた。

 

 ツルほど大きくないから、白鷺・・・大きさからいってチュウサギだろう。

 

 

 水が少ないが、そういえばいま大沢池では「水抜き」が行われていると、先ほど料金所で聞いた。
 大沢池の東、すぐ近くにあるため池の「広沢池」では鯉などの養殖が行われており、春に稚魚が放たれ、そして暮になると池の水をすっかり抜いて、育った鯉などを水揚げする「鯉揚げ」が行われるのが有名だ。水揚げされたばかりの鯉や鮒、海老やもろこなどが売られ、地元客に人気で料亭などからも仕入れに来るらしい。

 

 おォっと、観たい景色はもっと先のほうにあるのだったぞ。
 さあ、混まないうちに急ぐとしよう。

  ― 続く ―

   →「嵯峨野、化野念仏寺で出会った名言」の記事はこちら


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