温泉クンの旅日記

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京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(2)

2023-07-16 | 京都点描
  <京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(2)>

 遷都千二百年の歴史ある京都では、あちこちいたるところで過ぎた時代を感じることができる。

「この小径だ!」

 

 小さな「放生(ほうじょう)池」と広い大沢池の間の、護摩堂へと延びる弓状にゆるく曲がる、畦道みたいなか細い径にたしかに見覚えがあった。

 

 時代劇ドラマの主役やら脇役らの登場人物が、小径を歩むシーンを思い浮かべる。

 

 

「護摩堂」は不動明王を祀る二間四方、方形造瓦葺の外装がまだ新しいお堂で、月に一度護摩を修している。
 新品の建物を“エイジング”といって加工して古めかし江戸時代の雰囲気を醸し出すことができるそうで、撮影時には一時的にそれを施すのだろう。あるいは、お堂のシーンだけ別の古いのを使うとか、お堂を映さないという奥の手もあるのだ。

 

 

 大沢池に面した土手でのんびり釣りをしている、侍や火盗改めの密偵など。あいにくと今日は池の水が少ないけどね。

 

 護摩堂の裏手にある「心経宝塔」の前の広い空き地に、風ぐるまやお面をずらりと飾り立て、飴や甘酒などの屋台と茶店を設営して大勢の人を集めれば、祭りとか縁日のシーンが即席で映せそうだ。

 時代もののテレビドラマを観ていると、最後に素早く流れる「エンディングロール(別名クレジット)」に俳優名・スタッフ名などに続いて、撮影に協力した寺の名前も表示される。
 映画ではエンドマークと同時に立ちあがってしまうわたしだが、テレビではそうもいかない。ただ、後番組もあるせいで、あっという間に流れるのでなんとなく観てしまう。
「鬼平犯科帳」のエンディングで、ジプシー・キングスの軽快な「インスピレイション」音楽にのせて、あぶり餅で見覚えのある今宮神社東門前で町人が二八蕎麦を手繰るシーンなんて、とくにだ。
 その、時代劇撮影協力に「大覚寺」がよく出てくるのである。

 古いものは平安時代後期といわれる、如来や菩薩の石仏群。

 

 これも長年の風雪を経ているので、そのまま撮影に使えそうだ。
 
 ただ、「嵯峨碑」と「茶筅塚」の大きな石碑は時代劇の背景などに使うのは難しそうで、わたしにはすぐにシーンが思い浮かばない。

 

 

 帰りがけに見かけたただの“水路”でさえ、夜間に照明を名人級に加減して撮影すれば、バチャバチャと水を蹴立てて逃げる賊とか刺客を追う、なんていうとんでもなく印象的なシーンには格好といえそうだ。

 

 別に桜が咲いていなくても、既に紅葉が終わっていたとしても、たとえ池の水抜きの時期でも、とにかく時代劇が好きなら愉しめる大覚寺大沢池エリアである。



   →「京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(1)」の記事はこちら


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