温泉クンの旅日記

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亡者踊り ②

2006-06-28 | 旅行記
  <亡者踊り 第2章 東北道>

 西馬音内の盆踊りの開催は、八月十六日から十八日である。やりくりして、十八
日と十九日の二日間の休みをとった。これで、十六日の土曜日からの四連休とな
る。いつも宿泊は出たとこ勝負の飛び込み専門だが、今回は電話を掛けまくって
二泊だけ予約した。
 お盆の帰省客が都会へユーターンするピークの十六日、東北自動車道の下りは
思ったより混んでいた。



 バックミラーに映ったほんの豆粒のような後続車がぐんぐん大きくなる。
 後続車の運転手の顔がミラーで識別できるようになる、その直前に、左の走行車
線に滑り込む。

 車の事故を未然に防ぐのには、前後に車間距離をあけるのが特に有効である。
そう信じている。また、前方の車両が蛇行運転をしたときには追い抜いたほうが
無難である。過労からくる居眠り運転が多い。わき見、酒酔い、それと最近は携帯
電話に夢中になっているケースもある。わたしの場合は、しばらくは車種や特徴を
記憶しておく。途中のサービスエリアで給油や食事しているうちに、また前方にい
たりすることもあるからだ。
 車でする長距離の旅の知恵だ。

 数年前から重い旅狂いの病に罹り、よんどころなく療養のためと温泉旅を続けて
いる。また蕎麦通はおこがましいが、メン食いの酒好きでもある。
 以下は、秋田の近くまでを綴ったいつも書いている旅日記そのままである。 

■八月十六日(土曜) 走行距離 四百八十二キロ。

 五時半、雨の横浜を出発した。

 横浜バイパスから首都高にはいる。平和島のパーキングに寄り、飲み物を購入
した。ついでにナビを宮城県鳴子温泉にセットした。本線に戻り、走り始めると、
車二台の事故。警察車両がきていた。怪我人はないようだ。

 浅草をすぎたあたり、向島のへんから渋滞。これも原因は事故であった。
 結局、東北道に乗るまでに事故を三件みた。
 七時、蓮田パーキングでカレーパンと焼きそばパンを買って、朝食とした。

 走り出したら眠い、眠い。眼のうらにべったり眠気が張り付いてとれない。
 八時、大谷パーキングで珈琲を買って飲み、安全のため一時間ほど仮眠をとる。
眠気は大敵である。素直に甘い誘惑に負けたほうがいい。
 起きたら、雲に切れ目ができて太陽が顔を出した。
 上りのほうの道で福島県から宮城県の仙台あたりまで、断続的な大渋滞をみかけ
た。たぶん事故というより、帰省のユーターンだと思う。

 宮城県にはいってから、また小雨が降り出した。

 古川インターで高速を降り、あ・ら・伊達な道の駅で盛り蕎麦をたべた。前に
ここで食べたときにおいしかったから、ここまで我慢したのだ。でも、店のような
かたちではなく通路に机と椅子をおいただけなので、落ち着かない。これで七百円
は高いかもしれない。

 国民宿舎「ホテル瀧嶋」。一泊二食、六千六百五十円のところ朝食だけにしても
らい、四千九百九十円。今回の旅は三泊目をまずまず豪華にするつもりなのだ。

 外湯の滝の湯にいったが、ひとが多すぎて断念。鳴子観光ホテル前の「小花」と
いう蕎麦処にずーっと前からはいってみたかったので、そこでざる蕎麦。ツユも甘
い。一回でとりあえずいいや、という味。テーブルに灰皿が一切置いてないが、
店主はスパスパ吸っている。
 ふじや食堂で、焼酎四杯。つまみに小出の温泉玉子と、丹野商店のしそ巻き。
おしんこをサービスでもってきてくれた。悪いのでお刺身をオーダー。仕上げに
ざる蕎麦といなり。蕎麦は二口ぐらいで箸を置きたくなる味。
 外湯の早稲田桟敷湯にはいる。五百円。透明だが湯の花も充分、濃い力のある
温泉。

 ホテルの地下にある薬湯というのが、なんにでも効くというので試す。地下の
穴倉のような浴室。濃い温泉の熱気が上部にたちこめていて息苦しい。それでも
二回はいる。

■八月十七日(日曜) 雨。走行、二百二十キロ。

 朝食のおかずがすごい。メインは薄い安そうなハム半分が三きれ。あとは玉子、
沢庵、梅干、納豆、海苔。それでも二杯食べてしまう。

 十時、すこし東鳴子方面に戻って川渡(かわたび)温泉「藤島旅館」に立ち寄り
入浴をした。二百円の浴室が清掃中で三百円のほうにはいった。硫黄臭のある薄い
泥湯という感じであった。黒い小さな湯の花も多くて、なかなかいい。

 十一時、前森高原「はらっ葉」という蕎麦処で板蕎麦を食べた。七百円。これが
旨かった。山形蕎麦街道の名店「あらき」の蕎麦などにくらべると蕎麦はすこしだ
け柔らかいが、わたしにはちょうどよかった。ツユもいい。腹いっぱいになってし
まう。
 大堀温泉「おらだずの宿りんどう」で、沐浴。伸びた髭をそった。

 新庄にはいり右折して、十三号線を北上し湯沢に向かう。

 二時、金山町の「カムロ・リーベ」というラーメン屋に立ち寄り、この店自慢の
味噌ラーメンを食べた。喫茶店のような外観の新しい店だった。
 ラーメンどんぶりのなかに、辛味噌をすりきりでいれたレンゲがはいっている。
自分で適量を溶かしながら食べるのだろう。しかし、全部溶かさないとレンゲが
使えないではないか。このつぎ来たときには餃子も食べたい。なにしろ、さきほど
の板蕎麦で腹がいっぱいなのだった。それでも、人気のあるのがわかるいい味で
あった。

 前森高原の蕎麦と金山町の味噌ラーメンも、山形に実家のある友人の話を覚えて
いたから昼食のハシゴをしてしまったのだ。
 ナマの声の情報はこうして影響が強すぎて困る。

   →亡者踊り③はこちら
   →亡者踊り①はこちら



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