温泉クンの旅日記

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門司港界隈(4)

2011-01-30 | ぶらり・フォト・エッセイ
<門司港界隈(4)>

 最後にこの門司港の宿としたホテル、これが快適だったので軽く触れておきたい。



 門司港の街に溶け込む落ち着いた色合いと外観のデザインだからいかにも歴史があるようにみえるが、1998年の竣工だから10年と経っていない新しい建物である。客室は百三十四あり、オフィスビルが併設されている。

 一歩はいると、インテリアと内装は統一されていてかなりお洒落なホテルである。きっと名のあるデザイナーがはいっているのだろう。



 部屋はシングルだがベッドは広めなもので、大きく開け放たれた窓はカーテンではなく珍しい木製観音開きの扉で設えられていた。なんとなくこの部屋にマッチしている。

 バスルームもユニットではなく、充分な広さがあり清潔である。



 その窓の外、真下には船上レストランが浮かんでいた。



 夜の門司港の街で、駐車場の係りのひとに教えられた店ともう一軒で呑みほろ酔い加減でホテルに戻った。



 この九階建ホテルはイタリアの建築家アルド・ロッシの遺作である。
時間の経過に耐えて残ってゆく都市の工作物に、ロッシは強く関心を示した。都市はその過去を憶えている、都市は時間をかけて建設されてゆくものである、と彼は著書の中で言っている。
 門司港ホテルの設計を引き受けたのもこの歴史ある街が気にいったからだろう。
 ロッシ設計のホテルは隣県の福岡にもある。残念ながら1997年、ミラノで交通事故に遭い六十六歳でその生涯を閉じた。

 このホテルの設計テーマは「門」と「鮫」だそうで、なるほどあちこちにテーマである「門」の文字のデザインを発見する。

 正面入り口を入ったところにあるフロア・マットに大きな「門」。



 最上階、関門海峡を望むダイニング・バーにもあった。



 部屋のベッドの上に置いてあるローブの胸にもしっかりはいっている。



 もちろんタオル類にも。徹底されているのだ。見慣れたせいか「門」の文字が妙に気にいってしまう。

 窓に面して三日月状に設えたテーブルの前に座り、静かな夜の海と光を散らした街を眺めながら酒を呑んだ。嵌められたガラス窓はしっかりと外の騒音を締めだしていて、部屋の中も静寂に満ちていた。
 夜の海と街の景色だけを眼の前に、他にはなにも考えないでいると、ついつい杯が進む。

 翌朝、熱めのシャワーでしゃっきりと目覚めると、一階奥の広いメインダイニングで和洋食を取り混ぜたバイキングの朝食をとり唐津を目指して早々に出発した。



 この日の最新の天気予報によると、昼過ぎに大型台風が福岡県に上陸するとのことだ。



  →「門司港界隈(1)」の記事はこちら
  →「門司港界隈(2)」の記事はこちら
  →「門司港界隈(3)」の記事はこちら
  →「からつバーガー」の記事はこちら

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