ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

12月13日、500回目の「火曜日行動」です。

2022-12-13 19:13:36 | 火曜日






教育塔広場です。300人を超える参加者の熱気で雨も逃げていったようです。



正午、長崎さんの司会で集会が始まりました。

長崎由美子さん

只今より、火曜日行動500回、そしてミニパレード集会を始めます。本日司会を務めます、高校無償化求める連絡会・大阪の事務局長の長崎由美子です。よろしくお願いします。

本日火曜日行動500回を迎えることになりました。2012年の4月17日に、一日も早く朝鮮学校の子どもたちの笑顔と夢を取り戻そうということで、そして高校無償化の実現ということで、私たちは府庁の前に立ちました。それから実に10年の歳月が経ちました。何度となく皆さんと声をあげました。

50回の節目ごとに様々な取り組みをしてきましたが、残念ながらまだこの差別は変えられず、むしろ差別が強まる中で、今日の日を迎えております。

しかし私たちにはかわらないもの、皆さんとの信頼と絆がこの10年の間に深まりました。私たちは決してあきらめないこと、そして変えていける、それをあらためて今日の集会で確認をしたいと思います。それでは最初の挨拶を、学園理事長からお願いしたいと思います。



まずは大阪朝鮮学園のリ・ジュンナム理事長のご挨拶です。

リ・ジュンナムさん。

アンニョンハシムニカ。学園理事長のリジュンナムといいます。よろしくお願いします。

皆さんほんとにご苦労様です。学園を代表して感謝申し上げます。チョンマルコマッスムニダ。

2012年から始まった、火曜日行動も今回で500回。丸10年です。丸10年、今までどれだけの人々がこの大阪府庁前で、朝鮮学校差別するなと訴えてきたことか、この10年の声がいつ届くのか、まだまだ先が見えません。しかし大阪府にはたくさんの条例があります。一つは大阪府子ども条例です。この条例では、すべての子どもは、かけがえのない存在であり、性別・国籍・障がいの有無・家庭の形態など問わず、子どもの尊厳を守り穏やかな成長を支えることは、大人全体の責務であると書かれています。すべての子どもというのは、朝鮮学校の子どもたちも含まれているのではないでしょうか。

朝鮮学校の子どもたちを含まずにすべての子どもというのはおかしい話と思います。大阪府は必ずこの条例を守るべきであると信じております。もともと大阪府には、在日の朝鮮人・韓国人が多く住んでいて、大阪の地域も朝鮮学校に対する理解はほかの地域より進んでいたのです。これが今はどうでしょうか。権力を持った一人・二人の政治家に捻じ曲げられたのではないでしょうか。我々はそれを正すべきなのです。これを正すために、我々はこれからも600回、700回と闘い続けていきましょう。皆さんこれからもよろしくお願いします。



オモニ会代表のリャン・スッチャさんのご挨拶です。

アンニョンハシムニカ。大阪朝鮮中高級学校オモニ会会長のリャン・スッチャと申します。よろしくお願いします。

今から12年前、民主党政権下の2010年に高校無償化制度が発表されたときに、全国のオモニたち、大阪のオモニたちはすごく喜びました。それを鮮明に覚えております。なぜならば、ウリハッキョというのが学校教育法上の認可を受けているにもかかわらず、各種学校という理由だけで、国の法的支援を対象から除外されつづけてきたからです。しかしながら子どもとは全く関係ない拉致問題を理由に高校無償化制度からウリハッキョだけ除外されました。とても悔しい、とても悲しい、とても寂しい気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。

時を同じくして大阪府は、1974年から交付してきた補助金を、大阪市は1990年から交付してきた補助金を、不交付決定をすると通達してきました。それもとても屈辱的な4要件を提示しながら、補助金を出せないと言ってきました。なぜウリハッキョが日本に存在するのかということを、ここにいる皆様にも、もう一度、しっかり考えていただきたいなと思います。ここをしっかり認識できないと、今後ウリハッキョを守る闘いを続けていけないからです。

ウリハッキョは36年間の植民地支配から解放された一世たちが日本でも、二度と植民地奴隷にはならない、奪われ続けた、言葉・民族・文化というのを子どもたちには、民族性というのをしっかり学ばせて、立派な朝鮮人に育て上げなければいけないという思いで、ウリハッキョを造った。1948年の朝鮮学校閉鎖令の後でも、今日このようにウリハッキョが残っているということは、ほんとに血のにじむような気持で闘ってきた一世・二世たちがいてくれたからだと思っています。

1965年には朝鮮学校は朝鮮人としての民族性または国民性を変えようとするようなことを目的とする朝鮮学校は、我が国の社会において積極的に意義を持たないという理由で、文部事務次官通達というのが出されます。それが今でも朝鮮学校差別・弾圧してもいいという思想の根底になっているものです。

12月2日のニュースを見てびっくりしました。杉田総務大臣政務官の過去のブログの差別発言を謝罪しますというニュースが出ていたのですが、私は彼女の過去のブログをググってみました。

彼女が2017年に国連の女性差別撤廃委員会、スイス・ジュネーブで行われたそれに参加した日の夜に書いたものです。「国連の会議室にはチマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレ叔母さんまで登場。完全に品格に問題がある。とにかく同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなるぐらい気持ち悪く…」ひどくないですか、ひどいですよね。こういう人が総務大臣政務官。今の権力の中枢にいるのです。ということは朝鮮学校に対する差別は簡単にはなくならないと、私は思っています。

でも大阪のオモニたち、全国のオモニたちは強いです。負けません。なぜならこのように支援してくれる日本の方々、全国からの支援、韓国同朋からの支援、海外に住むコリアン同朋からの支援がありますし、毎日ハッキョに通う子どもたちがいますし、オモニたちは強いです。差別の中で生活して闘ってきましたが、負けずに、勝利のその日まで、先頭に立って闘っていきます。どうぞよろしくお願いします。



ずっとウリハッキョ問題にかかわってきて下さった丹羽弁護士のご挨拶です。

大阪弁護団長 丹羽雅雄さん

弁護士の丹羽雅雄です。韓国からの横断幕に、「朝鮮学校の子どもたちに学ぶ権利を。私たちは必ず勝利します」とあります。ほんとにありがとうございます。

高級学校無償化求める連絡会を12年の3月1日、3・1独立記念日ですね。この日に結成したのです。2010年の4月1日から高校無償化法が施行されるのですが、各種学校イロハとあるのですが、特にハについては、朝鮮学校をターゲットにして、どうしたらいいのかと検討会議を開いた。その時は政治外交的理由でこれを排除することはできない、教育内容には立ち入らないという検討会議の結果を受けて、省令から規定に入る、これは長くなるから置いといて。

火曜日行動は2012年4月17日、裁判する弁護団を結成して、連絡会大阪、当該の学園、三位一体の闘いで朝鮮語で学ぶ子どもたちの権利、民族教育権を確立する、必ず勝利しようとやってきた。そのポイントは朝鮮の子どもたちの教育権を確立するということ、同時に日本社会において決して民族差別を許さないで多民族共生する社会をつくろうという目的で裁判も闘ってきた。

裁判は全国で大阪地裁だけが勝訴した、後は全部最高裁で敗訴になったのですが、大阪地裁の判決は非常に普遍的でかつ21世紀の国際人権人道論に全くマッチした判決だったのです。西田判決の立ち位置は、高校無償化法は子どもたちが受給権、権利がある、だから朝鮮学校で学ぶ子どもたちの権利を守るためには、司法はその救済を高く配慮しなければいけないという立ち位置で書かれている。内容的に言うと要は、指定処分を取り消す。

勝利のまず第一は、朝鮮学校で学ぶ子どもたちの教育は歴史的にも国際的にも、非常に重要な権利であると認めたこと。二つ目は、朝鮮総連については、民族教育権を実施するための重要な歴史的役割があると、戦後初めて司法が判断したこと。この判断は21世紀に入って、2001年のダーバン会議、植民地主義に伴う人種差別は絶対許さない、と同時に、その子どもたち、民族的マイノリティとか先住民の子どもたち、母国教育、継承教育こそを保障しなければならないと。

2007年には先住民族の権利に関する国際連合宣言ができるわけです。私が非常に感動したのは、2018年の韓国の大法院判決です。徴用工問題ですね。植民地支配と侵略戦争に伴う、不当な反人道的行為であると判断した。日本が植民地支配を合法だと言った国際的な流れの中で、そういう流れも受け継いで、最後ですが、決してあきらめないということ、必ず私たちには正義がある、必ず勝利する闘いになる。私の決意として述べたいと思います。ありがとうございました。



韓国で朝鮮学校の子どもたちの権利を守るために闘っておられますソン・ミヒさんを紹介します。通訳に娘さんが来てくれています。

ソン・ミヒさん

アンニョンハシムニカ、韓国から来ました、<ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会>の代表ソン・ミヒです。10年経てば山河も変わるという10年です。雪が降っても雨が降っても止まらずに走ってきた時間です。500回のこの場まで、あまりにも当たり前のことを要求し怒りの声をだし、一緒にがんばろうという歌を歌いました。子どもたちを差別するなと、学ぶ権利をくれと当然の要求をしてきました。

日本の植民地支配によって、ここに住んでいる朝鮮人と朝鮮学校の子どもたちに、謝罪し反省し、もっと愛情持って見守るどころか野蛮な差別をするなんてありえません。ほんとに恥ずかしくないですか。子どもたちに済まないと思いませんか。子どもたちの学ぶ権利を阻むのは野蛮です。子どもたちを差別するのは国家暴力です。子どもたちに対する差別を直ちにやめてください。

教育を受ける権利を保障してください。それでもこの10年間、一緒に同胞と子どもたちのために応援や要求・激励しながらここまで来られた日本の市民団体の多くの先生から、ひとすじの希望を見ます。ありがとうございます。ほんとにありがとうございます。

他国であっても日本の地であっても尊厳を守りながら、堂々と生きてきた、同胞の方々にも本当にありがとうございます。一人ひとりに心を込めてあいさつを申し上げます。私たちは握った手をはなさずにあきらめずに、最後までともにし、必ず勝ちましょう。そして私たちの輝かしい未来である子どもたちに笑いと力を与えましょう。私たちは必ず勝ちます。ありがとうございます。



大村さんのアピールです。

大村和子さん

アンニョンハシムニカ。始めたころは10人余りで始めましたが、回を重ねるごとに、たくさん集まり、今では常時50人ぐらいになりました。そして全国各地から、近畿一円は勿論、そして外国からも、特に韓国からソン・ミヒさんはじめ、亡くなられた金福童ハルモニ、ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会、モンダンヨンピル、労働組合の方々、市民運動の方々、たくさんの方々が参加してくださいました。

老いも若きも、赤ちゃんから幼児まで、学生たち、いろんな方がこの場に集ってきました。その時オモニと一緒に参加していた小学校1年生が作文を読みました。「私はウリハッキョに通う1年生です。4月には2年生になります。この1年間でウリマルも読めるようになって書けるようにもなりました。この間は漢検の試験で10級に合格しました。一輪車にも乗れるし朝鮮の舞踊とか歌とかも習えてとても楽しいです。だから私たちの通うウリハッキョが無くなってほしくありません。日本の大人の人たちウリハッキョをいじめないでください。よろしくお願いします」

この少女は今は高級学校の3年生になります。この少女の言葉に私たちはきちんと答えなければなりません。朝鮮学校を取り巻く状況はますます厳しくなっていますが、500回の1回1回の積み重ねは、たくさんの仲間とつながり、朝鮮学校弾圧に対する闘いは、人間の尊厳を守る闘いだとの思いで、連帯の輪は確実に広がっています。火曜日行動で出会うたくさんの笑顔と力で、差別のない平等な社会を目指して、皆さん、勝利のその日までともに頑張りたいと思います。ありがとうございます。

長崎さん

火曜日行動500回続く中でたくさんの詩が生まれました。それをアピールし続けてくださったハルモニ会の皆さんが記録をしてくださいました。お名前だけご紹介します。横道昭子さん、平田アサ子さん、木村奈保子さん、陶山喜代子さん、井上郁子さん、パク・リョンヒさん。

そして10年間、キャンデイーを愛と共に配ってくださったチョグッスンさん、いつも写真を撮ってくださった松尾和子さん、本当にありがとうございました。

それでは闘いの中から生まれた火曜日行動の詩を、許玉汝さん、朗読をお願いします。




「ここに立つ」 

            許玉汝

ある人は賑やかにアコーディオンを弾き
ある人は楽しげにリコーダーを吹いた
毎週毎週 「火曜日行動」の日に

ある人は歌を作り
ある人はキャンディを分かち合った
辛い時こそ笑いを忘れまいと

ある人は専門学校入学式の日
新調のスーツ姿で府庁前にやって来た
1枚でもビラを配ってから出発したいと

ある人は毎回重いスピーカを運び
その夫人は毎日30分も訴え続けた
子どもたちの笑顔を奪わないでと

ある人は夜勤明けの度に
休む間もなくここに駆けつけ
差別反対と訴えビラを配った

ある人は病で痛む足を引きずりながらも
350時間 雄々しく立ち続けた
大雨降る日も 強風吹きすさぶ日も

ある人は子どもたちを育てるため
いくつものパートを掛け持ちながらも
ウリハッキョを守ろうと涙で訴えた

ある人は傘寿を目前にしながら
毎月毎月アピールの聞き取りをし
老体に鞭うちながらレポートを書き続けた

ある人はご主人の葬儀を終えた日
夫の果たせなかった遺志を受け継ぐと
涙をこらえてここに立った

ああ、ここは人間の愛があふれる場所
民族の違いを越え 心一つに
未来を胸に描く所

幼な子からお年寄りまで
刃より強い笑みを浮かべながら
私たちは立つ 今日もここに立つ 



歌舞団の団員の皆さんの音頭で「勝利のその日まで」を合唱しました。



ミニパレードの出発です。

今日のレポーターの陶山さんです。
ミニパレードが始まりました❣️


来週からも「勝利の日まで」頑張ろうと誓い合って解散しました。
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