11月
関の山車会館(三重県亀山市)
西に鈴鹿山系を望む三重県亀山市にある旧東海道関宿は重要伝統的建造物群保存地区、日本の道100選にも選定され、伝統的な町家が200棟以上現存しています。
その関宿にある資料館のひとつ、関の山車(やま)会館に入ってみました。
この会館は2019年にオープンした施設で、関宿祇園夏祭りの歴史・文化を後世に伝えるため、関の山車と歴史的な関係資料が展示してありました。
収蔵庫の中には関宿祇園夏祭りで使われる4基の山車のうち、2基が常設展示されてます。
「~が関の山」という慣用句は「それ以上はできない」、「それが限界だ」、「それが頂点だ」と言う時に使われますよね。
関町の八坂神社祭礼祇園会に出る山車(やま)が非常に豪華で、それ以上の贅沢はできないと言われたことから、「そこが頂点である」という意味の「関の山」という言い方が生まれたとされます。
関まちなみ資料館(三重県亀山市)
この資料館は旧別所家の邸宅で関宿を代表する町屋のひとつ。
町屋で使われていた道具類や町並み保存事業による関宿の移り変わりなども知ることができました。
これは箱階段。
2階に登る階段ですが、いわゆる階段下のデッドスペースが引き出し式の収納庫になってました。
何かお婆ちゃんの家みたいで懐かしい雰囲気。
大きな振り子式の柱時計は今となっては古い民家の象徴ですね。
離れの2階はまちなみ保存コーナーと称し、関宿の街並みの変遷の様子がパネル展示されてました。
関宿は東海道往時の面影を唯一残す歴史的街並みとして、昭和59年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。そうした歴史的建造物を伝えていくため、住居者の協力を得て保存修復工事も行ってきたそうです。
また、新しい建物については周囲の街並みと調和させるための基準もあります。整備前は電柱もあったそうですが、今は無電柱化されていて、より昔の街道らしい美しい街並みになりました。
自転車が一般的になったのは昭和に入ってからですが、これは明治10年代に製作された自転車だそうです。
ペダルで前輪を直接回すタイプで、後輪は極端に小さいオーディナリー型自転車ですね。
関宿旅籠玉屋歴史資料館(三重県亀山市)
玉屋は「関で泊まるなら鶴屋か玉屋、まだも泊まるなら会津屋か」と謡われたほど、関宿を代表する大旅籠のひとつだったそうです。
その玉屋は関宿旅籠玉屋歴史資料館としてその建物の中が公開されています。
旧玉屋は江戸時代の旅籠の様子を今に伝える貴重な建造物として関町の文化財に指定され、旅籠で使われていた道具類や庶民の旅に関係する歴史資料が展示されていました。
客室の雰囲気は今の和室旅館と変わりませんね。
部屋食(笑)
どんなお料理だったのか気になりますが、飯に一汁三菜って感じでしょうか
興味を持った展示品はこの旅行用心集。
旅行用心集は文化7年(1810年)に八隅蘆庵が記した旅行ガイドブックで、泊屋での蚤除け方法、寒国旅行の心得であったり、所持すべき薬や用具を細かく紹介してあるそうで、『地球の歩き方』みたいなガイドブックだったんじゃないでしょうか(笑)
上の獅子みたいな変な生き物は白澤(はくたく)で、人間の言葉を解し、万物の知識に精通するとされる中国に伝わる瑞獣・神獣・聖獣の類です。その姿を描いた図画は魔除けのお守りとして使われたそうです。
つづく
過去記事<2022 お気楽行楽記総集編(17)>
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