特別委員会の報告、まだ終わってません。自分の大きなテーマは「学校のクラスターからどう今後の教訓をくみとるか」でした。
24人の生徒と1人の教員に陽性が判明し、家族の陽性者も10人くらいおられたと思われます。全員のご快復を心から祈念します。
まず第一に、【即座に幅広くPCR検査を行うべきでは】ということです。
23日にまず他の自治体で陽性判明した人と接触のあった部活のメンバーがPCR検査を受検。25日に4人の陽性が判明。
ここで基本の手順は、保健所と連携して接触者の範囲を調査し、どこまでPCR検査を行うかを決定していきます。
今回もそうでしたが、28日にはクラス丸ごとなどの単位で200人近い検査が行われ、そこで11名の陽性が判明しました。
最初からグッと網をかけるように検査し、それ以上の飛び火を未然に防ぐようなやり方の方が、結果的に良いのではないか?
教育長は改めて手順を説明しながらも、「できるだけ広く検査を行うよう保健所にお願いした」とも述べていました。方向性は違わないと思います。
保健所のキャパが厳しくなっていてもまとまった検査ができるよう、民間検査機関とも連携して検査キットをまとまった数保有しておき、すぐに投入できるようにしてはどうかとも提案しました。
次に、【まとまってPCR検査を行う段階から学校内に知らせるべきではないか。陽性者が出た情報を、せめてクラスやクラブくらいは学校内で共有すべきでは】ということです。
今の手順では、PCR検査が必要な生徒には個別に連絡します。そうでない生徒には連絡が来ません。しかしそれでは、行動変容につながりにくい。
23日、ある部活メンバーが検査を行ったわけですが、そのことは他の生徒にはわからず、翌24・25の土日で友達と遊んだ生徒もいます。
「〇〇部がいっせいにPCR検査を行った」「〇年〇組で陽性者が判明した」と伝えられたら、生徒もその情報から自分のリスクをリアルに知り、より適切な行動ができるのではないでしょうか。
該当の学校は、24・25の土日の部活を中止しました。他の学校は27日から中止だったので、より踏み込んだ措置をとったといえます。これは23日にPCR検査を受けた事態があったからでしょう。
しかし部活中止の連絡は、「緊急事態宣言が出ますので・・」という内容でした。これでは生徒に身近にコロナが迫っているという発信にはならず、一般論になります。
乙訓の他の学校では、「濃厚接触者が出てPCR検査をします。感染拡大の可能性も危惧されるため2日間部活を中止します」との連絡がされたと聞きます。
長岡京市は保育所のO-157禍で痛ましい経験があります。初動で消毒やペーパータオルに替えるなどの措置はとりながらも、感染者発生のことを伝えなかったことが議論になり、現在のマニュアルでは「1例目から園名と年齢を公表する」となりました。
コロナが「誰がなってもおかしくない」のであれば、現在の「陽性者が発生してから初めて伝える」「学校名以上のことは言わない」という対応は改善し、より生徒がリアルに事態を認識できる伝え方が必要ではないでしょうか。
学校からは何もわからないもとで、生徒間や保護者間ではあっという間に情報が飛び交う状況でした。
教育長の答弁の中でも、「どこのクラスの誰か言ってほしいとの電話もあった」とありました。
しかしそれらは好奇心や差別感情なのか?事態をリアルに知りたいという面も大きいと思います。ケアワーカーなどシビアな環境で働く保護者もいます。
「差別は見えないものへの不安から生じる」という面もあります。
不確定な情報が飛び交っているなかで、学校が的確な情報とともに、科学的な情報(たとえば「感染させる可能性があるのは発症日か検査日の〇日前」など)を伝え、冷静な行動変容をうながすならば、「人権を尊重してください」という呼びかけもスッと届くのではないでしょうか。
感染症への対応は、行政だけではできず、市民が事態を認識しみずから適切な判断をすることがどうしても必要です。
生徒や保護者に結論だけを伝えるのでなく、主体的な行動につながる情報発信が必要であると思います。
もちろん「誰がコロナになった」と個人まで特定できることは言うべきではありません。プライバシー保護が必要です。
また、当事者としては「言ってほしくない」という気持ちもあるでしょう。それだけに、今後の対応のあり方としてどうすべきか、当事者の声も大事にしながら、よく話しあう必要があると思います。
「生徒や保護者に、何が不安だったか、どうすればより良い対応ができたか、アンケートを行ってはどうか」と求めました。
少し意見の分かれる課題だと思いますが、どう思われますか?
首長はひとりですが、議会は何人も議員がいます。議員がいろんな角度から積極的に意見を述べ、よりよい市政となればと思います。