アメリカ最高裁で「同性婚は憲法上の権利だ」という判決が出ましたね。
認める認めへんとか、いいとか悪いとか論じる自体がなんだかなあと思っていました。この判決を機に「どう共にやっていくか」という段階に進んだらいいなと思います。
6月議会で、男女共同参画についての質問のなかで、セクシャルマイノリティへの対応について質問したので、報告しておきます。(私のしゃべりは全文、答弁は要旨)
小原:
本市の(男女共同参画)条例の画期的な点は、国や府(の法律や条例)が「男女」としているところを、「男女の性別にとどまらず、性同一性障がいを有する人、先天的に身体上の性別が不明瞭である人その他のあらゆる人の人権についても配慮されること」としていることです。
条例制定のときは、すべての会派がこの点を評価をして賛成討論を行いました。
文科省はこの4月30日、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を発し、当事者への調査をふまえて、学校に組織的な支援体制、各場面でのきめ細かい支援などを求め、教育委員会には助言や研修による教職員の資質向上を求めました。
また同時に、この取り組みは性同一性障がいだけではなく、「性的マイノリティである児童全般」を対象とすべきとされたところです。
民間団体「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」は、東京都の補助事業の一環で、学校における性的マイノリティ当事者のアンケートを行い、7割がいじめにあい、うち3割が自殺を考えたという深刻な結果を発表しています。
そこでお尋ねします。学校や教育委員会および市役所において、性的マイノリティへの理解を促進するための研修や支援体制をつくるための取り組みをどのように進めるか、お聞かせください。
企画部長:
昨年度は男女共同参画推進本部研修として、LGBTをテーマに職員研修を実施。今年度は女性交流支援センターが啓発講座を実施する。
教育長:
文科省の通知は各学校に周知した。中学生に配布している男女共同参画啓発冊子で、「体の性と心の性が一致しない人がいること」「みんなが自分らしく生きる大切さ」など触れている。府教委発行の教職員人権研修ハンドブックに「性同一性障害の理解を深める研修例」がある。学期に1回の「いじめアンケート」や相談体制の充実をはかっている。
小原:
あわせて、本市の条例における「あらゆる人」というのは、性同一性障がいや性別の不明瞭な方だけでなく、同性愛者や両性愛者などのような、「男女」のカテゴリには入るもののジェンダー意識を背景に苦しんでいる性的マイノリティの方も念頭においているのかどうか、確認しておきたいと思います。
企画部長:
条例制定時のパブコメで、性的指向の概念を追加する意見があり、その趣旨をふまえて性的少数者を含むものとしている。
小原:
性的マイノリティに明確な境界線はなく、必要な支援というのも一律にはできないことを、文科省の通知ものべています。
しかし共通して言えるのは、「クラスに一人」くらいの割合で当事者が存在しているにも関わらず、そのような人の存在が学校社会や地域社会で想定されておらず、「ない」ものとされていることが、困難の一つであることだと思います。
本市はこれまで、不必要な性別記載を見直すことや、当事者の講演会などを行ってきていますが、大事なのは当事者にこちらの姿勢を示す「見える」取り組みを行い、本市や学校が性的マイノリティの方にとって相談したり要望したりできる相手だと思ってもらうことではないでしょうか。
当事者に見える取り組みについて、見解をお聞かせください。
企画部長:
窓口対応や人権意識の高揚に努めている。女性交流支援センターがすべての人が性別にかかわりなく尊重され相談できる場にしていく。
以上。(実際は一問一答ではないので、ひととおり小原がしゃべったあとに行政がしゃべっています)
こだわったのは、市の目線が「すべてのセクシャルマイノリティ」に向けられることを確認することです。
文科省の通知も、まず「性同一性障害」から入って、その他のセクシャルマイノリティはおまけのような書き方です。
長岡京市の男女共同参画関係の文章でも、「性同一性障害は、性的少数者と位置づけられる。」というのがいくつかあり、これでは性同一性障害だけを対象にしているように見えます。
しかし「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)」と言われる(ほんとうはもっと多様ですが)なかで、性同一性障害というのは「T」のまた一部です。
行政として、書類で性別欄をなくすとか、そういう対策はされつつあります。しかしそれだけでは、行政がセクシャルマイノリティに対して何かしようとしているふうには見えません。
なにができるかなんてわからないけど、まず行政として、あなたの存在を知っていますよと。あなたの声を聞きたいと思っていますよと。それをあえて言わなければ、相手には姿勢は伝わりません(そのとき、限定的ではなく広い定義のことばで言うべきです)。
渋谷区のパートナーシップ条例とかが、どれほど実効性があるのかわかりませんが、少なくとも行政のやる気は見えます。長岡京市も、せっかく画期的な男女共同参画条例があるのですから、市長を先頭に「見える」とりくみが進むことを願います。
市長も私の質問をきっかけに条例をあらためて読んでくれたそうです^^さあ、これからや~♪