旅の最中の寿司カウンター体験をご紹介しよう。かつては寿司屋のカウンターに座り、食後シェフからその街の見どころを入手するのも旅のノウハウの1つであった。が、現今は握っている寿司職人さんは日本人でないことが多いので用をなさない。アメリカ42州以上、行く先々で寿司を試した。種類は海苔巻など変化に富んだ巻き方がみられるが味が問題だ。酢分が無いか、あっても殆ど感じられない。アメリカ人客へは飯を大きく、載せる魚は薄くてもよい、とある職人さんが教えてくれたが日本人にはその逆でないと駄目だろう。日本人の食べるものを観察し意見を求める人がいて、カウンターでの異文化交流が花咲いたものだ。つい先月もコロラドはボルダーの郊外、日本人経営の寿司屋Nのカウンターで創意あるにぎり寿司を食べながら会話が盛り上がった。シェフの2人は日本人、飯が少なくマグロの切身厚く、両サイドが皿にへばりついている。包丁の切込みが美しいイカの寿司に客のアメリカ人が日本語で「芸術的ですね!」と言ったので皆が笑った。イカの芸術に感動した彼は、「東京に行って本場の寿司を食べたい!」と。彼は絵の先生だったので筆者は多文化アートの話で交流した。十数年前、日本の皇族がお忍びで立ち寄り物議をかもした寿司屋さんと聞いた。イカの話の余談だが、南米最南端ウシュアイアのレストランで食べたイカ飯の美味しさは忘れられない。寿司も刺身も魚料理の代表として世界のクィジンになったと考えてよいだろう。カウンターで仲良くなった外国人さんたち、異文化食挑戦も多文化共生の出発点です。再会楽しみ!(自悠人)
写真1,2,アルメニア美人の寿司シェフさんたち 3.アルメニア・コニャック、アララトと出来立ての握り寿司の組み合わせ最高!4.南米アルゼンチンの最南端ウシュアイアで、南極に行く船を窓から眺めながら食べたイカ飯も美味だった!