あけぼの

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白薔薇と善意に満たされた旅  完

2008-12-13 01:05:39 | アート・文化

インガ・ピルカというのはエクアドル最大の遺跡、海抜3500Mにありマチュピチュを小規模にしたような感じだがなんとも長閑な雰囲気だ。インカの石工術や楕円形の宮殿跡は一見の価値があるが入場料は外人値段で16ドル。ここではインディヘナのホステル兼レストランに泊まった。素泊まり一泊17ドル。清潔とは言えなかったが15歳の女の子Guado  Lupeがかいがいしく部屋も紹介し、夕食も作ってくれた。父は亡く母は働きに出ており、彼女がホステルもレストランも受け持っているのだ。料理は素早く、味もよかった。けなげなこの少女にありあわせのもをプレゼントした。翌朝はバスが出るまで見送ってくれたが感傷が止まなかった。インカの衣装を身に着けたちっちゃめの少女、グァド・ルペ。日本ならまだ「勉強!勉強!」と言われ、勉強さえすれば何でも許されている年頃だ。

16世紀で時が止まったようなクエンカの町と、キトのセントロ(Old Town)の魅力は短い紙面には書ききれない。近々の更なるエクアドル訪問を我々に決めさせたことがエクアドルの魅力を物語るだろう。なお、旅行中のほとんど宿は中クラスか中の下のホステルを選んだ私たちだが大抵の宿でアメリカと日本のEmailに対応でき、時代の変化を感じた。最初と最後の日はヒルトンで過ごした。1991年以来終生会員「H Honor Member」であり、リーゾナブルな費用でクラブ・ルームに泊まることが出来た私たちが、ヒルトンも不況の波を受けてかH Honor Member 制をあと一年で中止する、と突然の手紙が来ていた。というわけでヒルトンはもうこれで最後になるかもと思いつつ奮発した。部屋には大量の白薔薇が活けてあった。ハッピー・アワーも朝食バフェも見渡す限り良い食べ物が並べてあった。白薔薇はシンシナティに持ち帰り今もドライフラワーとしてテーブルを楚々と飾り、エクアドルであった人々を思い出させる。完(彩の渦輪)


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