私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 




Guide des instruments Baroques
RICERCAR RIC 93001A - C
演奏者:Ricercar Consort

ここで取り上げられている楽器は65種類にも及び、CDには53曲が収められている。例えば、1枚目のCDの始めの曲は、ヴァイオリン4,バス・ヴィオール4、ポジティブ・オルガンの演奏によるダヴィッド・ポーレの8声のソナタ、2枚目の冒頭の曲は、アンドレ及びジャック・フィリドールの4っつのティンパニーのための行進曲と言った具合である。添付されている150ページの小冊子には、写真や図版入りで楽器の詳しい解説が仏、英、独語の3カ国語でされている。
 珍しい楽器の一例を挙げれば、たとえば、トロムバ・マリーナ、直訳すれば「海のラッパ(トランペット)」、実際このCDに収められている演奏を聞いても、金管楽器、ミヒャエル・ハイドンの「おもちゃの交響曲」に使われているおもちゃのラッパのような音がするが、実際は、弦を弓でこすって演奏する擦弦楽器である。振動する弦が何かに触れてそのように響くようであるが、極めて特徴のある音色である。
 また、現在ではヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなどヴァイオリン属に集約された擦弦楽器も、バロック時代にはヴィオール属の楽器がまだ多く使われていた。このCDではそのヴィオール属の様々な楽器の演奏を聴くことが出来る。チェンバロやオルガンでは、その国や時代で異なる様々な楽器の音が聞ける。
 RICERCARは、ベルギーのレコード会社で、オリジナル楽器による演奏で広いレパートリーを持っているが、このCDは同社が所有する幅広い音源を利用して、このような企画を実現することが出来た。それでも自社には無い楽器の演奏例は、他社から音源の提供を受けている。
このような素晴らしい企画のCDであるが、発売されてからかなりの年月が経っており、RICERCARのウェブサイトで見ることが出来るリストには含まれていない。筆者が購入したのは約10年前なので、残念ながら新品の購入は難しいかも知れない。

発売元:RICERCAR

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