身心(しんじん)を脱落させし人の横 落とし物らも草に寝ている 薬王華蔵
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こういう短歌を作ってみた。禅宗でいうところの身心脱落(しんじんだつらく)だから、この人は悟りを開いた後に、悟りのお後を大切にして行脚をしている雲水さんだ。ちょっと旅の疲れが出て休憩中か。
草に寝ているのは、落とされた物、つまり身と心の方だけど。身心を落とし主(あるじ)は、まさか、その隣でそれが寝ているなどとは思いもするまい。
5月の空がよく晴れている。新緑の山々が続いている。落とし主と落とされた落とし物とがそれを仰いでいる。いい気持ちになっている。椎が花をつけて真っ白い。夏鳥の子規(ホトトギス)が甲高く鳴いている。
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