「阿字の子が阿字のふるさと立ちいでてまた立ち返る阿字のふるさと」
今日は親戚の3年忌法事に出掛けて行った。読経が終わった後でお坊さんの説法が続いた。お坊さんは真言宗のお坊さんである。上の句が耳に残った。
阿字とは何を意味しているか。辞書をひもどく。
阿字:梵語の第一字母。密教で、「阿」字万物の根源であり、不承不滅の原理を象徴的に表現するとされる。
「阿字のふるさと」とは大日如来の仏国土のことである。大日如来は梵語でバイローチャナ、摩訶毘盧遮那仏。光明遍く照らす仏界のことだ。阿字の子とはわれわれだ。われわれは「故郷を立ち出て」何処へ行ったか。こちらの世界へ来たのである。すなわち此処へ生まれて来たということだ。「また立ち返る阿字のふるさと」とは、こちらの世界を死んで仏界にふたたび帰って行くことだ。
われわれの命の根源は仏界である。そういうことだ。他に何処へも行けない。そこを出て物質世界の娑婆世界で修行をする。ここが一番障碍が多い。障碍が多いので摩擦熱を出す。ここで魂が錬磨される。錬磨されて光輝く。光輝く命だと言うことを実証してふたたび仏界へ戻ってくる。そういう図式だ。他には行けない、大日如来の仏界を行ったり来たりするだけの話なのだ。不安はない。安心していることだ。
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