如風於空中 一切無障礙 妙法蓮華経「如来神力品」より
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にょふうおくうちゅう いっさいむしょうげ
風の空中に於いて一切障礙なきが如くあらん
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「はい、風のようであればなにごとにも障礙するとこころはございません。すいすいすいと吹いて渡って超えて行くばかりでございますから」「ですが、わたちたちは風ではありません。風ではありませんから、そうはいきません。そこに滞ってばかりでございます」「では、解決がないのだろうか」「いえ、あるのでございます」「こころを風にすればいいのでございます」「こころを空（そら）にすればいいのでございました」「こころの空にはこころの風が吹くことができます」「風であるから渡って超えて進んで行くことができるでしょう」「その通りです。あなたは風になりなさい」「あなたは空になりなさい」「無障礙をあなたの自在とすることができるでしょう」
秋の空が広がっていた。澄み渡っていた。さぶろうは幾人かの法華行者と仏陀の声を聞いた。いままさに妙法蓮華経如来神力品が説法されているところだった。
山田 錦（harunosuke555)