十方法界の土地草木牆壁瓦礰皆仏事を作す 禅宗経典「修証義」より
じっぽうほっかい の とち そうもく しょうへき がりゃく みな ぶつじ を なす
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皆それぞれ相手を生かしながら生きていることができるので、仏陀に等しいのである。仏陀に等しいのであるから、十方は法界仏界となっているのである。しかも彼らは無為であり無作(むさ)であって、常時に菩提心を発している。甚だ妙不可思議というよりない。
大地は草や木を生やす。木や草は大地を肥らせる。小石は川床となり、川床は小石を列べて平らかになる。垣根も壁も瓦もそこにあってそれぞれの大事を果たして、互を利益(りやく)して止まず。互を慰めて止まず。励まして止まず。褒めて止まず。
いわんやわれわれ人間をや。己を無用として蔑むなかれ、また一人高し尊しとして驕るなかれ。皆おのずからに仏事を作す。
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草も木もおのずからなる仏陀かな 草の仏陀が木の仏陀見て 釈 応帰
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