<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

そのラストの銀杏のみの落ちる微かな音を聞きたい。歩く人間の足ども、音立つるべからず。

2020年12月27日 17時54分38秒 | Weblog

音立つるべからず 銀杏(ぎんなん)音立つる   山鳩暮風

これはわたしの書いた俳句の作品。落選していた。

季節が秋を迎えてイチョウの木に銀杏が実る。やがてイチョウの葉がもみじして落ちて、根株周辺をやわらかな絨毯にする。敷き毛布にする。そこへ銀杏が落下する。銀杏は着膨れているから大きな音は立てない。風が吹く。落下が忙しくなる。風が止む。落下の音が消える。静寂が訪れる。そこへ一つ新しい音が上がる。遅れて1個の銀杏が落ちて、これで一年の暮れとなる。

そのラストの銀杏の音を聞きたい。ひそやかに落下する音をひそやかにして聞いてみたい。散歩を楽しんでいる人間ども、足音立てるべからず。

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