音立つるべからず 銀杏(ぎんなん)音立つる 山鳩暮風
☆
これはわたしの書いた俳句の作品。落選していた。
☆
季節が秋を迎えてイチョウの木に銀杏が実る。やがてイチョウの葉がもみじして落ちて、根株周辺をやわらかな絨毯にする。敷き毛布にする。そこへ銀杏が落下する。銀杏は着膨れているから大きな音は立てない。風が吹く。落下が忙しくなる。風が止む。落下の音が消える。静寂が訪れる。そこへ一つ新しい音が上がる。遅れて1個の銀杏が落ちて、これで一年の暮れとなる。
そのラストの銀杏の音を聞きたい。ひそやかに落下する音をひそやかにして聞いてみたい。散歩を楽しんでいる人間ども、足音立てるべからず。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます