為すよりも為さざることを老いしわがこころざしとせむ年の初めに 佐賀市 八坂孝純
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これは本日の佐賀新聞読者文芸入選作。共鳴が起こった。八坂さんはわが尊敬する歌友。清廉な人柄だ。
足し算よりも引き算が我が身に似合うようになってくる、それが老いかもしれない。あれもこれもは重たい。重いものをあれこれ抱えていると膝が笑ってしまう。減らして減らして行くのが賢明である。しないでいいことはしないでいよう。するべきことが減らせないのなら、しないでいいことはしないでおこう、できるだけ。そう思う。若い頃のような欲心は起こさない。もう起こせなくなっているのだろう。欲心を抜いて体重が軽くなればその分遠く散歩も出来る。
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欲心を削げば老いさき軽くなり野が遠くまで誘いかけ来る 李 白黄
あれもしたいこれもしたい。死ぬまでに少しくらいはいいこともしたい。人助けもしてみたい。扱いやすい老人だと褒められてもみたい。そうだろうがあれこれは身が持たない。もういいじゃないか。身の振りお構いなしでいいじゃないか。そろそろそういうことは棚上げにして老い先を天空にあずけてしまうという手がありそうである。
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