「なんじ仏陀たれ」
A:わたしがここでいますぐに仏陀に成る?
B:おまへになれるはずはなかろう。
A:だが、仏陀が命令をしているのだぞ。
B:仏陀になれるのは仏陀であって、おまへではない。
A:わたしが仏陀にならないのならば、仏陀は仏陀にはなれないのだ。
B:仏陀におまへを仏陀にするその威力神力があるというのだな。
A:そうだ。それを信じるのだ。わたしを仏陀にする力があるということを信じるのだ。
B:信は行を伴うのだぞ。信の証明は行なのだぞ。実行を以て初めて信が生きるのだ。
A:その通りだ。だから、これは傲慢ではないのだ。その誹りは当て嵌まらないのだ。
B:それは怪しい。傲慢が過ぎた考えではないのか。
A:わたしが仏陀になることを仏陀はよろこぶであろう。わたしが仏陀に成らないことを仏陀は悲しむであろう。
B:これも怪しい。仏陀はおまへを喜んだりはすまい。
A:明るい者は仏陀だ。徹底して明るい者は仏陀だ。仏陀はそれゆえに光である。無量光である。光は智慧である。仏陀の智慧は徹底して明るいのだ。
B:おまへの言うことを受けてやろう。だが、おまへは明るさを失わないでいられるか。明るい仏陀を何処まで演じられるのか。いつまでそうしていられるというのか。
A:すぐに明るさは失われるであろう。その通りだ。だから、いまのいま、1分だけの明るい仏陀だ。しかし、これは仏陀とは言えないな。たしかにそうだ。
B:ずいぶん引き下がったな。
A:わたしは1分だけの仏陀である。よって1分だけの間、明るくしていられる。こう訂正をしよう。
B:そんな期限付きは仏陀ではあるまい。
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