月見草月を見てをり月も目を離さなず 夜は相思のあわひ 薬王華蔵
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AがBを思う。BがAを思う。愛情を抱いて。これで相思の間柄となる。これがワンセットである。月見草と月もこの間柄である。互いに目を見ている。相手から目をそらしていない。相思は夜中続く。人になぜ夜があるか。夜は昼間の相思を反芻して深める時間(あわい)だからである。
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地球にいのちをもらって生まれて来たのだから、人を憎んではならない。人を憎む度にこころに冷却装置が働き出す。体温ならぬ心温が下がってしまう。凍り付く。固まった固体になってしまう。生きている間は人を思うべきである。死ぬ間際まで人を思うべきである。会いたい人を持つべきである。守りたい人を持つべきである。人を思うと心温は逆に上がる。あたたまる。あたたまって液体になる、そしてとうとう気体になる。
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