<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

もういい もういいよ もう沢山だよ

2017年04月15日 05時08分44秒 | Weblog

もういい。もういいよ。もう沢山だよ。思い出したくもない。

僕の捨て台詞である。一人でぶつぶつぶつぶつ泡を吹いている。蟹の穴を出たり入ったりしながら。そして最後にこう締めくくる。

人生は終わったんだよ。

すべては過ぎ去ったことなんだよ。良いも悪いもなかったんだ。

べっとりくっついている毀と誉と褒と貶のペンキ。そんな色なんかついてはいなかったんだ。そのときには着色されていたけれど、過ぎてしまえば、みんな無色透明。無評価だったんだ。

そこにないものを有るとして来たけれど、それに拘って来たけれど、色付けに苦心をしたけれど、もういい。もういいよ。もう沢山だよ。

船は港を出て行こうとしている。この世の桟橋を渡り終えた者の目に映っているのは、赤い空と白い夕月である。

手にしたものはない。あの世に携えていくものはない。何にもない。有ると思って精々、精魂を傾けて来たけれど、何もなかった。

これでよかったのである。

失って行くだけである。見失って行くだけである。これには訳がある。新しい目で見る時が来ようとしているからである。

新しい目が与えられて行くだろう。然り。新しい目が与えられて行くだろう。

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