この世に生まれてきたのは、そこが出口だったからだ。トンネルの出口を出たから、そこが、入り口にもなっている。この世に出て来たその出口は、しかし、入り口でもあったのだ。
死んでいく瞬間はこの世の出口でもある。そこを出て行くと「中有」というところに来る。そこを出る。すると生まれて来る。誕生が果たされる。
この世に赤ん坊として生まれて来る瞬間は、だから中有を死んだ瞬間でもある。
死は生なのだ。新しい生なのだ。死が生を産み付ける。生が死を産み落とす。これで波になっている。波は進んで行く。
フランスの国境を出ると、そこはドイツの国になっている。陸続きなのだ。連綿として続いているのだ。ずっとずっと導かれて行くのだ。
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