<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

鹿の子ユリ

2008年04月09日 20時21分44秒 | Weblog
たかだかユリである。野に咲く鹿の子ユリである。それを見つめている。たっぷりたっぷり見つめている。こんなにたっぷりひたすら見つめていたら、ユリは意識を回復するかもしれない。そして、恥じらうかもしれない。恥じらいは嬉しさの表現である。ユリは裸ではいられなくて、ワンピースをまとうだろう。帽子をかぶりたくなるだろう。土を割って生まれてきたユリの草丈は10cmほど。おませは30cmに達したのもある。わたしは遅れているものに応援をする。目で応援をする。たっぷりじっくり見ている。椅子を出してきてそこに腰をかけて賛嘆をしている。「美しいなあ」「きれいだなあ」「しなやかだなあ」「生き生きしているなあ」などと声をかけながら。
ユリでなくとも野原には多くの草が生えているのに、ユリにうつつを抜かしている。ユリはユリでいろいろな種類があるが、もっぱら鹿の子ユリだけにわたしの愛情はこまやかになる。理由はわたしにもわからない。売って金を稼ごうという意図もない。ユリの花園にして人を集めようという魂胆もない。
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