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ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

鵜住居復興スタジアム

2018-08-11 00:18:47 | 能楽の心と癒しプロジェクト
遠野を出ていよいよ最初の活動場所である岩手県・大槌町に到着しました!
 
…とは言っても今夜は大槌町に到着しただけで、本格的な上演活動はあさってから始まります。今日は同地の受け入れ協力者さんにご挨拶し、おいしいお食事をご馳走頂きました!
 
さて大槌町に向かう途中にも、いくつか震災以来見守り続けてきた遺構のその後を見てきたのですが、今回ぜひともご紹介したいのが釜石市の鵜住居(うのすまい)地区に完成なった「鵜住居復興スタジアム」です。
 
釜石市の中心部からは少し北上した場所にある鵜住居地区ですが、ぬえらプロジェクトは何度か被災旅館での活動を行いました。はじめて当地を訪れたのは震災の年の年末。この時は宮城県と比べて、岩手県の復興は半年遅れているな。。と感じたものですが。
 
ところがその後、ぬえが見てきた限りでは岩手県の復興は どんどんと進められました。防潮堤問題ひとつとっても、岩手県では「作るべきところには作る。不要と住民さんが決断したところは建設を諦めて潔く撤退する」というように、ぬえの素人目ながら、ブレない基準をもって貫き通して、震災から7年目の、それにふさわしい復興が進められてきたのだ、という実感が感じられます。
 
さてこの鵜住居復興スタジアムですが、2~3年前にはじめてこの計画を聞いた ぬえはビックリ仰天でした。なんせ。。実際に津波が襲って被災した小中学校の建物を取り壊した、その跡地にスタジアムを建設し、東京オリンピックの前年。。つまり来年に日本で行われるラグビーのワールドカップの試合会場に誘致しよう、というのですから。
 
そして。。その後この計画は実現し、つい先日、テレビのニュース番組でスタジアムの完成が報道されました。
 
まさか、の展開。ぬえもこの機会にスタジアムを見に行ってみました。
 
ふうむ、すごいなあ。
正直言って、東京のスタジアムのような壮麗はないのだけれど、あの学校跡地がこうなるとは。。
 
そのスタジアムが震災当時どうなっていたのか。
ここで ぬえが2011年の終わりに撮影した画像をお見せしましょう。
 

 

 


「○」「スミ」は生存者の捜索作業がすでに完了した場所であることを、後続の捜索隊に知らせるために書かれたサインです。

。。これほどひどい状況だったのが、いま外国人のサポーターをゲストとしてお迎えしてワールドカップを開催する施設に変貌を遂げる日が来るとは。。
 
ちなみに、そのとき被災した「鵜住居小学校」「釜石東中学校」ですが、震災当時は日頃の避難訓練が効を奏して いち早く避難して、1名の犠牲者も出さなかったそうで、「釜石の奇跡」などといわれました。


それがこれほどに震災後に復興を遂げるなんて。
素晴らしいことです。

悟道の里山

2018-08-09 19:38:54 | 能楽の心と癒しプロジェクト
台風と並走しながら東北に向かいましたが、風も雨もそれほど厳しくはなく、それでも8時間掛かってようやく遠野に到着しました!
 
大槌町での活動は明後日で、明日は現地に入るだけの予定ですが、思うところもあり、また長旅で疲れた様子で現地入りするのもどうかと思うので、さらに1日早く岩手県に入り、今夜は遠野の「悟道の里山」に泊めて頂くことにしました。
 
ここ「悟道の里山」は、石巻のご出身で解体業のほかレストラン経営など多方面で活躍される真野孝仁さんが震災の犠牲者の慰霊の意味を込めて遠野に建設された施設で、誰でも拝礼できるように わざわざ無宗派として建立した寺院を精神的な支柱にして、この地方独特の「曲り家」(の形式の巨大な建物)を中心に、森あり、池ありの広大な施設です。
 

 
真野さんは震災当時にバイクを駆って石巻市内の在宅避難者の救済に当たったりの奔走をされたそうですが、その後この施設を建設され、この日は久しぶりにお会いできるかと思ったのですが、なんと広島の豪雨の被災地に行っておられるとか。。残念。
 
さて昨年の開山式には ぬえも奉納上演させて頂きましたが、鎮魂のための施設にとどまらず、文化の発信基地として いろいろなイベントも行われています。
 
その「悟道の里山」が来月に1周年を迎えるそうです。
 

 
あいにく ぬえはこの日は東京で舞台があり参上できませんが、真野さんとは「いつか石巻で鎮魂のための本格的な能楽の上演をしよう!」と話し合っております。
その日が来ることを心から願って、今日はここに鎮座された仏さまに手を合わせて、ありがたく投宿させて頂きます。

大槌町へ

2018-08-09 11:14:25 | 能楽の心と癒しプロジェクト
3.11に名取市・閖上を訪れて以来、久しぶりの東北地方支援活動に出発しました。お盆ですもん。
 
。。が、まさかの台風と並走しての北上になるとは。。
またしても「嵐を呼ぶ男」になってしまうのか。(←迷惑)
 
それにしても。。
 
常磐道で福島県・楢葉や大熊・双葉あたりを走りながら周囲を見ると。
原野と化した田畑。。
扉や窓も失われて廃墟となった家屋。。
草原にポツンと滑り台やブランコが立つのは小学校の校庭か。。
 
あれから7年半。
長崎の原爆の日に、「罪の深さ」を思う。。

『一粒萬倍』ロサンゼルス公演(その10)

2017-02-15 18:54:49 | 能楽の心と癒しプロジェクト
翌1月16日(月)、この日はロサンゼルスのリトル・トーキョーにある曹洞宗の寺院「禅宗寺」さんにて東日本大震災の鎮魂法要が行われ、ぬえのほか 望月さんをリーダーとする地元の邦楽囃子のみなさんが奉納出演することになっていました。

でも開式が午後だったこともあり、厚子さんが早めにホテルに来てくださり、法要の前にしばしの観光を。。

厚子さん、昨日「ハリウッド・サイン」を間近に見れる場所を見つけられなかったのが悔しくて、地元在住の名誉を賭けて(?)ベスト・ビューポイントをリサーチして来られたようです。責任感が強い、というか、猪突猛進型というか(笑)。昨日も開演前のコンサートホールで後ろの席のお客さんに記念写真の撮影を頼んで、「あ、これじゃダメ。撮り直してくださいー」とか言ってたっけ。お隣の席の人にはスマホで「一粒萬倍」の動画を見せてました。こういう「押し」の強さがこちらでお仕事をするには必要なのでしょうね。

おかげさまで、なんと間近で「ハリウッド・サイン」を見ることができました! 厚子さんも初めて来た場所、とのことでしたが、リサーチ完璧です。ひゃー観光できたー。





さて禅宗寺さんがあるリトル・トーキョーは前日に行ったコンサートホールからも近いダウンタウンの中心部にありました。創建は古く1922年といいますから日本では大正11年! 禅仏教の教えを広めるとともに、茶道・日本語・写経・パソコンなどの教室を開いたり、もちろんお盆・節分・花祭りなどの日本の伝統行事を執り行ったりと、いくつかある当地の寺院とともにロサンゼルス在住の日本人の精神的支柱となっているようです。

ぬえら「能楽の心と癒やしプロジェクト」の活動を知ったご住職の小島秀明さんのお計らいで、この日は本来お寺はお休みであったにも関わらず、ぬえの滞在スケジュールに合わせてこの日に東日本大震災の鎮魂法要が営まれることになり、ぬえも個人というよりはプロジェクトとして奉納出演させて頂くことと致しました。プロジェクトとして初の海外での活動です(!)





ぬえにとっては「一粒萬倍」公演への出演と並ぶ重要行事で、このため日本で準備を進めてきました。開演前に上映して頂くために、プロジェクトの活動の映像を用意し、今回はそれだけではなく震災直後の被害状況を伝える映像も用意しました。

崩れた建物の映像はかなりショッキングかもしれませんが、震災の記憶が風化しつつある現在ではこういう映像を見て被害の追体験をして頂くのは大切なことであろうと思います。まして日本から遠く離れた外国の地で伝えるためには。そして、当地に在住の日本人の方々にとっても、母国で何が起きたのかを より実感をもって知る機会となれば、と考えていました。

。。が、松浦さんを通してご住職からのご意見もあって、日本人だけでなくアメリカ人の参列者もあるため、映像には彼らが理解できるよう英語のキャプションをつけることになって、ひいひい言いながらその準備も。。

お寺にはプロジェクターも巨大なスクリーンも備え付けられていて、映像の上映の条件は最高に整っていました。ご住職の法要には出演者も参列させて頂き、その後望月さん率いる邦楽囃子の奉納、ぬえの「羽衣」の奉納と続きました。画像がなくて申し訳ありません。。





ご住職から事前に「能は初めて見る人も多いので、終演後に解説があると良いです」と申しつかっておりましたので、みずからも太鼓奏者であり 浅野太鼓さんに本拠を置くLos Angels Taiko Instituteの校長でもある加藤雄太さんの通訳で能について簡単な解説もさせて頂きました。

が、ここで ぬえはどうしてもアメリカ市民に語りかけたくて、最後だけ自分の言葉で話させて頂きました。

それは震災直後のアメリカ軍の活躍について、ぜひ 自分の声でお礼を申し述べたかったのです。

ぬえにとっても被災地を最初に訪れたのは震災から3ヶ月が経った時でしたので、震災直後のことは伝え聞いたことが多いのですけれども、それでも初期の避難所で物資が欠乏していたとき、米軍は本当に被災者の助けになっていたそうです。

支援物資はなかったわけではないのです。むしろある時期からは大量に届いた物資のために備蓄場所がマヒするような事態にさえなったのですが。。ところが物資を仕分けする人員や輸送のための車・燃料が足りなかったり、200人が暮らす避難所に199個の物資を持って行っても「平等に配布できない」という理由で断られたり。。行政の硬直したルールも障壁になって、混乱が続いたそうです。

そんな時、住民ボランティアさんが上手に裏から物資を避難所に運び入れたり、という裏技もあったようですが、なんといっても米軍は、避難所になっている小学校の校庭にいきなりヘリで降りてきて医薬品やら衣料、食料といった物資をどんどん運び込んだり。。 日本の法律に抵触するのでは? とも思われる感じでもありましたが、緊急事態の中、そのおかげでどれほどの救援になったか。。場合によっては被災者の命を救った恩人でさえあるのです。

オバマ前大統領が発した「トモダチ作戦」。これと台湾の方々はじめ、日本に手を差し伸べてくださった世界の方々に ぬえはいつかお礼を申したいと思っていました。言葉がうまく伝わったかどうかわかりませんが、今回 松浦さんの尽力でようやくその機会を持つことができ、ぬえの自分の言葉で、自分の声でアメリカ市民にお礼を伝えることができました。ここまで6年もかかってしまいましたねー。。

ところで終演後にはいろいろな方が控室にお見えになったのですが。。 ひとつには岩手の大船渡のご出身で、たまたま震災のときに大船渡に帰っておられ、津波に呑まれそうになりながら生還された方がおられて驚きました。

もうひとつは、なんと世阿弥夫妻の菩提寺である奈良の「補巌寺(ふがんじ)」の住職を勤められたという方がお見えになったことです(!)。そういえば世阿弥は足利義満の影響もあって禅宗に帰依していましたが。。補巌寺の元住職の加藤和光さんがその方で、昭和59年に「世阿弥参学之地」の石碑が建立された当時に補巌寺のご住職だったとのこと。「そうそう、法政大学能楽研究所の表章さんなどが盛んに見えられてねえ」と、懐かしそうに話してくださいました。

その方が。。どうしてロサンゼルスに??

加藤さんは補巌寺の住職を勤められたあと、曹洞宗の先輩に乞われてサンフランシスコにある寺院の仕事のお手伝いをするために渡航されたのだそうです。「食うためにね」。。その後当地で教鞭を執る仕事もされ、大学教授でもあったそう。世の中には驚くべき人がおられますね。

後かたづけもようやく済んで、禅宗寺の小島秀明ご住職としばらく震災のことで意見交換をして、この日は有意義に過ごさせていただきました。

『一粒萬倍』ロサンゼルス公演(その6)

2017-02-07 21:35:57 | 能楽の心と癒しプロジェクト
生け花が完成すると、華やかな衣裳を着たBaliasiさんたち(この人たち、何回衣裳を着替えているんだろう。。)と、幸代さんが率いる振袖を着た女性たちが現れて、俄然 舞台はにぎやかになります。振袖を着た女性たちはロサンゼルス在住の日系の方たちで「稲穂姫」と呼ばれていました。この役は一粒の稲穂が萬倍にも増えたことを祝う神々でもあろうし、それを享受する人間たちの喜びでもあるでしょう。











やがてBaliasiさんと「稲穂姫」のみなさんは舞台を降りて客席も巻き込んでのフィナーレへ。(画像は幸代さんのfacebookページから拝借しました) m(__)m



神から五穀を与えられた人間は、農業をはじめて萬倍の収穫を得、豊かな生活を送ることができるようになりました。この劇は日本では八百万の神々を通した自然への感謝と賛美の劇と捉えられますが、このように外国で上演するときには、人々が手を取り合って喜びを分かち合う姿をもって平和な世界の現出を意図することもできそう。。もっとも、食事が満ち足りれば世界は平和、なんて甘いメッセージは簡単には通用しませんけれど。しかし、童話のようなこの作品なら理想の世界をみんなで夢見ることは可能かも。

さて Baliasiさんと「稲穂姫」が客席から去ると、舞台にぽつんと取り残された生け花。静寂がやってきます。ようやく ぬえの出番だ~

本番の舞台ではここでちょっとしたアクシデントがあったのですけれども、チェロのメイちゃんがあわてず騒がず演奏を始めてくれて、ぬえも登場することができました。

静かに登場した「天の御心」さんは、満足げに生け花を見上げると、五穀の恵みが八嶋の内にあまねく施された事を喜び、治まる世を愛でて舞を奏します。



このあと(地謡はいないので)自分で謡いながら舞ってトメ拍子を踏んで終曲。登場こそチェロの演奏に乗って現れますが、それ以後は能の形式のままで舞っています。

大盛り上がりのフィナーレに引き続いて 急に寂しく能の場面が置かれることについて、昨年の能楽堂公演の際にも関係者の間で賛否が分かれたのだそうで、しかし作者の松浦さんが 最後は静寂で終わりたい、と強く主張してこのような構成になったとのこと。その時も松浦さんからは「ロサンゼルス公演のときはにぎやかなままで終わる方が良いかもしれない」とは聞かされていました。が、結局この度も能楽堂公演と同じように静寂で曲を終える形式になったようです。

しかし能楽堂公演と違うのは終曲のあとにカーテンコールが追加されることで、これは海外公演では必ずやることになりますね。再び音楽がアップテンポで響き渡るのですが、最後に能のシテが登場するところだけは、装束がついた状態で手を振るわけにもいかず、『翁』のように正先で拝をすることにしましたので、その間だけ音楽を止めてもらうことにしました。(画像はあくまでリハーサルのものです。カーテンコールの練習中~w)





無色の能…『六浦』(その4)

2016-11-02 01:17:05 | 能楽の心と癒しプロジェクト

為相の歌「いかにしてこの一本にしぐれけん」にも、ワキの歌「袖の時雨ぞ山に先だつ」にも「時雨」が登場しますが、これは 古人は紅葉というものは時雨によって染められる、と考えていたからで、それも楓の木の下の方の葉から上に向かって順に染まっていくと考えられていました。

能『紅葉狩』に「下紅葉、夜の間の露や染めつらん」と見えるのがその証左の好例です。この場合紅葉を染めるのは時雨でなく露ですが、いずれ湿気が紅葉を染めると考えているわけです。

シテ「げに御不審は御理。前の詠歌に預かりし時。この木心に思ふやう。かゝる東の山里の。人も通はぬ古寺の庭に。われ先立ちて紅葉せずは。いかで妙なる御詠歌にも預かるべき。功成り名遂げて身退くは。これ天の道なりといふ古き言葉を深く信じ。今に紅葉をとゞめつつ。ただ常磐木の如くなり。

前に能『六浦』ではワキがシテの素性を尋ねない、と書きましたが、その場面で書き忘れていたのですが、 ぬえにはちょっと気になる表現がありまして、それはこの場面でも現れるのです。それはシテが言う「今に紅葉をとゞめ」る、という表現なのですが、これは山の木々に先立って色づいた楓が、その故に為相の感動を呼び、自分のために歌を詠んでもらって以来、かえって紅葉することを止めてしまった、という意味。こちらの場面ではそこから一歩踏み込んで、シテは「功成り名遂げては身退くはこれ天の道」という言葉に従って、楓はなお美しい紅葉を誇るのではなく、ほかの木々に譲って自分は紅葉することを止めてしまった、と楓の心をワキに説明しています。

が、ここの「今に紅葉をとゞめ」る、という言葉は、この能を見る観客に「楓が紅葉を止めた」と聞こえるだろうか? という素朴な疑問が ぬえにはあるのです。「とゞめ」る、という語は、単純に考えて「現在に至るまで紅葉の状態でいる」と聞こえるのが普通ではないか、と思えるのですよね。

たしかに古語では「とゞむ」には「止める」という意味合いが強く、「その状態のまま」には「保つ」という語があるわけですが、「止める」には「止む」という語もあり、あえて「中止」を意味するために「とゞむ」を選んだ作者の意図が、もうひとつ ぬえには分からないのです。現代人だからそう思うのかなあ。

こうした いくつかの点から言って、ぬえには『六浦』の作者は、相当に能を作ることに習熟している人なのではないかな、と思えています。能の台本に精通しているからこそ、定型のシテとワキの問答を冗漫と感じて つい省いたのじゃないかしら。

ワキ「これは不思議の御事かな。この木の心をかほどまで。知ろし召したる御身はさて。如何なる人にてましますぞ。
シテ「今は何をかつゝむべき。我はこの木の精なるが。お僧尊くまします故に。只今現れ来りたり。今宵は此処に旅居して。夜もすがら御法を説き給はゞ。重ねて姿を見え申さんと。
地謡「夕べの空も冷ましく。この古寺の庭の面。霧の籬の露深き。千草の花をかき分けて。行方も知らずなりにけり。行方も知らずなりにけり。


こうしてシテは中入するのですが、これまた破格です。ほとんどの能では前シテにある程度の比重を置いて、後シテの登場の必然を演出し、また情趣を深めるために ひとつふたつの地謡が謡う箇所があるものですが、能『六浦』では初めての地謡の活躍場面がこの中入の箇所のみ。それも たった数句で終わりです。まことにあっさりとしていると言うか。。

そのうえ、シテが自分の本性を明かすのに、彼女が現れた理由というのが「お僧尊くまします故に」と、非常にあっさりとしていますね。聖職者だからそれを尊敬して現れたのでしょうか。

。。こう書くと、ぬえは『六浦』の作者が怠慢で、まるで能を作るのに手抜きをしている、また舌足らずで文言を精査したり使う語句を選ぶことに無頓着と言っているように思われるでしょうが、じつは反対で、ぬえはじつは『六浦』の作者は かなり考え抜いてこの能を作っていると感じています。

無色の能…『六浦』(その2)

2016-10-29 00:46:54 | 能楽の心と癒しプロジェクト
相模国六浦に到着したワキ一行は、この能の舞台となる称名寺に出かけることになります。

「着きぜりふ」などと呼ばれている部分で、「道行」である地点に到着したワキが、そのことを見所に宣言し、この地で休らうとか、何か不審な物を見つけて確かめようとするとか、次のアクションを起こし、多くはそれがキッカケとなってシテが登場する場面に繋がるところです。

能『六浦』ではこのところ、ワキのお流儀により大きく演出が異なるところです。このブログでは便宜的に ぬえが属する観世流の謡本に載る詞章を掲載していますが、これは かつて観世座の座付き流儀であった福王流の詞章に ほぼ依っているようです(小異はあることがありますが)。

この詞章によれば

ワキ「千里の行も一歩より起るとかや。遥々と思ひ候へども。日を重ねて急ぎ候程に。これははや相模の国六浦の里に着きて候。この渡りをして安房の清澄へ参らうずるにて候。又あれに由ありげなる寺の候を人に問へば。六浦の称名寺とかや申し候程に。立ち寄り一見せばやと思ひ候。とワキは舞台中央に行き、ワキツレは地謡の前に着座して
ワキ「なうなう御覧候へ。山々の紅葉今を盛りと見えて。さながら錦を晒せる如くにて候。都にもかやうの紅葉の候べきか。又これなる本堂の庭に楓の候が。木立余の木に勝れ。ただ夏木立の如くにて一葉も紅葉せず候。いかさま謂はれのなき事は候まじ。人来りて候はゞ尋ねばやと思ひ候。

となっています。ところがこの部分、東京では最も勢力のある下掛宝生流ワキ方の詞章では次のようになっています。

ワキ「急ぎ候ほどに。これははや相模の国。六浦の称名寺とかや申し候。山々の紅葉今を盛りと見えて候に。これなる庭の楓ひと葉も紅葉せず。ただ夏木立の如くに候。謂われのなきことは候まじ。人に尋ねばやと思い候。
ワキツレ「尤もにて候。


いずれの場合も このあとワキは(下掛宝生流ではワキツレも)脇座の方へ歩み行き、その頃シテも幕を上げてワキを呼び止めることになります。「呼び掛け」と呼ばれるシテの登場の典型のひとつです。

この詞章を読み比べてみると、下掛宝生流の詞章はやや あっさりしているのに対して、やはり全体の詞章も長く、ワキが一人で舞台の中央に立って青葉のままの楓を発見する福王流の演出の方が少しく情趣という面では優れているかもしれませんね。

ところで、ぬえはじつは、この『六浦』という能の詞章には たくさんの不審を持っているのですが、この「着きぜりふ」にもそれを思います。これは福王流の詞章の場合だけですが、これによればワキは「これははや相模の国六浦の里に着きて候。この渡りをして安房の清澄へ参らうずるにて候。」と述べていて、どうもこれは日蓮本人か、日蓮宗の僧であることがイメージされているように思います。

話は脱線しますが、能には『鵜飼』『現在七面』などワキが日蓮であることが想定されている曲があります。「想定」と ぬえが言うのは、それらの能の中でワキが「自分は日蓮である」と名乗る曲がなぜかひとつもないからなのです。これが不思議なところで、これらの曲ではワキは「安房の清澄より出でたる僧にて候」などと名乗っていて、清澄とは日蓮が出家し、また日蓮宗を興した「清澄寺」であることは明白。そしてこの「清澄より出でたる僧」が登場する能は法華経を賛美する趣向で作られており、『現在七面』の話は身延山における日蓮の有名な事績がそのまま題材になっています。

能『六浦』のワキの役柄が日蓮だというのには証拠が乏しいとはいえ、福王流の詞章ではワキが すくなくとも日蓮宗の僧であると想定されていると考えるべきでしょう。

となると、このワキが「又あれに由ありげなる寺の候を人に問へば。六浦の称名寺とかや申し候程に。立ち寄り一見せばやと思ひ候。」と言うのがやや不審ではあります。「称名」寺という以上、この寺が浄土宗であることが想定されるからで、日蓮宗と浄土宗は往時には対立関係にありましたから(これについては実際に ぬえが称名寺に参詣したときに、さらに新たな発見がありました。これについては後日ご紹介したいと思っています)

さて話題を再び能『六浦』に戻して、シテがワキを呼び止めます。

シテ「なうなう御僧は何事を仰せ候ぞ。

「呼び掛け」の定型の型で、シテは幕を上げるとワキの方へ向いて、脇座に行きかかるワキを呼び止めます。能ではシテの登場場面でよく用いられる「呼び掛け」なので、ぬえも何度もこのブログで説明していると思いますが、まことに能舞台の構造を活かした素晴らしい演出であると思います。

見所に突き出た本舞台にいるワキ一行に対して、これを呼び止めるシテははるか左後方の幕の中から声を掛けます。細長く楽屋に伸びる橋掛リをうまく活かして、ワキとシテとの距離感を。。遠くの方から ふと呼び止める感じがまずよろしいです。そうしてシテの姿がこの場面では見所に見えていないというのが また良いですね。ただシテの声だけが先に登場して、その姿はまだ見えない。そのうえ「呼び掛け」で登場するシテは、しばしば幽霊や神仏の化身であって、生身の人間ではないのですよね。そこで演者はあるいは神秘的に、または不気味に、おどろおどろしく、などシテのキャラクターを見所に想像させるように工夫を凝らして発声しています。この一句が能の成否を大きく左右する、と言っても誇張ではないと思います。

シテに呼び止められたワキは足を止め、シテの方へ振り返って応答します。

ワキ「さん候これは都より始めてこの所一見の者にて候が。山々の紅葉今を盛りと見えて候に。これなる楓の一葉も紅葉せず候程に。不審をなし候。
シテ「げによく御覧じとがめて候。いにしへ鎌倉の中納言為相の卿と申しゝ人。紅葉を見んとてこの所に来り給ひし時。山々の紅葉未だなりしに。この木一本に限り紅葉色深く類ひなかりしかば。為相の卿とりあへず。いかにしてこの一本にしぐれけん。山に先だつ庭のもみぢ葉と詠じ給ひしより。今に紅葉をとゞめて候。

活動報告書(2015.04.18~07.15)

2016-04-08 14:38:42 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒やしプロジェクト
第27~29次被災地支援活動
(2015年04月18日~07月15日)


 〔活動報告書〕

【趣旨と活動の概要】

 東日本大震災被災地支援を目指す在京能楽師有志「能楽の心と癒やしプロジェクト」では、能楽の持つ邪気退散、寿福招来の精神を被災地に伝えるべく、2011年6月よりすでに26度に渡り岩手県釜石市、陸前高田市、宮城県石巻市、気仙沼市、南三陸町、女川町、東松島市、仙台市、大崎市、登米市、七ヶ浜町、多賀城市および福島県双葉町の住民が避難していた旧埼玉県立騎西高校避難所にて能楽を上演することによって被災者を支援する活動を行って参りましたが、このたびプロジェクトメンバーのうち能楽チームの八田、寺井は、去る2015年4月18日より7月15日までの間に下記の通り計3度の活動を、宮城県・塩釜市、気仙沼市、石巻市にて行いました。

それぞれの地域においてプロジェクトに協力してくださる方のご尽力により今回の活動が実現しました。関係各位には改めまして深謝申しあげます。(以下敬称略)

【第27次被災地支援活動】

この活動は、塩竈神社の定例の祭典の際に地元・塩釜市の青年団が主催して行われる芸能奉納の催しに参加させて頂いた。塩竈神社には震災の直後からプロジェクトのメンバーは参詣しており、ここでの能楽奉納の希望を持っていましたがなかなか実現には至なかった。この度は塩釜市の市民の方のご協力を得て、ようやく奉納が実現したもの。


【4月18日(土)】

◎「しおがまさま神々の花灯り」公演 18:30開演
主催:塩釜市青年四団体連絡協議会
後援:塩竈市/塩釜商工会議所/塩竈市観光物産協会/塩竃市教育委員会/東日本旅客鉄道株式会社仙台支所/特定非営利活動法人 塩竃市体育協会/しおナビ実行委員会
協力:志波彦神社/塩竈神社/庄子隆弘
会場:塩竈神社舞殿
内容:能「吉野天人」
出演者:八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)

なお、当日は宮司さまより奉納出演した八田・寺井に対して感謝状が贈られ、また上演の様子は河北新報紙にて大きく報道されましたことをご報告申し上げる。






【第28次被災地支援活動】

2015年6月、プロジェクトでは初の災害公営住宅での上演を気仙沼市で行った。避難所、仮設住宅に引き続いて活動の場が新たな段階に入ったことを感じる。が、仮設住宅と比べて住環境は格段に改善されたものの、仮設住宅では無料であった家賃が発生し、数年後には「災害」の文字を外して一般の公営住宅と同じ扱いになるとのことで、そのときにはさらに家賃が増額されるであろうという観測もある。また地域コミュニティを改めて構築するのは難しい面もあり、孤独死など、なお問題は山積している感がある。

引き続いて翌日には唐桑半島の先端に位置する御崎神社での奉納上演をし、さらに気仙沼市の八瀬地区にある月立小学校の旧校舎の前での上演を行った。同小学校の校庭には仮設住宅がありますが集会所はないながら、大変趣のある校舎の前で上演することで、地域の方にも、また仮設住宅の住民さんにも楽しんで頂ける催しとなった。また とくに御崎神社さまには宿泊・食事までご厚志を頂いた。改めまして御礼申し上げる。

【6月18日(木)】

◎「能楽の心と癒やしをあなたに」公演 14:00開演
主催:能楽の心と癒やしプロジェクト
協力:気仙沼市南郷災害公営住宅/村上充
会場:南郷災害公営住宅コミュニティセンター
内容:能「羽衣」
出演者:八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)

【6月19日(金)】

◎「御崎神社能楽奉納」公演 10:00開演
主催:能楽の心と癒やしプロジェクト
協力:御崎神社/菊地隆太郎
会場:御崎神社境内(気仙沼市唐桑)
内容:能「羽衣」
出演者:八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)

◎「能楽の心と癒やしをあなたに」公演 16:00開演
主催:能楽の心と癒やしプロジェクト
協力:八瀬・森の学校/菊地隆太郎
会場:旧気仙沼市立月立小学校
内容:能「羽衣」
出演者:八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)


【第29次被災地支援活動】

2015年7月には これまたプロジェクトとして初となる学校でのワークショップを気仙沼市立大島中学校で行うことができた。

プロジェクトでは「文化の復興」を目的の一つとして掲げているが、このワークショップはその目的に沿う活動のひとつとして特筆される。のみならず、プロジェクトの活動の原点が八田が震災前に参加した宮城県内での学校公演にあったので、学校での活動は悲願でもあった。

大島中学校さまも気仙沼市内~大島へのフェリーの渡航費をご負担頂くなど、大変ご協力を頂いた。また生徒さんたちも はじめての能楽の体験に深く興味を持ち、熱心に取り組んでくれたため、意義深い学習の機会となったと思う。

【7月14日(火)】

◎「大島中学校能楽ワークショップ」 13:05開演
主催:能楽の心と癒やしプロジェクト
協力:気仙沼市立大島中学校/村上緑
会場:気仙沼市立大島中学校
内容:能「羽衣」の略式上演・舞と囃子の体験など
出演者:八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)


また、翌日には石巻に移動して、ラジオに出演、また仮設商店街「石巻立町復興ふれあい商店街」での上演を行った。

【7月15日(水)】

◎「ラジオ石巻」出演 11:00
主催:能楽の心と癒やしプロジェクト
協力:ラジオ石巻
会場:ラジオ石巻スタジオ
出演者:八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)

◎「能楽の心と癒やしをあなたに」公演 14:00開演
主催:能楽の心と癒やしプロジェクト
協力:石巻立町復興ふれあい商店街/石巻市商工会議所
会場:石巻立町復興ふれあい商店街
内容:能「猩々」
出演者:八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)


【収入・支出】

3度に渡る活動でしたが、活動中、また東京での活動資金の寄付もあり、またプロジェクトのメンバーが活動と前後して東北地方での教室運営など経済活動をした場合は交通費も自己負担する、という原則を立てたため、支出面でも、今後のプロジェクトの活動に支障が出るような大きな損失はありませんでした。

プロジェクトの訪問公演の支出につきましては節約を旨としております。交通費節約のため、できるだけ深夜割引の制度を利用して終夜運転をして早朝に現地に到着するなど工夫はしておりますが、体力や公演スケジュールによって、必ずしも深夜走行ができない場合もあります。宿泊につきましては、従来は住民ボランティアさま等のご厚意により無料、または安価での宿泊ができましたが、街が落ち着きを取り戻しつつある昨今では旅館などに宿泊する機会も増えてきました。この場合にも宿泊費はおおよそ5,000円まで、素泊まりを旨としており、食費については酒食の区別がつきにくいため、すべて自己負担としております。

また前述の通り、メンバーが活動の前後に経済活動を行う場合は交通費についても自己負担を原則とする事に致しました(経済活動をする場所から活動を行う場所への移動や、活動のために必要な宿泊はプロジェクトの支出としております)。

【成果と感想・今後の展望】
今回は塩竈神社への奉納、学校での能楽ワークショップ、災害公営住宅での活動と、いずれもプロジェクトにとって記念すべき活動が多くできました。活動の実現にご尽力してくださった関係者に改めて感謝申し上げます。とくに災害公営住宅の建設は震災からの復興のひとつの節目でもありますが、これに伴う新たな問題が生まれていること、防潮堤など被災地がかかえる大きな問題がいまだに残されていることなど、まだまだ被災地からは目を離せない状況が続いています。震災の記憶の風化が叫ばれている現在、被災地がどのような方向に向かっていくのか、今後とも見守っていきたいと考えております。
今回も多くの市民の方々のご協力を賜って活動ができました。改めまして御礼申しあげるとともに、プロジェクトの息長い支援のために今後とも皆さまの変わらぬご支援をお願い申し上げる次第です。

平成28年4月8日


                「能楽の心と癒やしプロジェクト」

                               代表   八田 達弥

                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com

決算報告書(2016.02.13・03.11)

2016-04-06 00:57:41 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第35・36次被災地支援活動
(2016年02月13日・3月11日)


 〔決算報告〕

 【収入の部】
     前回活動繰越金       164,746円
     預金利息               7円       収入計  164,753円

 【支出の部】
  〈活動費〉 14,170円
    ◎交通費        14,170円
     (高速バス             8,920円)
     (釜石~盛             1,080円)
     (釜石~盛             1,080円)
     (タクシー代            3,090円)       支出計   14,170円

 【収支差引残額】                          残額    150,583円

※注※
・今回の収入は前回活動からの繰越金164,746円のほかは預金利息7円があった程度。一方支出については、35次活動は気仙沼市内の仮設住宅での活動であったが、チラシはプリンター出力で間に合うほど少数であったため印刷費が不要だった。また仮設住宅での活動に引き続いて市内小学校の同窓会への出演があり、ここで出演料を頂いたため、交通費は自己負担としたので、プロジェクトとしての支出はなかった。36次活動もチラシ作成は不要であり、また活動場所である釜石市・宝来館より宿泊・食事の提供を頂いたため、交通費のみの支出となった。さらに八田は活動に引き続いて仙台・気仙沼にて経済活動(お稽古)を行ったため、釜石~気仙沼間の交通費のみプロジェクトから支出し、ほかは自己負担とした。
・プロジェクトの活動にかかる支出については節約を旨とし、おおよそ次のような基準を設けている。①高速道路の利用については体力や公演スケジュールも鑑みるが、休日・深夜割引を利用するなど工夫する。②宿泊はボランティア団体や個人宅に泊めて頂くなど節約するが、継続して活動を続けるボランティア団体が減少し、また市民生活も通常の落ち着きを取り戻しつつあることから、現状では旅館等の宿泊施設を利用する機会が増えた。その場合の宿泊費の基準としては、素泊まりとし、おおよそ1人1泊5,000円程度までに収める。③食費については旅行がなくても掛かる費用であること、酒食の区別がつきにくいため、宿泊プランに朝食が組み込まれている場合を除いて参加者の自費負担とする。
・収支差額は今後の活動費用として活用し、支出明細を明らかにする。
・プロジェクトでは従来活動資金を募金に頼っていたが、一般からの募金の減少を受けて、本年より被災地でも有料のワークショップ等を展開している。これらの活動による収益を、仮設住宅への慰問活動や仮設商店街の振興協力などプロジェクトの本来の目的である被災者への直接支援のための活動資金に充当するべく、両者は有機的な関係であるべきであるが、実際にはまだ有料の活動は少数回に留まっている。
・今後も被災地でイベントやワークショップに限り有料の上演を行う予定であるが、会場の条件により募金を募る場合もある。また被災地以外の場所でも活動報告会を開いたり、引き続き企業スポンサーなどを探す努力を重ねたいと考えている。銀行口座への募金も引き続き呼び掛けさせて頂く。消費増税、また高速道路利用料の割引縮小という厳しい状況であるが今後も変わらぬご助力をお願い申し上げる次第である。

 【振込先】三菱東京UFJ銀行 練馬光が丘支店(店番622)普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ

                                           以上
  平成28年3月30日




                           「能楽の心と癒しプロジェクト」
                               代表   八田 達弥
                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com


決算報告書(2015.11.23・26)

2016-04-05 00:49:52 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第33・34次被災地支援活動
(2015年11月23日・26日)


 〔決算報告〕

 【収入の部】
     前回活動繰越金       171,526円
     募金収入             3,000円       収入計  174,526円

 【支出の部】
  〈活動費〉 9,780円
    ◎宿泊費        7,560円
     (石巻市 マイルーム石巻      7,560円)
    ◎印刷費        2,220円
     (気仙沼市 水梨仮設チラシ      640円)
     (石巻市 ふたごの湯・大橋仮設チラシ1,280円)
     (石巻市 ふたごの湯ポスターコピー代 300円)       支出計    9,780円

 【収支差引残額】                          残額    164,746円

※注※
・前回活動からの繰越金171,526円のほか、9月に静岡県伊豆にてイベントを行った際、同地を拠点とする被災地支援ボランティア団体 NPO法人グリーン田方・YAMANEKO楽舎さまに活動場所を提供させて頂いたところ、当日の入場料に当たる金額(1,000円×3名分)を頂き、これをプロジェクトへの活動資金として頂戴した。これにより収入の合計は174,526円となった。一方支出は33次活動が東京都内であったため支出はなし、34次活動については東北地方にて経済活動を行いながらの活動であったため、交通費は自己負担とした。宿泊費については経済活動とは別の日の活動で宿泊はやむを得ないため、プロジェクトとしての負担とし、他にはチラシ印刷費が支出された程度である。
・プロジェクトの活動にかかる支出については節約を旨とし、おおよそ次のような基準を設けている。①高速道路の利用については体力や公演スケジュールも鑑みるが、休日・深夜割引を利用するなど工夫する。②宿泊はボランティア団体や個人宅に泊めて頂くなど節約するが、継続して活動を続けるボランティア団体が減少し、また市民生活も通常の落ち着きを取り戻しつつあることから、現状では旅館等の宿泊施設を利用する機会が増えた。その場合の宿泊費の基準としては、素泊まりとし、おおよそ1人1泊5,000円程度までに収める。③食費については旅行がなくても掛かる費用であること、酒食の区別がつきにくいため、宿泊プランに朝食が組み込まれている場合を除いて参加者の自費負担とする。
・収支差額は今後の活動費用として活用し、支出明細を明らかにする。
・プロジェクトでは従来活動資金を募金に頼っていたが、一般からの募金の減少を受けて、本年より被災地でも有料のワークショップ等を展開している。これらの活動による収益を、仮設住宅への慰問活動や仮設商店街の振興協力などプロジェクトの本来の目的である被災者への直接支援のための活動資金に充当するべく、両者は有機的な関係であるべきであるが、実際にはまだ有料の活動は少数回に留まっている。
・今後も被災地でイベントやワークショップに限り有料の上演を行う予定であるが、会場の条件により募金を募る場合もある。また被災地以外の場所でも活動報告会を開いたり、引き続き企業スポンサーなどを探す努力を重ねたいと考えている。銀行口座への募金も引き続き呼び掛けさせて頂く。消費増税、また高速道路利用料の割引縮小という厳しい状況であるが今後も変わらぬご助力をお願い申し上げる次第である。

 【振込先】三菱東京UFJ銀行 練馬光が丘支店(店番622)普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ

                                           以上
  平成28年3月30日


                           「能楽の心と癒しプロジェクト」
                               代表   八田 達弥
                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com


決算報告書(2015.08.31・09.12)

2016-04-04 00:43:34 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第31次・32次被災地支援活動
(2015年08月31・09月12日)


 〔決算報告〕

 【収入の部】
     前回活動繰越金       133,313円
     募金収入             40,000円
     預金利息          13円       収入計  173,326円

 【支出の部】
    ◎印刷費        1,800円
     (気仙沼市南郷災害公営住宅チラシ  1,800円)       支出計   1,800円

 【収支差引残額】                         残額   171,526円

※注※
・前回活動からの繰越金133,313円のほか、現地活動中に頂戴した募金2件(秋保神社さまより30,000円、同宮司さまより10,000円)があり、また預金利息13円があったため、収入の合計は173,326円となった。一方支出は気仙沼市・南郷災害公営住宅での活動チラシ1点のみである。八田・寺井とも東北地方において稽古日に合わせての活動で、経済活動を行っているという観点から交通費の支出は自己負担としたためである。どちらも宿泊場所を提供頂く、最寄り駅まで送迎して頂くなど関係者に大変お世話になり、その点でも支出は発生しなかった。そのうえ秋保神社では神社および宮司さま個人から活動費を頂戴し、プロジェクトの活動としては珍しく黒字の収支となった。関係者各位に御礼申し上げる。
・プロジェクトの活動にかかる支出については節約を旨とし、おおよそ次のような基準を設けている。①高速道路の利用については体力や公演スケジュールも鑑みるが、休日・深夜割引を利用するなど工夫する。②宿泊はボランティア団体や個人宅に泊めて頂くなど節約するが、継続して活動を続けるボランティア団体が減少し、また市民生活も通常の落ち着きを取り戻しつつあることから、現状では旅館等の宿泊施設を利用する機会が増えた。その場合の宿泊費の基準としては、素泊まりとし、おおよそ1人1泊5,000円程度までに収める。③食費については旅行がなくても掛かる費用であること、酒食の区別がつきにくいため、宿泊プランに朝食が組み込まれている場合を除いて参加者の自費負担とする。
・収支差額は今後の活動費用として活用し、支出明細を明らかにする。
・プロジェクトでは従来活動資金を募金に頼っていたが、一般からの募金の減少を受けて、本年より被災地でも有料のワークショップ等を展開している。これらの活動による収益を、仮設住宅への慰問活動や仮設商店街の振興協力などプロジェクトの本来の目的である被災者への直接支援のための活動資金に充当するべく、両者は有機的な関係であるべきであるが、実際にはまだ有料の活動は少数回に留まっている。
・今後も被災地でイベントやワークショップに限り有料の上演を行う予定であるが、会場の条件により募金を募る場合もある。また被災地以外の場所でも活動報告会を開いたり、引き続き企業スポンサーなどを探す努力を重ねたいと考えている。銀行口座への募金も引き続き呼び掛けさせて頂く。消費増税、また高速道路利用料の割引縮小という厳しい状況であるが今後も変わらぬご助力をお願い申し上げる次第である。


 【振込先】三菱東京UFJ銀行 練馬光が丘支店(店番622)普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ

                                           以上
  平成28年3月30日





                           「能楽の心と癒しプロジェクト」
                               代表   八田 達弥
                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com


決算報告書(2015.08.16~17)

2016-04-03 00:36:07 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第30次被災地支援活動
(2015年08月16~17日)


 〔決算報告〕

 【収入の部】
     前回活動繰越金       160,637円
     募金収入             30,000円       収入計  190,637円

 【支出の部】
  〈活動費〉 57,324円
    ◎交通費        32,044円
     (高速道路通行料         15,770円)
     (ガソリン代            8,074円)
     (ガソリン代            8,200円)
    ◎宿泊費        22,000円
     (気仙沼市 コテージキクタ     22,000円)
    ◎印刷費        3,280円
     (地福寺送り火の集いチラシ     1,320円)
     (女川町運動公園住宅チラシ     1,960円)       支出計   57,324円

 【収支差引残額】                          残額   133,313円

※注※
・前回活動からの繰越金160,637円のほか、現地中に頂戴した募金1件(地福寺さまより30,000円)があり、収入の合計は190,637円となった。一方支出は気仙沼市・地福寺での「送り火の集い」に毎年 音楽家の来演をお願いし、その宿泊費をプロジェクトで負担しているため負担が多い。しかしながら音楽家には出演料がないボランティア出演をお願いしているほか、交通費・宿泊費を自己負担して頂いているため、宿泊費の負担はプロジェクトとしてのせめてもの御礼である。また、これまた毎年同イベントに来演頂いている能楽師・大川典良氏は、東京からの来演なので交通費の負担を申し出ているが、「ボランティアですから」と固辞された。いずれも被災地支援への志の深い方々である。ご協力とご厚志に厚く御礼申し上げる。
・プロジェクトの活動にかかる支出については節約を旨とし、おおよそ次のような基準を設けている。①高速道路の利用については体力や公演スケジュールも鑑みるが、休日・深夜割引を利用するなど工夫する。②宿泊はボランティア団体や個人宅に泊めて頂くなど節約するが、継続して活動を続けるボランティア団体が減少し、また市民生活も通常の落ち着きを取り戻しつつあることから、現状では旅館等の宿泊施設を利用する機会が増えた。その場合の宿泊費の基準としては、素泊まりとし、おおよそ1人1泊5,000円程度までに収める。③食費については旅行がなくても掛かる費用であること、酒食の区別がつきにくいため、宿泊プランに朝食が組み込まれている場合を除いて参加者の自費負担とする。
・収支差額は今後の活動費用として活用し、支出明細を明らかにする。
・プロジェクトでは従来活動資金を募金に頼っていたが、一般からの募金の減少を受けて、本年より被災地でも有料のワークショップ等を展開している。これらの活動による収益を、仮設住宅への慰問活動や仮設商店街の振興協力などプロジェクトの本来の目的である被災者への直接支援のための活動資金に充当するべく、両者は有機的な関係であるべきであるが、実際にはまだ有料の活動は少数回に留まっている。
・今後も被災地でイベントやワークショップに限り有料の上演を行う予定であるが、会場の条件により募金を募る場合もある。また被災地以外の場所でも活動報告会を開いたり、引き続き企業スポンサーなどを探す努力を重ねたいと考えている。銀行口座への募金も引き続き呼び掛けさせて頂く。消費増税、また高速道路利用料の割引縮小という厳しい状況であるが今後も変わらぬご助力をお願い申し上げる次第である。
 【振込先】三菱東京UFJ銀行 練馬光が丘支店(店番622)普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ

                                           以上
  平成28年3月30日
                           「能楽の心と癒しプロジェクト」
                               代表   八田 達弥
                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com




決算報告書(2015.07.13~15)

2016-04-02 00:30:01 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第29次被災地支援活動
(2015年07月13~15日)


 〔決算報告〕

 【収入の部】
     前回活動繰越金       208,170円
     募金収入             3,000円
                      5,000円       収入計  216,170円

 【支出の部】
  〈活動費〉 55,533円
    ◎交通費        41,233円
     (高速道路通行料         18,560円)
     (ガソリン代            7,069円)
     (ガソリン代            7,738円)
     (ガソリン代            7,866円)
    ◎宿泊費        14,300円
     (気仙沼市 民宿崎野屋       4,300円)
     (石巻市 Hotel Hot-Inn       10,000円)       支出計   55,533円

 【収支差引残額】                          残額    160,637円

※注※
・前回活動からの繰越金208,170円のほか、現地活動中に頂戴した募金2件(Paoさまより3,000円、トダさまより5,000円)があり、収入の合計は216,170円となった。また今回の支出は交通・宿泊費のみであったが、全体的にやや高額の出費となった憾みがある。
・プロジェクトの活動にかかる支出については節約を旨とし、おおよそ次のような基準を設けている。①高速道路の利用については体力や公演スケジュールも鑑みるが、休日・深夜割引を利用するなど工夫する。②宿泊はボランティア団体や個人宅に泊めて頂くなど節約するが、継続して活動を続けるボランティア団体が減少し、また市民生活も通常の落ち着きを取り戻しつつあることから、現状では旅館等の宿泊施設を利用する機会が増えた。その場合の宿泊費の基準としては、素泊まりとし、おおよそ1人1泊5,000円程度までに収める。③食費については旅行がなくても掛かる費用であること、酒食の区別がつきにくいため、宿泊プランに朝食が組み込まれている場合を除いて参加者の自費負担とする。
・収支差額は今後の活動費用として活用し、支出明細を明らかにする。
・プロジェクトでは従来活動資金を募金に頼っていたが、一般からの募金の減少を受けて、本年より被災地でも有料のワークショップ等を展開している。これらの活動による収益を、仮設住宅への慰問活動や仮設商店街の振興協力などプロジェクトの本来の目的である被災者への直接支援のための活動資金に充当するべく、両者は有機的な関係であるべきであるが、実際にはまだ有料の活動は少数回に留まっている。
・今後も被災地でイベントやワークショップに限り有料の上演を行う予定であるが、会場の条件により募金を募る場合もある。また被災地以外の場所でも活動報告会を開いたり、引き続き企業スポンサーなどを探す努力を重ねたいと考えている。銀行口座への募金も引き続き呼び掛けさせて頂く。消費増税、また高速道路利用料の割引縮小という厳しい状況であるが今後も変わらぬご助力をお願い申し上げる次第である。
 【振込先】三菱東京UFJ銀行 練馬光が丘支店(店番622)普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ

                                           以上
  平成28年3月30日




                           「能楽の心と癒しプロジェクト」
                               代表   八田 達弥

                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com




決算報告書(2015.06.18~19)

2016-04-01 00:24:27 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第28次被災地支援活動
(2015年06月18~19日)


 〔決算報告〕

 【収入の部】
     前回活動繰越金       209,090円
     募金収入             10,000円       収入計  219,090円

 【支出の部】
  〈活動費〉 10,920円
    ◎交通費        4,740円
     (高速バス             2,000円)
     (高速バス             2,740円)
    ◎印刷費 6,180円
     (チラシ印刷費・南郷公営住宅    1,280円)
     (チラシ印刷費・御崎神社      1,280円)
     (チラシ印刷費・旧月立小学校    3,620円)        支出計    10,920円

 【収支差引残額】                          残額    208,170円

※注※
・前回活動からの繰越金209,090円のほか、現地中に頂戴した募金1件(キクチさまより10,000円)があり、収入の合計は219,090円となった。なおキクチさまよりの募金は八田と寺井にそれぞれ10,000円ずつ頂戴したのだが、出演者の交通費という意味合いで頂戴したものであり、寺井は活動の前日には宮城県内で自身の活動があった一方、活動翌日の舞台のために新幹線をせざるを得ないため、そのまま交通費として頂戴することにした。八田は活動の前後に経済活動があったため、この全額をプロジェクトの活動資金として繰り入れることとした。利用した一方支出では東京での舞台スケジュールの関係から新幹線を利用するほかなく、ハシモトさまからは「今回を以て募金を終了する」旨のお話しを頂いた。震災から3年半に渡りプロジェクトに支援を頂いたのは大変ありがたい事で、重ねて御礼申しあげる。
・プロジェクトの活動にかかる支出については節約を旨とし、おおよそ次のような基準を設けている。①高速道路の利用については体力や公演スケジュールも鑑みるが、休日・深夜割引を利用するなど工夫する。②宿泊はボランティア団体や個人宅に泊めて頂くなど節約するが、継続して活動を続けるボランティア団体が減少し、また市民生活も通常の落ち着きを取り戻しつつあることから、現状では旅館等の宿泊施設を利用する機会が増えた。その場合の宿泊費の基準としては、素泊まりとし、おおよそ1人1泊5,000円程度までに収める。③食費については旅行がなくても掛かる費用であること、酒食の区別がつきにくいため、宿泊プランに朝食が組み込まれている場合を除いて参加者の自費負担とする。
・収支差額は今後の活動費用として活用し、支出明細を明らかにする。
・プロジェクトでは従来活動資金を募金に頼っていたが、一般からの募金の減少を受けて、本年より被災地でも有料のワークショップ等を展開している。これらの活動による収益を、仮設住宅への慰問活動や仮設商店街の振興協力などプロジェクトの本来の目的である被災者への直接支援のための活動資金に充当するべく、両者は有機的な関係であるべきであるが、実際にはまだ有料の活動は少数回に留まっている。
・今後も被災地でイベントやワークショップに限り有料の上演を行う予定であるが、会場の条件により募金を募る場合もある。また被災地以外の場所でも活動報告会を開いたり、引き続き企業スポンサーなどを探す努力を重ねたいと考えている。銀行口座への募金も引き続き呼び掛けさせて頂く。消費増税、また高速道路利用料の割引縮小という厳しい状況であるが今後も変わらぬご助力をお願い申し上げる次第である。

 【振込先】三菱東京UFJ銀行 練馬光が丘支店(店番622)普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ
                                           以上
  平成28年3月30日

                           「能楽の心と癒しプロジェクト」
                               代表   八田 達弥
                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com




決算報告書(2015.04.18)

2016-03-31 00:13:36 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第27次被災地支援活動
(2015年04月18日)


 〔決算報告〕

 【収入の部】
     前回活動繰越金       214,938円
     募金収入             20,000円       収入計  234,938円

 【支出の部】
  〈活動費〉 24,840円
    ◎交通費        24,840円
     (新幹線             10,990円)
     (高速バス             4,930円)
     (高速バス             3,750円)
     (高速バス             4,500円)
     (タクシー代             670円)
  〈雑 費〉
    ◎雑費         1,008円
     (ビデオテープ           1,008円)        支出計   25,848円

 【収支差引残額】                          残額    209,090円

※注※
・前回活動からの繰越金214,938円のほか、現地中に頂戴した募金1件(エンドウさまより20,000円)があり、収入の合計は234,938円となった。一方支出では東京での舞台スケジュールの関係から新幹線を利用するほかなく、ハシモトさまからは「今回を以て募金を終了する」旨のお話しを頂いた。震災から3年半に渡りプロジェクトに支援を頂いたのは大変ありがたい事で、重ねて御礼申しあげる。
・プロジェクトの活動にかかる支出については節約を旨とし、おおよそ次のような基準を設けている。①高速道路の利用については体力や公演スケジュールも鑑みるが、休日・深夜割引を利用するなど工夫する。②宿泊はボランティア団体や個人宅に泊めて頂くなど節約するが、継続して活動を続けるボランティア団体が減少し、また市民生活も通常の落ち着きを取り戻しつつあることから、現状では旅館等の宿泊施設を利用する機会が増えた。その場合の宿泊費の基準としては、素泊まりとし、おおよそ1人1泊5,000円程度までに収める。③食費については旅行がなくても掛かる費用であること、酒食の区別がつきにくいため、宿泊プランに朝食が組み込まれている場合を除いて参加者の自費負担とする。
・収支差額は今後の活動費用として活用し、支出明細を明らかにする。
・プロジェクトでは従来活動資金を募金に頼っていたが、一般からの募金の減少を受けて、本年より被災地でも有料のワークショップ等を展開している。これらの活動による収益を、仮設住宅への慰問活動や仮設商店街の振興協力などプロジェクトの本来の目的である被災者への直接支援のための活動資金に充当するべく、両者は有機的な関係であるべきであるが、実際にはまだ有料の活動は少数回に留まっている。
・今後も被災地でイベントやワークショップに限り有料の上演を行う予定であるが、会場の条件により募金を募る場合もある。また被災地以外の場所でも活動報告会を開いたり、引き続き企業スポンサーなどを探す努力を重ねたいと考えている。銀行口座への募金も引き続き呼び掛けさせて頂く。消費増税、また高速道路利用料の割引縮小という厳しい状況であるが今後も変わらぬご助力をお願い申し上げる次第である。

 【振込先】三菱東京UFJ銀行 練馬光が丘支店(店番622)普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ

                                           以上
  平成28年3月30日

                           「能楽の心と癒しプロジェクト」
                               代表   八田 達弥
                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com