あれやらこれやら いろいろ沖縄

沖縄に住み30数年の県外居住者が見た沖縄の生活や人情・自然や文化、観光。「あれやらこれやら」気ままに。

沖縄の食について雑談 ~食にこだわらない?うちなんちゅう~

2009年02月04日 09時04分33秒 | Weblog
2月2日。春日和に誘われて久方振りに久茂地界隈から国際通りを散策した。
琉球銀行本店の友人と会って、別れた後、いつものようにあてもなくぶらぶらと歩き始めた。
58号線と県庁への通りの久茂地交差点付近からである。
そしてみつけた昔懐かしい「あかさたな」。琉球料理の店。
10年以上も前、同じ通り沿いの見栄橋ビルにいたころ、名前に興味を魅かれて入ったのがきっかけで、昼時には友人や親しい客人を誘ったものだ。
味には好みがあるから満足してもらえるかどうかわからないが、旅人なら喫茶で食べるより「あかさたな」をおすすめだ。本当に美味しい沖縄料理はべとべと、じとじと、ぎらぎらしていない。


 「沖縄は貧乏だから、味の事はとやかく言わない。ここまで食べられればいい」と顎の下まで手のひらをあてて「貧乏県」と「味音痴」を強調する。
小生も沖縄に馴れ初めのころは「さもありなん」と合点していた。
「食事に並んで時間待ちするなんて考えられない」という。
元々、油濃いものは好きではなかったし、肉よりも魚が好みであったから沖縄料理は大嫌いだった、と思い込んでいた。
赴任当時は何を食べてよいかわからなかった。日本料理のうまい店は飛びっきり高いし、すし屋と言っても生きのいい魚を出すところは極く少ない。有名店であっても、入るといきなり生臭い魚の臭いが鼻を突く。
もともと、日本料理店が極端に少なかった。
居酒屋はあっても、「泡盛」と「チャンプルー」が中心。日本酒などがおいてあるのは珍しい。居酒屋自体が少なかった。今日では、そころじゅう居酒屋が林立していて、和風、琉風とあるが、当時は、まだまだ少なかった。
「お前、沖縄料理は嫌いか」
ある友人がスナックのカウンターで聞いてきた。
「嫌いだ。うまい刺身が食いたい、うどんが食いたい」
「気の毒だなあ。おれは沖縄料理、好きだなあ」
と来た。
「単身赴任だろう、毎日どうしてる?」
「自分でやってる。ごはん、みそ汁、海苔それに大根おろし。それに気が向いたものを添える。例えば、メザシ、ハム、卵焼き、てんぷら」
「つけものがないのが辛い。久茂地のすし屋にうまいきゅうりの漬物を出してくれる店がある。漬物食いたさにそのすし屋によくいく。最近は、どんぶり一杯だしてくれる。たまに、おやじから、うちはすし屋だけどねえ、といわれるよ」
「たいへんだなあ」と友人。
「そうでもないさ。もともと店屋物は好きでないし、外食もきらいだから」
ほんとうは大変だけれど、単身赴任の惨めさを、例え、友人でも悟られたくない。
「沖縄料理は全く口にしないの」
友人の連れの女性が顔を覗き込む。
「そうでもないよ。え~と」
目からうろこ、この時、自分が結構、沖縄料理にいつの間にか馴染んでいることに気付いた。