あれやらこれやら いろいろ沖縄

沖縄に住み30数年の県外居住者が見た沖縄の生活や人情・自然や文化、観光。「あれやらこれやら」気ままに。

沖縄の夏の遊び  夏こそ長袖    

2007年06月20日 08時11分48秒 | Weblog
 6月18日(旧暦5月4日)、糸満ハーリーをはじめ各地でハーリーがありました。
そろそろ梅雨明けです。梅雨が明けると「カァーっと」と灼熱のまぶしい太陽が照りつける本格的な沖縄の夏がやってきます。そして、恩納村をはじめ各地のビーチはにぎやかさを取り戻し、朝から晩まで若者達が元気に遊びに興じる姿をみるようになります。
 この時期に、太陽光線の一番きびしい夕方4時ごろまで海浜で遊んでいる人たちの中に沖縄の人はいません。所謂、ナイチャー(内地人・県外人)ばかりです。ウチナンチュー(沖縄県人)は好んで直射日光をまともに受けることはありません。ウチナンチューは夕方、海辺に出て行きます。シャツを着て泳いでいる人を見かけましたら間違いなくウチナンチューです。海水着がなくてそうしているのではありません。日焼けを防ぐためです。
 観光できた人たちが亜熱帯の太陽の下に肌を晒し、オイルを身体中塗りたくって甲羅干し気取りをしているのをよく見かけますが、油を塗って身体を照り焼きにしているようなものです。
那覇空港で真っ黒に日焼けしたお嬢様方を見かけますが、あれは日焼けではなく「やけど」です。この内のたくさんの人がシミや後遺症に悩まされるのではないかと心配です。恩納村だけでひと夏100人以上もの観光客が日射病で救急車で運ばれると言います。
 沖縄の最高気温が33℃を超えることは殆どありません。木陰に入るとほんとうに涼しくて心地風が通り過ぎてゆきます。私など、着任した夏は、窓を開け放って冷房無しで過ごしました。湿気も少なく、とても過ごし易い沖縄の夏です。しかし、太陽光線だけは並ではありません。
(15年程前、裏磐梯の桧原湖で冬のひと月余りを過ごしたことがありますが、あの体験は並ではありませんでした。寒いのではなく、冷たいのではなく痛たかった)
 夏場もゴルフは盛んです。遠目でもプレーヤ―が沖縄県人か県外人か判別できます。長袖を着ているプレーヤーは県内です。「夏は半袖」と決めてかかっているのは県外人です。長袖は直射日光を受けない分だけ涼しく、疲れません。

日傘を差して、麦藁帽子を被り、出来るだけ木陰で休息をとりましょう。
海辺の遊びは、長い間直射日光を浴びるのは避けて、木陰への緊急避難をこまめにしましょう。
 自然とうまく適合した過ごし方さへ心得ておけば、沖縄の夏は快適で、爽快で、輝くばかりの魅力に溢れています。

めんそーれ、沖縄!



沖縄の人情  現金も財布も戻る

2007年06月07日 16時59分46秒 | Weblog
 5月30日夜、吐血。31日から数日前まで入院していました。もう少しと医者に云われたけれど仕事があって無理云って退院してきました。浦添総合病院に緊急入院したのですが、こんなに快適な入院生活ができるとは思ってもいませんでした。この病院だからでしょうか、看護士のきびきびした動作、明るい快活な応対。何かにつけ眼についた時はすかさず声を掛けてくれる。医師の指導とチームワークがいいのでしょう。入院がいい保養にもなりました。

 さて、先日のブログでポシェットが返ってきたことを書きました。
今度の体験は、うるま市になる前の具志川市でのことです。
 昨年3月、そろそろ早い所では海開きが始まる頃だった。具志川の安慶名交差点という具志川では交通量の最も多い地区で不思議な体験をしました。いや、感動的と言うべきでしょう。
 訪れた会社の事務所を出ようとして、携帯電話のないことに気付いた。どこに置いたのだろうと訪ねた先の会社の社員にも迷惑をかける大騒ぎをした。事務員の携帯で数度呼び出しをかけたけれど、事務所の中も、私の車の座席からもどこからも呼び出し音は聞こえて来ない。ここにはないということだ。携帯電話を探しているうち、いつもズボンの後ろポケットにあるはずの財布がないことに気付いた。まさに「狐につままれた」ようで何が何だかわからなくなり、慌ててしまった。
突然、呼び続けていた携帯電話に無愛想な男の声で返答があった。2km程戻ったところの安慶名交差点近くで客待ちで停まっているタクシー運転手だと云う。
無一文では心細いので、金子を少々借用して、指定された場所に急いで車を走らせた。到着すると、そのタクシーは客を乗せて行ってくるのでしばらく待っておくようにと、客待ちをしている後続のタクシーに伝言していた。しばらくして戻ってきたタクシー運転手によると、2時間近く前に交差点を過ぎた辺りの路上に携帯電話が転がっていたので拾い上げたと言う。訪ねた会社へのコース上になる。丁寧にお礼を云って、先ほどの会社で拝借してきたお金で、タクシー運賃がわりに心ばかり支払った。運転手は気持ちよく受け取ってくれた。それでも無愛想は変わらなかったが、人の良さが伝わってきた。
 携帯電話にはたくさんの不在電話が入っていた。それも無登録の電話番号ばかり。18時を過ぎていたけれど、最初の電話番号に掛けてみた。
「具志川商工会です」
と女性の声。取引もなく、知人もいない何の電話だろうと気になりながら
「携帯電話に電話が入っていたものですからーーー」
と伝えると、殆どの職員が退社してしまっているので、明朝、出社した社員に確認してみると言うことだった。
2番目の番号を廻したところ、また、「具志川商工会」。
3度目も4度目も。例の女性の方が出た。失礼になるので、若干詳しく不在電話になった状況を説明した。電話主が分かったら明朝電話をすると約束してくれた。

 何故、携帯電話が道路の上に落ちていたのか不思議で、あらゆる想定をしてみたが、思い当たる節はない。携帯電話が落ちていたという現場から500mほど離れた会社から車に乗り、2kmほど先の会社に行くまで、一度も車から降りていない。なくなった財布も心配だ。財布には現金だけでなく、免許証、各種カードを入れている。帰宅して車の中、会社、自宅と探し回ったがない。翌日は足跡を辿って、一軒一軒確認してみようとあきらめてはみたものの、まんじりとも出来ず朝を迎えた。
 朝8時半、突然携帯電話が鳴った。
「具志川商工会です」という。
財布を拾ったと言うのだ。わが耳を疑った。でも、まぎれもなく特徴は私の財布だ。
小一時間かかる時間ももどかしく、商工会に着いた。昨夜の女性と若い男性が現われ、名刺交換をし、あいさつを交わした。二人とも明るいさわやかな感じだった。
「昨日、歩道を歩いていたら、一万円札や千円札が風に吹かれて車道を行き来している。慌てて拾い上げてしばらくいくと財布が落ちていた。その中に免許証と名刺が入っていたので何度も電話しましたが取られなかった。退社時間になったので帰りましたが、今朝、彼女から聞いて電話しました」
 お礼の言い様もなく、心から感謝して辞した。自宅近くの有名な洋菓子屋さんからケーキを買って持参していたが。これだけでは心苦しかったけれども、それ意外の感謝の表し方もできず、後ろ髪を惹かれる思いで辞した。

 私はよく名刺入れを忘れて困ることがある。そのために、財布やポシェット、免許証
入れにも名刺を入れて持ち歩いている。これが意外なところで役立つものだと感じた。
 数日後、分かったことだが、携帯電話や財布を落とす前の会社で見本品をもらった。その際、車のトランクを開けるとき、手にしていた財布と携帯電話を車の屋根の上に置き、見本品をトランクに入れた。その後、しばらく社長と立ち話をして別れた。車の屋根の上に携帯電話と財布を乗せたまま、発車させてしまったのだ。

 昨今、荒んだ事件がここ沖縄にも起こっている。
しかし、「まだ、いい沖縄は残っている」と感じた一生忘れ得ぬ感激でした。