旧暦8月15日の15夜にヒヌカン(火の神様)と仏壇、神棚に供える「ふちゃぎ」。
吹上餅のことで「ふちゃぎむーちー」ともいう。
豊作と災難除けを祈願して供えた後、食べる。
沖縄の菓子の一種である。
餅粉をこねて蒸したものに、茹でた小豆をまぶしつける。
小豆は魔除けがあるといわれ、小豆を丸ごと餅にまぶす。
塩味が古来の「ふちゃぎ」らしいが、砂糖で甘味をつけたものや紅芋入りのものも「甘ふちゃぎ」「紅芋ふちゃぎ」として売られている。
沖縄では「餅」はもち米をを粉末にして蒸して作るので、餅というより食感は団子だ。
塩味もいいが、甘味も抑えられていて「甘ふちゃぎ」もうまい。
昨夜は月も出て、日中の暑さもやわらぎ、「十五夜」をひとり飲んだ。
仏壇、火の神、神棚とそれぞれにお供えしたので、3つは食べなければと思ったが、酒の肴を食べ過ぎてひとつだけ食した。
縁起物だから一日遅れの今日も2つは食べようと思っている。
9時過ぎ、公園まで出てみる。
中天に満月が煌々と輝いていた。
満月の光の中でさへ、月のそ傍で輝いていた大きな明るい星はなんだろう。
子供の頃、月明かりを頼りに夜道を急いだ。
新月の夜は漆黒の闇で、夜道はとても怖かった。
今では、地上に人工の明かりが満ち溢れていて、空を見上げなければ満月であることさへ気づかなくなった。
「月明かり」や「漆黒の闇」なんて言葉は遠くになりつつある。
*余談
「むーちー」
沖縄の方言母音はあ・い・うの3音が基本。
「え」は「「い」となり、「お」は「う」となる。
ローマ字表現の方が分かりやすいので置き換えてみよう。
「MOCHI(もち)」の「O]を「U」にすると「MUCHI(むち)」になる。
他に思いついた例を挙げてみよう。
「米(KOME)」は「くみ(KUMI)」
「嫁(YOME)」は「ゆみ(YUMI)」
子供たちがよく使う「くるすよ(KURUSUYO)」は「殺すよ(KOROSUYO)」。
この「くるす」「殺す」のではなく、「殴る」「叩く」という意味で使われる。
これを知っておくとかなり方言が理解できる。
もちろん、「え」も「お」も使われているようだが、その辺りのことについて、詳しくは言語学者に任せたい。
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