あれやらこれやら いろいろ沖縄

沖縄に住み30数年の県外居住者が見た沖縄の生活や人情・自然や文化、観光。「あれやらこれやら」気ままに。

沖縄の医の話~医者もいろいろ~浦添総合病院 石川和男先生~

2009年04月28日 21時08分26秒 | Weblog
黄色のハイビスカス。
千葉にいる妹が
「黄色の花はお金を呼び込むんだってーー」というから鉢を買ってきてベランダに置いた。
肥料がいいのかグングン伸びる。
放っておくと天井まで伸びてしまう。昨年切り詰めたが、また伸びた。
3つ下の妹だが、いくら年老いてもかわいい。

石川先生とは2ヶ月に一度お会いする。他でもない、診察でだ。
「先生、わたしはお酒が好きですが、糖尿や高血圧でも飲んでもいいですか」
駄目と云われたらどうしようと思いつつたずねた。
「タバコはのみますか」
「ええ、両方やります。タバコは2年余り止めていたんですが、1ヵ月前からのみ始めました。いろいろ面倒なことがありまして」
「タバコは止めたほうがいいですね。酒はどれくらいやりますか?}
「晩酌で1合位です」
「泡盛で?」
「いえ、日本酒です」
「日本酒ならいい。アルコールの度数の強い酒は悪い。一番にウイスキー、そして泡盛や焼酎です。日本酒ならいい。一合くらいでしょう?」
「はい」
今まで巷で聞いた話と違う。
「酔い覚めがいい」とひとは「泡盛」や「焼酎」をすすめる。
いままで自分もそう思っていた。
「先生。日本酒が一番悪いと聞いてますがー」
恐る々確認すると
「誰が云いました。それは違う」
と断定した。
納得!!
そういえば、医者からそんな説明を聞いたことがない。
巷のしたり顔の連中の話だ。
日本酒党のわたしは、いちもにもなく納得する。

今夜もほろ酔い加減でブログを書いている。



沖縄の医学はレベルが高い!?~新車・中古車・古々車~石川和夫先生のこと。その1

2009年04月25日 16時50分11秒 | Weblog
春うこんの花。うこんには3種類ある。
春うこんは春に花が咲く種類。秋うこんは秋に花が咲く種類。紫うこんは切り口が紫色である種類。
人間にも黒・茶・黄・白の4種類の分け方がある。それぞれが性格も違うように、うこんも違う。
次の機会にうこんについて詳しく書いてみよう。


 沖縄の医学のレベルは高いとよく聞いていた。
元気な時分はあまり興味がなかったが、近年、医者の世話になることが増えた。
いい医者の多いのに驚く事が多い。

 きょうから浦添総合病院の石川和夫先生の語録を載せてみたい。
浦添総合病院は地元では人気の病院である。医者の紹介状か救急車による緊急でないと一般的には受け付けてくれない。
 私が名医と尊敬する石川先生に出会ったのは、今も苦労している眼底出血がきっかけであった。

 一昨年12月のある日曜日。
自宅でくつろいでテレビを観ていたら、突然、左目の上の方から髪の毛が垂れ下がってきた。手で払うが、手には何も触れない。益々、大きく垂れ下がってくる。
洗面所に駆け込んで鏡をみるが異常はない。それでも、ますます左目は黒い雲のようなものに覆われ、終いには見えなくなった。
気が動転した。
日曜日の事、近所の眼科医に電話するが医者は不在と言う。
そこでパッと閃いて浦添総合病院に駆け込んだのである。
 その日は眼科の当直医はいなかった為、翌月曜日の診察となった。
月曜日は朝一番に病院に駆け込んだ。
一通り診察を済ませた眼科医は
「糖尿はありませんか。血圧はどうですか」
と質問してきた。
「糖尿は25年前に境界型と云われて3ヶ月に一回くらいの割合で検査していますが、変わりありません。薬ももらっていません」
「血圧は下は80台、上は120~130台です。病院に行った時に計るくらいです。時々、140台になることがありますが、しばらくしたら落ち着きます」
ありのままを話す。
「眼の病気ではないようです。眼底の毛細血管が破れて出血しています。レーザー治療が必要か手術になるか、原因が特定できないと治療ができません」
そうして紹介されたのが、同じ病院内の内科糖尿病専門医の石川和夫先生である。

 「糖尿は境目と言いますが、高いですなあ」
検査結果の数値である。
「先生、数字はこの20数年変わっていませんが」
何を云っている。高いわけないじゃないか。
「境界と言われた時はいくつでしたか」
「40代でした」
よくコントロールできましたねえ、とお褒めの言葉でも出るかと思ったら、
「血圧は140超えていますねえ」
「その後計ったら137でした」
反論を試みる。
「人間の血圧は測るたびに変わりますよ。高くなった時が危ないんで、低いときもあるからと云って血圧がいい、と言うわけではありませんよ」
それはそうだと納得する。
「糖尿は今のところ心配ないでしょうが、このままだと危険です。一錠の半分を毎朝飲んでください。それで様子を見てみましょう」
「それから血圧ですがねえ。120以下に下げないと駄目です。これも一番軽い奴を処方しておきますから、毎朝1錠飲んでください。これで様子を見ましょう」
大変な事になった。無理に薬を飲みたくないんだがー。
「先生、どうしても薬は飲まないといけませんか」
勇気を出して云ってみた。
「あなたは薬が嫌いですか」
にこにこ笑いながらである。
「はい」
「あなたが変わらないといっている数値は20年前から変わらないというのでしょう」
「はい」
「人間、寿命は50代ですよ。閉経年齢がその動物の寿命です」
なるほど、鮭も産卵すると雌も雄も息絶えてしまう。カマキリに至っては交尾を終えたら、雌は雄を食ってしまうという。納得する。
「あなたはもう20年前の新車ではない。50になったら中古車。60超えたら古々車ですよ。新車のうちはどんな窪みでどんっと跳ねても車はビクともしない。例え、ひどくやっても痛むところは一箇所で済む。中古になると、足周りだけでなくて、ブレーキやエンジンやマフラーなども壊れる。あちこちにガタが来ているからですよ。古々車になるとそれがもっとひどくなる。ひとつが壊れるとあちこちに故障がでる。」
わかりやすい。
そうだ。40代から50代の前半まで階段は2段跳びで昇った。酒も翌日まで持ち越すことはなかったが、最近は、昼までアルコールが抜けた気がしない。
この歳まで病気などしたこともなかったが、そういえば、あちこちガタが来ている。
納得して下がる。
わかりやすい説明だと、その後、友人たちにしゃべって聞かす。

薬はありがたくいただいて飲んでいる。

 漸く、眼底出血の血も引いて徐々にではあるが、細かい作業ができるようになった。


沖縄の人情~やはり沖縄には泥棒はいない?~

2009年04月13日 17時54分18秒 | Weblog
伊計漁港。宮城島を過ぎて高い朱色の橋を渡ると伊計島である。
この橋は、宮城島と伊計島を結ぶ唯一の橋で、橋上からにる景色は絶景だ。高所恐怖症には歩いて渡ることはできない。
橋に到達するまでの道路に突き出した岩の庇は2億数年前の岩石だと言う。
写真は、そんなアプローチをたのしみながら、橋から数分、伊計ビーチを左にみて、右の小さな坂道を下ったところが伊計島の漁村である。静かな漁村だ。
運転もゆっくりとお願いしましょう。


 沖縄には泥棒がいない?というタイトルで一昨年かブログに書いた。そしたら、傘を盗まれたと言う投稿があった。そういえば、よく傘を持っていかれるなあと思い出した。傘を持っていかれた時ほど、頭にくる事はない。
大した値段でなくても、傘がないと歩いてはいけない。仕方なくタクシーを使う。考えてみれば、これも傘の値段の内だ。
雨降りはタクシーも通らない。踏んだり蹴ったり、いらいらも代金だ。

 ところが、先日、スーパーのATM機で会社や私用の預金通帳の入った小さな小物入れを忘れてきた。
忘れて来たのを気付かずにいたら、店を出て1時間ほどして、スーパーの管理人から電話が来た。
「預金通帳の入った布袋を忘れていませんか」
またやった。

 夕方、受け取りに行った。
若いガードマンに管理人室はどこかと訪ねた。
彼は携帯電話で何事かを話していたが、
「ちょっとここで待っててください」
そう云って、カートなどの整理を始めた。
急いでいたので、やきもきした。
しばらく待ったが何とも云わない。
「あのう、管理人室に行きたいのですがー」
「もう、ちょっと待ってください。もう直ぐ来ますからー」
えっ?来てくれるの?
寸時も待たずに中年の男性が小さな袋と台帳を持ってきた。
「いやあ、ありがとうございます」
受け取りの台帳に当たり前のようにサインして受け取った。
「よかったですね」
と男性。
「届けていただいたのは女性ですか」
「いや、男性でしたよ」
管理人の男性と若いガードマンに心からお礼を言った。

 届けてくれた人。
わざわざ事務室からもって来てくれた男性。
朴訥で純朴なガードマンの青年。

 これぞ沖縄。こんな親切を当たり前のようにやってくれる。
「ここで待っててください。管理人が持ってきますから」
「良かったですね。届けていただいたのは女性でした。お名前を伺ったのですが何も言わずに立ち去りました」
テレビのドラマならこのようになるのであろうが、
落し物が出てくるのは当然のこと、
管理人室がわからなければ持っていってやるのも自然のこと、
ここで待て、と言われたのだから待つのは当たり前。
 他県の皆さんわかりますか。
ええ、ええ。何となくこの辺りの呼吸がわかるのには15年はかかりますね。
今でも、わからないことがたくさんあります。
沖縄の風土なのか、人情なのか。
それともその人の個性なのか。

 あなたの経験、あなたの郷土の慣習、あなたの郷土の価値観で見ないで沖縄をみてください。
あるときは楽しく、ほのぼのとするものをみるでしょう。
もちろん、いい事ばかりではありません。
それが旅だと思うのですが。